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異形の美女に懐かれたので、旅の道連れとなって冒険者します  作者: 星羽昴
Ep:迷宮

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【迷宮】第7話 贖罪

「女だから師匠の後継者になれなかった……と言うのは、土地柄なのかね。わたしの生まれ育った北の地では『魔法は女の領分』として、男どもには関わらせないんだ」


 そう言えば……こちらで出会った魔法使いは、みんな男ばかりだったな。


「ほう、そうなのか。土地が違えば、彼女が《《己を歪める》》こともなかったのかも知れないな」


 ラグドールの「己を歪める」との言い回しが少し引っかかる。

 ラグドールによれば、師匠の後継者として認められなかったオルティナは「魔法を極めた」ことを証明しようとして一線を越えたのだと言う。

 魔と生身の身体を融合させ自らを魔族とする……禁忌の呪法。


「私がもっとしっかりしていれば……真に師匠の後継者として相応しければ、彼女をそんな考えに走らせなかっただろうにな」


 一瞬……ラグドールの身体に、白い靄が纏わり付くのが見えた気がした。


「過ぎたことだ。悔やむだけ時間の無駄さ」


 わたしが言える台詞でもないな。今度は、わたしが自嘲する番だ。



 そして、魔を吸収し続けなければならなくなったオルティナのために、ラグドールは「魔物を呪符に封印する」術を極め、オルティナに呪符に封じた魔を流し込んできたわけだ。

 なるほど、最初にラグドールが『契約』と言った意味がわかる気がする。

 冒険者としての「魔物討伐」の依頼をこなしていれば、ラグドールとオルティナの関係は成り立つ。


「……私の贖罪だ」


 ラグドールは小さい声で呟いた。多分、独り言だろう……わたしは聞かなかったことにする。



 オルドガの町。

 その、東の森で発見された古城のことは《《一応は》》秘密とされている。しかし、人の口には戸を立てられず、オルドガの町に留まらずランスレット伯領に知れ渡ってしまったらしい。


「そうだろうね。わたし達が飯屋で情報を集められたんだからね」


 ラグドールは苦笑する。


「先ほども言った通り、相当に古い城だ。古代の記録が粘土板で残っているかも知れない」


「粘土板ねえ……有り難いシロモノなのかい?」


 わたしの言葉に、ラグドールはまた笑う。しかし、今度は苦笑いではない。子供が得意げになるような輝いた笑顔だ。


「粘土板を馬鹿にしてはならない。羊皮紙に書かれた記録は手軽ではあるが、羊皮紙が虫に食われて破損していることが多い。粘土板は、正確に古代の記録を残してくれているのだ。失われた魔法そのものがなくても、それを探る手がかりともなる」


「ああ、そうかい」


 何やら、研究者の面倒な矜持に触れてしまったようなので聞き流すことにした。

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