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異形の美女に懐かれたので、旅の道連れとなって冒険者します  作者: 星羽昴
Ep:迷宮

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【迷宮】第1話 オルドガの町

 オルドガと言う町で、腰を落ち着けることにした。

 ノアールの「頭の中に響いてくるモノ」との言葉に従って、宿には数日分の宿代を先払いしておく。


「この町に何があるんだい?」


「さあ? わかりません」


 屈託のない笑顔で笑うノアール。その「頭の中に響いてくるモノ」が何かを捜すところから始めないといけないようだ。何かしらの事件や騒動に巻き込まれるのも覚悟した方がいいだろう。




 情報収集を兼ねて、冒険者ギルドへ向かう。

 いつものようにレイドリク伯の紹介状を示すと、身元確認は直ぐに終わった。しかし。


「この町でアンタに紹介できるのは、Cランクの仕事だけだ」


 Cランクの仕事?

 農家の手伝いや教会の草刈り、町の公共領域の清掃……と言った雑用レベルの仕事だと言う。警備や警護のような仕事は、この町で仕事を熟して信用を得た者にしか回せないそうだ。


「ああ、いいよ」


 承諾の返事はしたが、正直納得しかねている。わざわざCランクとか、冒険者をランク分けするのか?

 ……嫌がらせとしか思えないのだが?

 そこで思い出した。オルドガの町は、ランスレット伯の所領だった!

 ランスレット伯も、レイドリク伯と同じバーガムディ公を主とする。しかし、ランスレット伯とレイドリク伯とは不仲で有名だ。武勇で名を馳せるレイドリク伯に対して、商才に長けるランスレット伯と言うのは世間の評価だが、ランスレット伯自身は武勲が欲しくて仕方がないらしい。

 先の戦では、ランスレット伯が功を焦ったせいで一悶着あった。

 今の2人は「必要があっても口を利かない仲」だ。



 それでも、どんな仕事が冒険者ギルドへ持ち込まれているかは知ることはできるからと思い登録だけはする。


「受けられないBクラス以上の仕事を見たってしょうがないだろう」


 そう言って受付に立つ職員には、依頼内容すら見せて貰えなかった。

 大まかに「警備や警護」がBランクで「魔物討伐や未開地探索」がAランクの仕事らしい。魔物に関わるような依頼は、Cランクには閲覧すら不可だ。

 仕方がないと帰ろうとすると、入り口に立たせているノアールの周囲には人集ひとだかりができていた。


「姉ちゃん、1人かい?」


「東の森の探索へ行くパーティを集めてるんだ、どうだい?」


「薬草の知識があるか。それなら教会の仕事を紹介しよう」


「教会より、うちの店で女給をしないか? あんたなら給金をはずむよ」


 ノアールへの勧誘の中には、Bクラス以上の仕事もかなり混じっている。何のことはなかった。

 本当に、レイドリク伯に関わる者への「嫌がらせ」であったのだ。

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