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3. 次期女帝なので護衛騎士は不要です

まさかの前世で大好きだった漫画に出てきた私の推し

『ツルハ皇帝陛下』がまさかの乙女小説に登場!?

意味不明な展開に私は──────

「……そういえば、お前には護衛騎士がいないのか?」

殿下の低い声が、謁見の間に冷たく響く。

先ほどまでの交渉で見せた鋭い眼光はそのままに、彼は私の背後に広がる空虚な空間を見据えていた。

一国の皇女(あるいは使者)が、他国へ交渉に赴く際、傍らに守護の剣がいないなど、本来あり得ないことだ。

「私には必要ありません。護衛騎士は妹のリリウムにまわしております。一国の姫君が剣を持てなくてどうするんです?」

「今なここで何者かに襲われたらお前はどう対応する?」

「さぁ...?」

何かを求めるような目。何かを発言しないといけない。

「剣を構え立ち向かうでしょう。」

「剣を持参しているのか?」

「それは殿下もでしょう?そりゃ国外の者がこられるなら何が起こるか分からないからですからね。」

「護身術や剣術まで兼ね備えてるとは。」

ティーカップを音一つもせず優雅に下ろす。

「嬉しきお言葉ありがとうございます。これからの発展に向上を。」

(やッばぁぁぁぁい!!!めっちゃ緊張したけどまさかの違う漫画の推しに褒められるとかやばい。まぁ性格はやはりこちらのキャラ設定のままだけどイケメンだからよし。)

アイキルト殿下は席を立ち、ガゼボから離れて行く。するとこちらを振り返らずに少し離れたところで立ち止まり

「リリーベル。次のノベリアでの生誕祭でハッキリさせよう。」

顔は見えなかったが明らかに挑戦状みたいな発言だ。

「ッ!はい!」

アイキルト殿下の背中が見えなくなるまで私は背筋を伸ばし、完璧な皇女の微笑みを崩しませんでした。

しかし、彼の足音が完全に遠のき、周囲の侍女たちも次の準備へと動き出した瞬間――。

(……ふ、ふぅぅぅぅ……!!!)

肺に溜まっていた空気を、一気に吐き出します。

心臓がうるさいくらいに脈打ち、指先がわずかに震えていました。

(や...やりきった?……でも流石に『冷酷の殿下』とまで言われてるまであるわね。ただ今は終わりじゃなくてこれからが始まり……。しかも生誕祭で再開!うぅ...これは結構難問ね

でも!悪役令嬢(仮)の私に不可能はない!)

その後私は王宮に戻り妹のリリウムのいる執務室へ向かう。

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