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第36話 最低限の生活しか送れなかった日々
精神科に通いながら、行政の制度にも頼るようになった。
緊急小口資金や住居確保給付金など、最低限の支援は受けられたけど、それはあくまで『生きるための最低限』でしかなく、当然ながら、心に余裕が持てるような生活ではなかったから、家賃や光熱費を払えば、手元に残るお金はほんのわずか。
食費もこれまで以上に節約しなければならず、スーパーで値引きされた商品を探すのが日課になり、それでも
「今日は何を食べようか?」
と考える余裕すらなくなっていった。
外に出る気力もなければ、誰かと話す気力もなく、ただ日々をやり過ごすだけの生活。
「この先、私は社会復帰できるだろうか?」
と何度も思い悩まされ、『灯りが消えかけた日々』というテーマに、この時期ほどぴったりな時間はなかったかもしれない。
制度に頼ることは、決して悪いことではない。
けど、制度があるからといって、心が守られるわけではない。
そんな現実を身を持って体感したのでした。




