表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異形の美女に懐かれたので、旅の道連れとなって冒険者します  作者: 星羽昴
Ep:迷宮

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

105/184

【迷宮】第25話 白と黒の翼

「この地図さえあれば、ここから出られるぜ」


 ラグドールの懐から地図を奪った冒険者たちは、わたしとノアールの反対方向へ走り出す。わたしを抱えたままでノアールは、その連中を追いかけようとした。

 次の瞬間、わたしは目眩を感じる。ノアールも蹌踉めいた。


「ここは西(むね)?」


 礼拝堂の中にも転移の仕掛けがあったのだ。わたしとノアールは、西(むね)の何処かの地点に転移させられていた。

 オォォォォォーーーン

 甲高い雄叫びが、西(むね)の石壁に響き渡る。わたし達を追いかけて、魔牛ミノタウロスも転移して来た。

 ……だが。

 わたし達の方へ一歩踏み出した魔牛ミノタウロスは、直ぐに転移の仕掛けでその場からいなくなってしまう。


「なるほどね。あの巨体だと、2階の高さに設けられた魔法陣を横切ることになる。この城の魔法陣の仕掛けは、魔牛ミノタウロスだけを、礼拝堂に閉じ込めるためのものだったわけだ」


 ラグドールの推察通り、ここは魔牛ミノタウロスを閉じ込めるための城だったのだろう。しかし、それなら魔牛ミノタウロスはラグドールとオルティナの《《眼の前》》に戻っていることになる。


「ノアール、行くよ!」


 ノアールの腕から飛び降りたわたしは、中庭に面するはずの壁を指差した。


「ノアール、あの壁をぶち破っておくれ」


 今から転移を繰り返して礼拝堂に行くのは時間がかかる。あの壁を壊して中庭に出て、更に北面中央部の石壁を壊した方が早いはずだ。


「はい、わかりました。では、服を脱がして下さい」


「え?」


「壁を壊すときに、埃で服が汚れてしまいますから」


 埃で服が汚れるから……と言ったのは、わたしだった。それに、ノアールは裸の方が強い。

 今回はマントやスカートの左側だけではなく、服を全部脱がせる。解き放たれた蛇が鎌首をもたげた。


「では、行きます」


 そう言って、両手を横に広げるノアールの周囲に白い靄がかかる。その靄がキラキラと輝きだした。

 まるで北の地で極寒の中に舞い上がるダイヤモンドダストのよう……。

 ノアールの両足が地面を離れて宙に浮く。キラキラと舞い上がる光の粒子は、ノアールの背中で翼の形になってゆく。

 右肩には白い羽根の翼が、左肩には爪ある黒い鱗の翼が具現化していた。


「ノアールに……翼があったの?」


 白と黒の翼がゆるくはためくと、ノアールの身体が光の粒子に包まれる。そして、光の尾を引いて彗星のように流れた。

 ゴォォォ……ン

 重い轟音と共に城が揺れ動く。

 尾を引く彗星は、壁に大穴を開けて、中庭に飛び出した。

 そして、中庭で方向を変えた彗星が、礼拝堂を封じた石壁にも大穴を開けて中に飛び込んで行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ