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異形の美女に懐かれたので、旅の道連れとなって冒険者します  作者: 星羽昴
Ep:片足の騎士

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【片足の騎士】第18話 真の悪夢

 正面に見えた人影は3人、更にその後ろに2人。他にもグルリと森を回り込んで背後に回り込もうとしている者もいるかも知れない。


「まず、5人を動けなくするさ」


 前の3人が剣使いで、後ろ2人は弓使いか。

 わたしも駆け出して、3人の剣使いとの距離を一気に詰める。まず一人目に、海賊の剣(ヴァイキングソード)を振り下ろす。受けたロングソードをへし曲げて、其奴そいつの右肩に海賊の剣(ヴァイキングソード)は食い込んだ。


「ぐえぇぇぇ」


 蛙みたいな呻き声が聞こえたが無視。剣を取り落とした其奴そいつ胸座むなぐらを掴んで、剣使い2人の脇を走り抜けた。


「なに?」


 2人の剣使いの驚く声……わたしの動きは意外だったようだ。

 胸座むなぐらを掴まれた男の身体を盾にして、弓使いへ向かって突っ込んで行く。ノアール程ではないが、重い海賊の剣(ヴァイキングソード)を振り回しているわたしだって結構力持ちだ。

 仲間の身体を盾にされて、弓が放てない。そのまま距離を詰められた弓使いを、海賊の剣(ヴァイキングソード)で動けなくするのは簡単だった。

 後は、剣使い2人。



 右肩を砕かれて呻き声を漏らしている男を投げ捨てて、わたしは残る2人の剣使いに向き直る。弓使い2人も、矢をつがえる利き腕を砕いた。


「てめぇ……やりやがったな」


「こんな真似をして、ただで済むと思うなよ!」


 いや。お前達こそ『こんな真似』をしなければ、わたし達を殺すつもりだろうが?

 ああ、そう言えばコイツらが何者なのかも確認していなかったな。

 ナルシエの町の冒険者なのか、ただのならず者なのか……まあ、わたしにとっては関係ない。

 わたしの気分が悪いときに、喧嘩を売ってきたのが悪い。



 剣使いの1人が、ロングソードを振るってくる。わたしは、それを海賊の剣(ヴァイキングソード)の刃元で弾いた。その剣使いは、打ち込みを弾かれながらも体勢を崩さず、両手で剣を握り直した。意外と手練れかも知れないな。

 わたしは右手に握った海賊の剣(ヴァイキングソード)を振り上げて、真っ直ぐに振り下ろす。剣使いは、ロングソードを頭上で真横に構えた。


 決まりだ……受けるのではなく、躱さなければ駄目なのだよ!


 海賊の剣(ヴァイキングソード)の重さは、ロングソードをへし曲げる。そのまま振り下ろせば、へし曲がったロングソードごと剣使いの頭蓋が砕け散る。

 ……はずだった。

 刹那、わたしの全身から力が抜けてしまう。海賊の剣(ヴァイキングソード)が右手から抜け落ちて、膝が身体の重さを支えられなくなった。

 意識が飛ぶ。



 大勢の足に踏まれ抉られた雪原、そのあちこちに赤い血が飛び散っていた。

 その、雪に沈むように俯せに倒れている男の身体。

 背中に受けた槍傷から噴き出す血が、雪に広がっていく。



 ノアールの夢ではない……これは、わたしの記憶だ。

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