第6話 ロマンス詐欺に遭い、人間不信に2
千円を振り込んだのはいいものの、その後も、サイトでエラーが発生し、振り込み入金確認ができず、追加で
「もう1万振り込んで欲しい」
というメッセージが届いた。
竜太:ラブ、またサイトからのメッセージ届いたかな? 今日機会のトラブルが続いてて、パソコンも今バグってて。こんなこと滅多に起きないから、俺もめちゃくちゃ混乱してて…
悪いけど、もう1万払ってくれるかな? ラブと会った時に利子付きで、弁償するから!
というメッセージが届き、正直言うと私も
「えーっ、嘘でしょ」
って言いたくなったが、
「追加で1万払って、このサイトから解放されるなら」
とポジティブに捉え、
私:分かった。仕事終わりに再度振り込むよ。
とだけ送った。
そして、仕事終わりに再度、1万円だけ振り込み、領収書と共にサイト宛にメッセージを送ったが、またサイトから
「今度はシステム復旧費として、3万円が必要です」
といったメッセージが届き、竜太からも
竜太:ラブ、サイトからメッセージが届いたかな? 俺も払いたいけど、今手元になくて…
とメッセージが届き、私も
「1人暮らしだから、正直無駄遣いしたくない!」
という気持ちが強い半面、
「けど明日、竜太と会う約束をしてるから、その分、節約ビジネスの会員になってもらって、竜太に広めてもらえればいいや」
と思い、その日は夜も更けてたので、次の日に再度振り込むことにした。
だけど、この時の私は、竜太とサイトに振り回されてて、仕事に集中することもできず、節約ビジネスのことも、イラストレーターのことも後回しになっていき、言われるがままに追加で3万円振り込んだものの、
「今度はセキュリティ強化費として、6万円が必要です」
といったメッセージが届き、引き続き、竜太からも
竜太:ラブ、本当に申し訳ないけど…もう少しだけ頑張ってくれないかな?
と送られてきた。私は、
「もう何が正しいのか?」
分からなくなっていき、よく振り返れば、この時の私は、完全に竜太に執着していた。私にとっての6万は、かなりの大金だったし、当時私が住んでたアパートの家賃代と同じ金額だったから、家賃と同じ金額を払うのは、かなり抵抗があった。
その半面、
「追加で6万払えば、彼に会えるかもしれない」
その希望だけが、私の背中を押していた。
「ここまで来たんだし、明日彼に会えるから彼を…信じたい」
そんな気持ちが、私の判断を曇らせていた為、次の日の休憩時間、サイトに追加で6万円振り込み、
「これ以上払えません」
と私も釘を刺すようなメッセージを送った。
ただ、その日の夜、本来なら竜太と会う約束をしてたから、待ち合わせ場所まで出向いたものの、竜太は待ち合わせの時間になっても来なくて、それどころか、またサイトから
「ラブさんのアカウントに不具合が見つかりました。今度はアカウント修復費として、10万円が必要です」
というメッセージが届いた。そのメッセージを見て、私は言葉を失った。金額がどんどん膨らみ、竜太からの返信もなく、待ち合わせ場所にも現れなかった。
私はここで初めて
「詐欺にあったのかも」
と自覚するようになり、気づけば、たったの2日で合計10万円。かなりの大金を失っていた。
それ以降、私は人間不信になり、外に出る気にもなれず、バイトも休みがちになってた為、やむを得ず、
「身内の介護をしなくてはいけなくなり、それが遠方になるので、辞めさせていただきたいです」
と店長に送り、店長からは
「分かりました。そしたら、制服だけ洗って返しに来てください。もし難しい場合は、郵送してくれても構わないので」
というメッセージが届いた。
バイトも辞めることになり、私は孤独感に苛まれながら、1人で悲しい涙を流し、すっかり塞ぎ込んでしまった。
信じたい気持ちが、私の灯りを曇らせていく。
その終わりのようで、始まりのような夜でした。




