第35話 限界の中で差し込んだ優しさ
コンビニを辞めた後、私は自宅療養に追い込まれ、鬱状態になってしまい、朝もなかなか起きれず、起立性調節障害に近い症状が出ていた。
夜もぐっすり眠ることができず、不眠症に悩まされるようになり、とてもではないが、次の仕事を探す気力も湧かず、精神科に通い始めた。
診察では、直近まで働いてた職場でのパワハラのことや、今の状態について話すと、
「ちょっと鬱っぽいね」
と言われ、診察後、薬を処方してもらい、飲むことで少しは安眠できるようになったが、薬を切らすと全く眠れなくなり、呼吸困難や動悸に襲われることもあった。
ある日、精神科に行った帰り道、突然のめまいが起き、その場から動けなくなり、
「私、もうダメかも…」
と思いながら、道端でしゃがみ込んでしまった。
すると、ちょうどそのタイミングで私を見かけた方がいて、見ず知らずの人なのに、私を助けてくれ、救急車を手配してくれた。
救急車で病院に運ばれた私は、点滴を打ってもらい、少し休んだ後、症状は徐々に治まったが、救急隊員の方からは
「回復したなら、とっとと帰ってくれ」
と言われ、その対応はあまりにもガサツで、原因も分からないまま返された。
ただ、あの時、助けてくれた方には本当に感謝しています。
見ず知らずの私に、迷わず手を差し伸べてくれたその優しさは、消えかけた灯りの中で、微かに私を照らしてくれたのでした。




