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異形の美女に懐かれたので、旅の道連れとなって冒険者します  作者: 星羽昴
Ep:迷宮

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【迷宮】第4話 誰が許すか!

「おっと、これは失礼した」


 わたし達の部屋に2脚しか椅子がなかったことに気付いたラグドールは席を立った。遅れてオルティナも立ち上がる。

 部屋を見渡したラグドールは、簡素な部屋に呆れたのか小さくため息をつく。


「場所を変えて話をしたい。よろしいか?」


 承諾してついて行く。ラグドールは料金の高そうな飯屋の二階に、個室を用意させた。装飾が施された部屋には、4脚の椅子と大きなテーブルがあった。


「酒も料理も入らないよ。話だけ聞かせておくれ」


 ラグドールが店の女給に、わたし達の分の酒と料理も注文しようとしたので遠慮する。

 わたしは北の地を出てから酒は飲んでいない。酒をすすめられるのも面倒だし、小さな借りでも仕事も断り難くなる。まずは、話を聞いてからだ。

 ラグドールはニヤリと笑うと、女給に伝えた注文を取り消して「部屋に誰も近づかない」ように指示を出す。さも当たり前に対応した女給を見て、ここはラグドールが密会に使う場所だと察せられる。


「東の森で見つかった古城は、少なくとも数百年は昔のものと考えられる。金銀の財宝があるかは怪しいが、古い時代の記録は残っているはずだ」


「失われた魔法があるかどうかは、わからないんだろう?」


 ラグドールは頷く。


「しかし、可能性があれば思惑が動くものだ。儲け話の匂いに金を出す連中が、我先にと冒険者を集めてるのさ」


 金のある商人や町や領地の役人に抱き込まれた連中が「古城探索」の依頼をギルドに出しているそうだ。複数の依頼があって、依頼毎に探索パーティが組まれている。


「複数の探索パーティが、早い者勝ちで古城の()()を目指すのかい?」


「その通り……と言いたいが、早い者勝ちかどうかが怪しい。最後の最後には、腕ずくで()()を取り合うことになるだろう」


 なるほど、取り引きの内容は何となく察せられた。最後の最後が()()()になったときには、腕の立つ戦士が必要になるわけだ。


「わたし達を巻き込んでもいいのかい? 余所者に、古城のことが知られないように追い出そうと画策していたんだろう」


 正直、あの「嫌がらせ」依頼には腹が立っている。あんな真似をするなら、最初から冒険者登録をさせなければいいのに。


「登録をさせなければ、勝手に古城を調べるだろうよ。それをされたら面倒だからな。冒険者ギルドの苦肉の策だ、許してやってくれ」


 誰が許すか!


「わたしはCランク冒険者ってヤツなんだろう。Aランク依頼の『古城探索』に参加できないはずだけど?」


「そんなランク分けは最初から、ない」


 ああ、やはりな。

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