表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異形の美女に懐かれたので、旅の道連れとなって冒険者します  作者: 星羽昴
Ep:迷宮

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/184

【迷宮】第26話 造られたモノ

 預かったを服を荷物袋に詰め込んで、ノアールを追いかける。



 ノアールが石壁に開けた大穴をくぐると、そこは礼拝堂だった。正面には瓦礫と化している祭壇があって、オルティナがラグドールを庇って魔牛ミノタウロスと対峙している。

 礼拝堂には、ラグドールとそれを庇うオルティナしかいない。ラグドールから地図を奪ったドーゼの冒険者たちは、転移の仕掛けで他の地点に逃げたのだろう。



 ノアールは、礼拝堂の中央通路で片膝をついた姿勢からゆっくりと立ち上がる。ダイヤモンドダストのようなキラキラと輝く光粒子は薄れ、その背から《《白と黒の翼》》も見えなくなっていた。

 魔牛ミノタウロスは、ノアールには全く興味を示さず、祭壇の瓦礫の中にたたずむラグドールとオルティナだけに視線を向けている。


「ラゲルナ様。剣を貸して下さい」


 わたしに気付いたノアールが、振り返って左手を差し出した。裸のノアールには、数粒の光の粒子が蛍の如く纏わり付いている。

 左脚の蛇の頭を持つ触手は、臨戦態勢とばかりに牙を剥いて大きく伸びる。


「剣って……これは鉄だよ、大丈夫かい?」


「左手なら、持てます」


 言われた通りに、海賊の剣(ヴァイキングソード)を引き抜いて、ノアールに渡す。すると、魔牛ミノタウロスがわたし達の方へ向き直った。

 ノアールは、海賊の剣(ヴァイキングソード)を握った左手を真横に伸ばした。


「この牛さんは、鉄を攻撃するんですよ」


 ……え?

 そう言えば、ドーゼの冒険者に「鉄の剣」を確認されたのを思い出した。


「この牛さんは、自然に発生した魔物ではないようです。おそらく、太古に人の手によって造られたモノでしょう。鉄を持つ者を攻撃する習性を植え付けられています」


 何のために?……と思ったが、直ぐに合点がいく。鉄は武器として使われてきたのだ。いくさの場で、この魔牛ミノタウロスを解き放てば、武器を持った敵を蹴散らしてくれる。

 ……もっとも。

 鉄の武器を持つのは味方も一緒だ。敵と味方を区別できずに攻撃するなら、ただ厄介なシロモノに過ぎない。それで封印するしかなかったのかも知れない。



 中庭の方から人の声が聞こえた。ここを脱出した連中が、転移の迷宮を伝って中庭へ出てきたのだ。


「ラゲルナ様。離れていて下さい」


 ノアールは左手を前に向けて、鉄の剣で魔牛ミノタウロスを誘った。

 オォォォォォーーーン

 甲高い雄叫びをあげて、魔牛ミノタウロスがノアールの方へ歩き出した。ノアールは後ろ向きのままで、ゆっくりと後退する。

 そして石壁の大穴を潜り、中庭に出た。

 既に、魔牛ミノタウロスを閉じ込めていた結界も壊れているのだろう。魔牛ミノタウロスも大穴を潜り、中庭に出てしまう。

 ノアールは、左手の剣を冒険者の声のする方向に投げつけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ