第66話 弁護士とのやりとり
江坂弁護士から最初に届いたメッセージは、丁寧な挨拶と共に、相手の収入資料の添付依頼だった。私は
「こちらこそ、ありがとうございました」
と返信し、指示に従った。
1週間後には、
「戸籍が届いた」
との連絡があり、婚姻費用と離婚調停の申立てを進めるとのこと。私自身の給与明細の提出を求められ、疑問を抱きつつも、江坂弁護士の指示に従った。着手金を振り込んだ際には
「入金確認しました。調停は申立済みです」
と返答があり、
「相手からの反応はないまま、再来月には、調停が始まる見込みです」
と知らされた。
私は念のため、
「内容証明は、相手に届いていますか」
と確認したが、返ってきた答えは
「普通郵便です」
だった。
「なぜ、『内容証明』というものが存在してるのに、江坂さんは『普通郵便』で送ったのか?」
少し疑問に思ったが、正直に答えてくれたことを信じ、この時は深く追及しなかった。
年末には、これまで記録してきた不満や日記を調停で活用できるか尋ねた。すると、江坂さんは
「コピーを見せてください」
と即答し、私は長文の記録をいくつも送ったが、特に反応はなかった。
年が明けてからは、源泉徴収票や最終学歴の提出を求められ、私は正直に応じた。
調停の日が近づくにつれ、追加の主張も送ったが、この時も、既読がついたまま、返答はなかった。
第1回目の調停後、江坂さんから
「相手は出席せず、次回も来ない可能性が高い」
と報告が届いた。私は
「裁判となれば、私も出席が必要ですか」
と尋ねると、
「当面不要です」
との返答。和馬との金銭的依存を示すスクリーンショットも証拠として送ったが、やはり反応はなかった。
そして、迎えた第2回目の調停。
江坂さんからの電話で
「相手は再び欠席。裁判に移行します。夏から秋には離婚成立の見込みです」
と告げられ、以外とスムーズに進むものなんだと感じた。
さらに、相手に婚姻費用請求をするため、過去1年分の給与明細の提出を求められ、私は面倒に思いながらも従った。
「婚姻費用は、いつから請求できますか」
と尋ねると、
「来月頃には、差押さえが可能になる見込みです」
との返答。ここまでは、順調に進んでいるように思え、私は江坂弁護士を信じていたが、それがやがて、私にとって、新たな試練へと変わっていくことになるとは、まだ思いもしなかったのでした。




