表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灯りの記録 〜見て見ぬフリをしてきた過去と向き合うために〜   作者: なかみね ひまり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/83

第80話 灯りを求めたのに否定された記録


裁判所や役所の対応に怒りを覚えた後、私は別の方法で心の灯りを求めた。


それが、電話占いだった。



私はただ、離婚できるかどうかを知りたくて、現状、気になってることだけを聞けたら、それでよかったのに、返ってきたのは、私の性格や態度を否定するような言葉ばかりだった。


「あなたは、思い通りに物事が動かないと、どうのこうの」


「そんなんじゃ、コミュニケーション取れないよ」


「冷静になって話し合え」


完全に私の性格を否定しているように聞こえ、心底ムカつき、怒りを覚えた。



それに加え、


「あなたは真面目すぎて、融通が効かない」


とも言われた。



「私はそんなことを言われるために、あなたを選んで電話したわけじゃない」


「それに、真面目さは私の灯りでもある」


「それを『欠点』のように言われたら、心が踏みにじられるように感じる」


そう思った。



家庭環境のことも話し、良くなかったことも、ちゃんと伝えたのに


「あなたの親は、過保護なのでは?」


と言われ、その言葉に『カチン』ときた私は、はっきり言った。


「過保護と過干渉では、全く意味が違うから」


と言うと、その言葉には反論してこなかった。


きっと、私の言葉に『本質を突かれた』からだと思う。



何度も言うが、


過保護は『守りすぎる』こと。


過干渉は『支配しようとする』こと。


暴力がある時点で、それはもう『保護』ではなく『支配』だ。


そこに『愛』や『保護』なんてものは存在しない。



和馬と一緒に住んでた時、私はずっと振り回されてきた。それなのに


「あなたも、ちゃんと彼の主張聞いてた?」


なんて言われて、まるで私が一方的だったみたいな言い方。



占い師のくせに、そこまで見抜けないなんて、


「この人も、まだまだ素人だな」


と思った。神通力を売りにしてたが、灯りどころか、影を落とされた気分だったし、


「そんなにあいつの肩を持つなら、あなたが代わりに引き取って結婚してよ」


そう言ってやりたい気分だった。



私が質問したことに対する返答ではなく、どこか、明後日の方向にずれた返答ばかり。


「この人、絶対、人の話を聞いてないだろう」


と強く感じたし、もはや鑑定というより、ただの押し付けだった。



「思い通りに動かないと…」


って言うけど、そんなの人間なら、誰しもあることでしょ。これまで


「自己主張した方がいい」


と言われてきたのに、いざ言えば


「冷静になれ」


と言われる。


「じゃあ私は、どうしたらいいんだよ。あんたの言い分だと、私がどれだけ『理不尽だな』と感じても、その感情に対して、見て見ぬフリをして、ロボットのように振る舞えとでも言うんですか?」


そう叫びたくなった。



それと同時に、心の奥に溜め込んでいた言葉が、さらに溢れてきて、


「まれに、酷いことを言われても何も言い返さずにスルーしたら、


『何も言わないあなたも悪い』


って言ってくる人がいるけど、言い返したら言い返したで、今度は


『あーだこーだ言う前に落ち着け』


って説教してくる。



『言い返しても悪い』


『言い返さなくても悪い』


言ってること矛盾してるし、それってある意味、卑怯なのでは?」


実際のところ、口にはしてないが、この人と話せば話すほど、私のヒステリーが浮上しそうになった。



それに


「生まれ持った性格を変えろ」


と言われても、そんなの無理な話。


「それを言うなら、あなたはそう言われたら、素直に受け止めて変えられるんですか?」


そう聞き返したくなった。



最後には


「私のアドバイスで、間違ったこと言ってるでしょうか?」


と聞いてきたが、正直、モヤしか残らなかった。


それを言ってくる時点で、単なる押し付けにしか聞こえなかった。



電話を切った後、この人の


「私の言ってることは間違っているのか」


の問いに、ふと頭をよぎった言葉があった。


「人に言いたいことは、自分に言いたいこと」


まさにこの日、話した占い師にピッタリだった。



「冷静になれ」


「思い通りにいかないと、どうのこうの」


それはむしろ、この人自身が抱えている未整理な感情だったのだろう。


普段からいい評価をもらっているせいか、完全に


「天狗になっているな」


と感じた。鑑定料金は完全に無駄になった。



「あなた方、占い師にとっては、鑑定料金をもらうことなんて当たり前なのかもしれないけど、私にとっては、貴重なお金だったんだよ」


通話を終えた後、口コミにそう投稿した。



私は灯りを求めて電話しただけであり、くだらない説教をされるために、電話したわけじゃない。


話せば話すほど、


「この人、私を怒らせたいのかな?」


と思った。



「占いを通して私を見ているのか、単なる好き嫌いで私と話しているのか?」


そう感じても過言ではない鑑定だった。



けど、私は違和感を見過ごさなかった。


言葉にして、線を引いた。


それは、怒りを抱えながらも『見抜く力』を取り戻した記録でもあったのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ