表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

第7話 ギルドの再建に向けて

 俺とサクラはギルドのテーブルに向かい合って座っていた。

 黄ばんだ依頼掲示板を背に、机の上には紙とインク壺、それから俺の頭の中で組み上がった「分析表」が広がっている。


「えっと……プロデューサーさん、これは……?」

 サクラが首をかしげる。


「現状分析だ」

 俺は紙を指で叩く。

「どんな夢だって、土台がぐらついていたら崩れる。まずは、このギルドの現状を整理しないといけない」


 紙には、俺なりにまとめた課題が並んでいた。


・人材不足(冒険者がほとんどいない)

・依頼不足(掲示板に張られる依頼は簡単な雑用ばかり)

・資金不足(ギルドとしての運営が困難)



「……こうして書き出すと、ひどいですね」

「事実を直視するのは大事なことだ。ここからどう動くかを考えるんだ」


 俺の言葉に、サクラは神妙な顔で頷いた。


「でも……どうやって人を集めるんですか? 強い人は、大きなギルドに行きますし」

「だからこそ、“魅力”が必要なんだよ」


 俺はサクラを見据える。

「君自身の歌や姿を、ギルドの看板にする。冒険者でありながら、人を惹きつける存在――それが君の強みだ」


「わ、わたしを……看板に……?」

 サクラは耳まで赤くして視線を逸らす。


「すぐに大きなことはできない。でも、小さな実績を積んでいけば、やがて人は注目する。まずは一歩目を踏み出すんだ」


 俺は立ち上がり、黄ばんだ掲示板に歩み寄る。

 そこに貼られている依頼のひとつを指で示した。


「この荷物運びの依頼、どうだ?」

「えっ、これ……すごく地味ですけど」

「いいんだ。地味でも確実にこなせば、信用が生まれる。それが次に繋がる」


 サクラは少し考え、やがて小さく拳を握った。

「……わかりました。やってみます!」


「よし」

 俺は胸を叩き、彼女を見据える。

「ここからが、俺たちの第一歩だ」


 ――オンボロギルドの小さな机の上で、異世界のプロデュース計画が静かに動き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ