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新たな二つ名

転んだだけに、コレは本末転倒…

 

 少し前の話だがもう直ぐ夏と言う時期に其の珍事件が起きた、日銀への資材を届けた帰りで然も寄りにも寄って本社の傍で…。

 首都高を潜り右折、さて次ぎ左折と、その時正面のビルからパイナップルカットの中学生?位の女の子が…。

 <シリーズお読みの方は又ちっこい女の子かよと思ったでしょ?、私自身もそう思います!>

 其の通りに書類見たいなもの抱えて飛び出してきた。


「ちゃんと前を見ないと危ないぞっと!」

 元気に飛び出してきたので少し尻を流して停めた。


 1メートル程手前に確かに止まったんだが?…。

 ガチャンと音がした…、バイクを走らせたら強者だった、其処で止めたのは良いんだけど道路に浮いた砂利に自前の足を取られてなんと立ち転け…。


 バイクは手足の様に扱う事が出来るのに、産まれてから使い続けた自前の足の方を使い熟せ無いとは、コレは本末転倒…。

 (´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)アア…



「ご免なさい、ご免なさい!」

 其の女の子が必死に連呼して居る。

「大丈夫、大丈夫だから気にしないで!」

 と笑ってあげるのが精一杯!。


 俺の心中は穏やかではない!、何故なら竹村先輩が其の場に居合わせた、バイクを起こして駐機場に停め、詰所に戻って扉を開けた瞬間に其の場は大爆笑の渦。

「俺、プレスの立ち転け初めて見た!」 

 と大爆笑されてしまった。

「よし、今日からお前は立ち転け森田だ!」

 又しても有り難く無い二つ名を拝命してしまった。

 <もう勘弁して!>



 久し振りに奴(エンジンを叩き割った馬鹿野郎)から連絡があり、シフトも丁度休みな事も在り今御宿の海に居る。

 夜学のメンバー10人程に混じり遊びに来てる、勿論女子も4人混じってる、綺麗な子、可愛い子、中々だね!、あれ?、なんか一回り小さい子供?が混じってるんだが?。


 良く見ると以前奴の学校に立ち寄った時に奴を小突いていた子か!、多分150センチ無いから他の子と並ぶと其の小さな姿が一際目立つ。

 (。ŏ﹏ŏ)…


 そうこうしてる間に周りの野郎連中は其々目当ての子の所に集まり遊び始める、若いなみんな!、俺も少し前迄は学生だったんだよな…と思う、なんか年寄り臭いな俺。


 楽しそうに遊ぶ彼らにを見ていたが、家族連れで足元覚束無い幼子の手を引き笑ってる若い母親の姿が…、思わず重ねてしまった、叶えて上げられ無かった彼女の夢の事を考えて…。

「お前も幸せに過ごせているのか?」

 言葉が自然に零れていた。


「みんなと遊ばないんですか?」

 声が掛かる、例の小さい子だが見かけは幼いのだが言葉使いは見た目に反して大人の女性。

「いやみんな若いなと思ってさ!」

 そう言えば幼く見えてもこの子も仕事してるんだったよな?。

「そんなにみんなと齢違わないんでしょ?」

 俺の言葉に驚いた顔をしてそんな返事が返って来る、逆に年齢を聞いてみた勿論失礼な事は承知の上でだが、返って来た答えに聞いた此方が驚いてしまう。

 (;゜Д゜)ウソ!


 齢は同じ?、噓でしょ?、でも話をよく聞くと今が同じ齢なだけで学年としては一つ下、彼女の方が生まれが早く既に誕生日を迎えてる、是から誕生日が来る俺と満年齢が同じなだけ…。


 少し話をして面白い事を聞いたなんと最近補導された事が有ると言う。

 <そんな事と思うでしょ?>

 其れもJETROからの帰社途中だって…。

( ^ω^)・・・

 <だからそれがどうしたと思うでしょ?>

 国家間貿易の資料を取りに行った際で勿論勤務中、そう都心の虎ノ門付近でお仕事中に補導されている…、何度勤務中だと説明しても警官が納得しないので、会社に連絡入れて誤解を解いて貰おうとしたのだが電話の向こうで<補導されたって!>と勤務先の事務所内で大爆笑されたとぷりぷり怒っていた。


『当社の者で勤務中です…ククク…』と笑いが止まらぬまま吹き出しながら警官と話していたと怒っている。

 ヽ(`Д´)ノプンプン


「其れは残念、見て観たかった!」

 そう返すと怒りの矛先が此方に向いて来た。

 ヽ(`Д´)ノプンプン

 鬼の形相である、黒い記憶が蘇る…、これはヤバい何とか怒りを納めて貰わねば…。

 頭の中はフル回転していた。


 そうだJETROを知ってるなら同業経済紙の者の筈だ、経済も取り扱う乗務の一つでJETROは俺も何度も向かってる、仕事の事を聞けば冷静になるかも?、良い手だった。


「JETROに行くって事は経済系の新聞社か出版社だよね?」

 そう答えるとこの子は本社の二つ向こうに有る経済新聞社が勤務先だと答えてくれる。

「其の新聞社のマクロデーター部に勤めてるの、其れで貿易関係の資料取りに行ったところで補導されちゃった!」

( ^ω^ )ニコニコと笑ってた、良かった怒りの矛先が来なくて。


「貴方は何処に務めてるの?」

 と聞かれ社の名前伝えた。

「なんだ、ご近所さんだ、でも何の仕事?記者?」

 そう聞かれバイクに乗って居ると答えた。

「そうだ、あの会社の旗付けて走っている人なの?」

「ご名答!合ってるよ!」

 そう返すと顔が曇る、先程迄の楽しそうな顔と打って変わって・・・。


「この間、其の仕事してる人に悪い事しちゃったんだよ、私が悪かったの…。」

 何だ?、如何したのかなと思って続く言葉を待つ。


「この間、急いでて確認しないで道路に飛び出しちゃったの…」

 (。´・ω・)?ンッ?

「急ぎの資料持って帰ろうとして、横断歩道じゃ無い所に飛び出してバイクの人転んじゃったの、謝ったんだけど大丈夫だから気にしないでって言われたの…」

 なんか覚えがある気がするんだが…。

 (゜-゜)…


「其れって何処で?」

 と聞くと会社の眼の前の場所を言った、それ俺が立ち転けした所じゃん!。


 よく見るとこの子パイナップルカットだ、見た目も中学生にしか見えんし。

 あの時先輩に目撃された事で頭が一杯でその子の顔を見て無かった!。


「もし、知ってる人だったら謝ってたって伝えて下さい」と拝まれ。

「嗚呼、良く知ってる人だから、伝えてあげるよ!」と返して上げる。

「有難う、有難う!」

 繰り返しお礼を言われたが、当人を前にまさか俺だとは言えなかった…。


「多分、気にして無いから大丈夫だよ!」

 其の時はそう伝えて置いた、多分今現在でも知らない儘で仮に伝えても信じもしないだろうな…。


其の時はそう伝えて置いた。


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