第12話 再スタートの新たな壁
あれだけの騒動があったにもかかわらず、時は流れていき、実際にお客様の自宅へ訪問し、保険商品の営業を行う時期に差し掛かった。
初めての営業ということもあり、最初の3ヶ月はベテランの方と同行しながら、一緒に営業に回るのが主な業務だった。
更に、新たに復帰してきた“橋本”いうトレーナーもいて、
「時間がある時は同行する」
と言ってくれたから、橋本トレーナーとアポなし訪問を行い、隣でどんな風に商品をアピールしているのかを聞きながらメモを取ったり、そのやり方を参考にしながら、私自身も商品の説明をすることもあった。
「いろんなことがあったけど、せっかく正社員になれたから、また1から再スタートしよう」
そう思い、自分なりに頑張ってアピールするよう努めたが、復帰してきた橋本も、パワハラトレーナー山田と似たようなところがあり、
「やる気があるのはいいけれど、あなたみたいな人に営業されても、私だったら契約しようとは思わない」
そんな、わざわざやる気を削ぐような言葉をかけられたり、
「あなたのやり方には難がある」
と否定されたり、私と同期たちが仲良くないのを知ってるはずなのに、
「同期のみんなとは仲良くしてるの?」
と、わざと探るような言い方をしてきたこともあった。
「あなたがやってるように、私もお客様にヒアリングしてるつもりです。あなたの求める営業って何ですか? そこまで言うなら、具体的に教えてくれてもいいじゃないですか? 人それぞれ個性があるんだから、多少の違いが出るのは当然のことでしょう?」
そう叫びたくて、仕方がありませんでした。




