表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異形の美女に懐かれたので、旅の道連れとなって冒険者します  作者: 星羽昴
Ep:片足の騎士

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/184

【片足の騎士】第3話 孤児院

 そのまま本気で眠ってしまったらしい。目を覚ました時には、東に太陽が昇り始めた頃だった。

 一晩眠れたおかげで熱は引いて、身体の調子も悪くないようだ。

 食べ損ねた夕食は、寝台の脇に置いてあった。

 豆のスープと固めに焼いた黒パン、ノアールが食べないので2食分だ。スープは冷めていたが、豆が柔らかく煮込まれているので美味しく食べられた。黒パンを残して、スープだけ2食分平らげることにする。



 海賊の剣(ヴァイキングソード)を持って外に出て、素振りをしてみた。腕も脚も大丈夫そうだ。わたしの素振りを見て、ノアールも安心している。

 剣を振っていると、建物の中から視線を感じる。子供が遠巻きに、わたしとノアールを見ているのだ。

 こんなに朝早くから子供が遊びに来るものなのか、と怪訝に思う。


「お身体は、もう大丈夫ですか?」


 ここに案内してくれた修道女だ。手に水桶を持っているから、水を汲みに来たのだろう。


「ありがとう、一晩休んだら具合は良くなったよ。力仕事なら、力持ちがいるから任せておくれよ」


 修道女は笑いながら「お願いします」と水桶を渡してきた。わたしが、それをノアールに渡すと修道女は驚いている。

 元修道院だった建物の貯水場に水を溜めるために、ノアールには裏手にある井戸まで10往復して貰った。



 修道女は、名前をラムンといい、元修道院だったこの建物に孤児となった子供を住まわせているのだと言う。

 ここはナルシエの町の中央にある教会の関連施設だったが、3年前に修道院長が病で亡くなってしまい、ラムンが後を引き継いだ形になっているらしい。

 修道院で孤児を引き取っていたのも、前修道院長の計らいだとか。

 取り敢えず、もう力仕事はないと言うので、わたしとノアールは部屋へ戻ることにする。



 部屋の窓からは、建物の裏手にある畑がよく見える。ラムンは、子供たちと畑の手入れをしていた。

 その様子をノアールがずっと眺めている。


「子供が好きなのかい?」


 夢で見たノアールの記憶の中で、子供から服を貰ったのを喜んでいたっけ。


「でも、怖がらせてしまうので傍には行きません」


 ノアールは美人だ。どんな彫刻の名手でも、これ程に整った顔を作れないだろう。

 しかし、右手は猛禽類のような鉤爪をしているし、左脚には蛇の頭の触手が巻き付いている。子供には見せられないか。

 子供を見てニコニコしているノアールに、わたしは思わず笑ってしまった。


「子供好きとは、ノアールの意外な一面だよね」


「そうですか?」


 その評価は心外らしく、不機嫌に口を尖らせるノアールも可愛らしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ