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灯りの記録 〜見て見ぬフリをしてきた過去と向き合うために〜   作者: なかみね ひまり


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第17話 コミュニケーターさんとお茶しながら話したこと


いざ、田口さんと2人で会うことになり、お互いの休日の過ごし方など、他愛もない話をしていたが、話題が親のことに及んだ時、田口さんが、


「愛羅さんのご両親は、地元にいるの?」


と質問をしてきた。



私は昔から両親との折り合いが悪く、保険会社で働いてた時、両親のことを根掘り葉掘り聞かれたのがものすごく不愉快だったから、もし今後、両親のことを聞かれたら


「死んだことにしよう」


と決めてたから、


「去年亡くなりました」


と答えると、田口さんは、何の遠慮もなく


「なんでなんで?」


と問い詰めてきた。


それに対して私は


「突然の事故で」


と答え、敢えて話を遮断した。



その後、田口さんは自身の話をし始め、


「実は私も、愛羅さんと同じくらいの年齢の時に両親を亡くしてて、それに続くように弟も亡くなったんだよね」


と語ってきたが、それを聞いて、それこそ、こっちからしたら


「なんでなんで?」


って首を突っ込みたくなる内容だった。



事情は後から知ったが、ほぼ初対面の相手に、


「聞いてはいけないかもしれない話」


を何の配慮もなく掘り下げるなんて、


「非常識な奴だな」


と感じた。


「この人は人の過去をほじくり返して、地雷を踏ませたいのか?」


と、思い出す度に腹が立つ出来事だった。



その日は、そろそろ帰らなければならない時間になったから、キリのいいところで引き上げ、帰路に着いた。


「もう会うことはないかも」 

 

と思ってたが、その時の私は、


「誰でもいいから話を聞いてほしい」


と思うほど、大きな悩みを抱えていた。



数日後、夜遅い時間だったから、迷いながらも

田口さんにメッセージを送った。するとすぐに電話がかかってきて、私は現状の悩みをひと通り話した。


田口さんは、私の話を最後まで聞いてくれたが、その後


「私のやってる講座を受けてみない?」


と勧誘された。



その講座は決して安くはなく、私は保険会社を辞めてしばらく働けなかったから、当時仲が良かった友達からお金を借りてて、毎月少しずつ返済している状況だったから、それも伝えたが、田口さんは


「所詮、親しい友人でしょ。今返済してるお金は、いずれ返していけるようになるし、私の講座を受ければ、バラ色の人生になっていくから、悩むことも少なくなっていくし、出会う人も変わっていくから」


と無責任なことを言ってきた。



けど、私は思った。


「いくら親しいとは言え、お金を借りていることに変わりはないし、お金の貸し借りで人間関係がギクシャクする話はよく聞くし、それこそ返せなかったら、後々何を言われるか分からない」


今ならそう思えるが、当時の私は田口さんに言われるがまま、そのコミュニケーション講座を受けることにした。



だけど、田口さんと親密になるにつれ、距離感がどんどんおかしくなっていき、私の日常は更に、不運な出来事ばかり起こるようになっていくのでした。


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