2. 推し様は王子様
リリーベルは隣国の次期皇帝陛下との初お見合いをすることになったのだが一番恐れていたキャラの見た目を初めて見ることになるのだが──────?
フローラが髪の毛やらドレスやら気合いを入れすぎている。
「フ、フローラ?気合い入れすぎじゃない……?」
「そんなことありませんよ!なんだって初のお見合いなんですから気合いを入れすぎたくらいがちょうどいいですよ!!」
「アハハ...そうよね……」
瞳の色と合うようにピンクのフワフワドレスに白髪を緩くカールし、三つ編みに仕上げた。
「おぉ...凄い!」
「いやー過去一上手くできた気がします!!では姫様の大切になさっているバラ園のところに殿下が来ているそうなので見送りしますね」
「えぇ...」
(とてもとても緊張している。何故なら私はアイキルト殿下の顔を知らない。キャラの見た目設定を描いてなくて、どんな風の顔立ちなのか全然予想がつかないからだ。うぅ...あの時決めておけば良かった……)
予定場所の私専用バラ園に向かう。今の時期バラが美しく咲く丁度いい時期なのだ。このバラ園は庭師が管理してるのではなく私が一から整備している大切なバラ園だ。
「さぁ姫様、着きましたよ。では私はここでーー。姫様!頑張ってきてくださいね!!」
バラ園入口の所で行ってしまった。
(まじで緊張する……)
私はバラ園の中心にあるガゼボの前で立ち止まってしまった。何故なら──────
「ツルハ皇帝陛下!?」
説明 ツルハ皇帝陛下とは私(元.鈴香)が前世大好きだった漫画『私にだけ優しい皇帝陛下!?』に出てくるイケメンキャラである。黒髪で透き通った儚いブルーノ瞳,スラッとした体型,余裕のあるのか分からない無表情。
いかにも女性を弄ばしそうなキャラなのです!
(なぜなぜ???ツルハ皇帝陛下がいるのは嬉しいなのだがなんか色々混ざってるよ?多分私の想いが強すぎたのか(?))
とにかくお見合いをする未来は変わらない。でも!私は推しであろうと婚約は結びたくない!何故なら我が国を守り抜き安心する未来を、そしてきっとアイキルト殿下(ツルハ皇帝陛下)にはもっと素敵な人がいるはず!!(まぁ元々はラーシャと結ばれるはずだったんだけどね)
一歩ずつ慎重に近づき、ドレスの裾を摘み礼儀良く礼をする。
「ツル...アイキルト殿下。お初にお目にかかります。リリーベル・アンシャルネと申します。本日は我が国,アンジュラス帝国に訪問して頂き嬉しく思います。」
と顔を上げ真っ直ぐ瞳を見る。
(やっぱりツルハ皇帝陛下と顔が瓜二つね!!イケメンだわ!拝めるだけでもう十分)
「リリーベルと言ったな。単刀直入で言う。このお見合いは政治の為にやっていることか?」
「...本音を言ってしまうとその通りです。私は我が国を守る為にやっていることです。」
「何が言いたい?」
「私はこの国の次期女帝です。そして今や隣国は戦争仕掛けない状況にあたります。そしていずれはアンジュラス帝国も巻き込まれることでしょう。そこでノベリア帝国に支援を要求しに話し合いをしに来ました。」
「何故だ?アンジュラスは技術も経済も発展している。」
「ですが今アンジュラス帝国には騎士団が8程しかおりません。もしも戦争に巻き込まれれば大きな被害を受けることでしょう。そこで!戦力の高いノベリア帝国からの支援が欲しいのです!」
「...今日はそれだけか」
「殿下は婚約を望まないと聞いておりました。婚約をしろとは言ってないです。同盟国を結び、これからの国の未来を平和にしたいのです。」
「こちらに側に得はあるか?」
(やはり一筋縄ではいかないか...!にしても美形だな……)
「もちろんです。我が国(アンジュラス帝国)が保有する『古の魔導回路』の航路図を共有いたします。これがあれば、ノベリア帝国の軍船は荒れ狂う北海を回避し、最短で大陸西側へ兵を動かせるはずです」
「……航路図だと?」
「はい。アンジュラスが堕ちれば、その特権は敵国の手に渡ります。ノベリアにとって、我が国は『守るべき盾』ではなく、**『手放してはならない鍵』**であるはずです。殿下、これは施しを乞うているのではありません。対等な利害の一致を提案しているのです。そして───」
「…私を、ノベリアの『盾』として自由にお使いください」
「婚約はいらないと言ったはずだが」
「アンジュラスの全権を委ねられた『人質』、あるいは殿下の『影』として動く駒なら必要ではありませんか? 私はアンジュラスの騎士団が持つ全戦術を把握しております。私という駒を一つ置くだけで、殿下はアンジュラスの軍事権を間接的に手に入れるも同然。これ以上の『得』が他にありますか?心からのお願いです。どうかアンジュラスに栄光を」
「……善処する」
「!ありがとうございます」
「そういえばお前には護衛騎士がいないのか?」




