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異形の美女に懐かれたので、旅の道連れとなって冒険者します  作者: 星羽昴
Ep:迷宮

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【迷宮】第20話 引退できない冒険者

 迷宮の中での時間はハッキリしないが「そろそろ昼時だろう」とラグドールが言う。言われてみれば、わたしも空腹を感じる。ノアールに荷物を降ろさせて、食事にすることにした。

 スープがないので、硬い黒パンは水にふやかして口に入れる。後はチーズと干し肉だ。


「このチーズは、悪くないだろう?」


 オルティナに言われてハッとする。確かに美味しいのだが、どうしてオルティナに味がわかるのか?


「このチーズは、この町で作ってるのさ。頑固に製法を守ってるから、アタシが人だった頃と味は変わってないはずだよ」


 ああ、そう言うことか。その会話にラグドールは苦笑していた。


「チーズの味は変わらないが、人の身体はそうはいかないな。十年前にこんな場所を見つけたなら、食事も忘れて駆け回っていただろうに」


 ラグドールが40代だったのを思い出す。概ね冒険者は30代で引退する。探索にしろ、魔物討伐にしろ……体力勝負の要素が強い。体力に衰えを感じた冒険者が引退するのは、仕方のないことだ。

 しかし、ラグドールは引退できないのだろうな。魔物を封印して、オルティナに魔を流し込み続けなければならないのだから。

 そうでなければ……魔人となったオルティナが、魔物の本性として人を襲うかも知れない。



 魔法に関して素人のわたしでも、ラグドールが優れた魔法使いなのはわかる。工房でも構えれば、金持ちや有力者が支援者パトロンになりたがるだろう。

 いや、おそらく金にも不自由はしていないようだから、悠々自適に好きな研究にのめり込むのか。



 食事を終えた後、ラグドールは地図を広げた。転移する仕掛けの場所と、転移される先の情報が細々と書き込まれている。これを見る限り、西(むね)や東(むね)の探索は終わっているように見えた。


「中央部分へ繋がってる魔法陣は、おそらく2階だ」


 え?

 この城は、確かに元は1階と2階の2層の建物だった。しかし、1階の天井部分は取り除かれて、1階と2階が吹き抜けて繋がって、2階はなくなってしまっている。


「四隅にある円形の塔の部分だ。塔の内部には最上部の胸壁に昇るための回り階段がある。そこから2階に出られるようになっているはずだ」


「どうして2階があると思うんだい?」


「格子の横方向に魔の流れを作っている魔法陣だ。低い方は人の胸の高さだが、高い方が2階の位置に設けられている。あれは、普通に人が通って横切れる高さにない。にも拘わらず、それがあると言うことは……それを使う仕掛けがあるはずではないか?」


 ラグドールの推測に従って、塔の探索に向かうことにした。

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