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カッペが遂に大都市東京を走る?  作者: カビゴンと一緒


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九十九神?

帰っても良いよな?、夢を叶えたから。

 正月は休刊日が有る。


 皆さんには申し訳ないが正月休みの後半に有給を3日足す、それだけ有れば帰省して家族に会って来れるよな?


 両親に親父さんと弟妹、悪友達、顔は合わせ辛いけど心配してた委員長もか…、皆に近況報告して来れば気持ちも上向くかな?

 一人前には程遠いけど夢の仕事に就けた、夢を掴む迄帰らんと言ったんだ、掴んだから大手振って帰れるよな!


 <尤も伝えられるのは仕事の事だけだが…>


 地方出身の先輩方も2~3年に一度は里帰りしてると言ってるし、村上先輩と竹村先輩は高知まで飛行機で帰ってると言ってた。

 ただ俺の田舎はもっと遠いし、飛行機で帰っても公共機関では家迄辿り着くのは難しい。高校の傍迄ならバスで移動できるけど、その先は足が無いし…。

 家への最終のバスに間に合せるには、バスターミナルに4時前にたどり着か無いと厳しい…、なら高校の有る処迄迎えに来て貰えれば大丈夫かな?。


 でも駄目だ、約束したんだ…、大きなバイクに乗って帰るって、あの場所に妹を連れて行って上げるって、でも冬の関ヶ原をバイクで越えられるのか?、最悪途中迄フェリーって手も…。


 一人身になりやっと帰郷する事を俺は考え始めていた。


 ***


 不調を抱えたエンジンで自宅へ向かう、家に帰れればどんなトラブルでも解決できる、頑張れよ!

 <電気系か燃料系か?、それとも圧縮が下がったのか?、其れならピストン回りも準備しないと!>


 後5キロ程、帰ったら面倒見てやるから、頑張れとツンデレ娘に声を掛け続け、クラッチを切り惰性で最後の坂を下る、残り僅かシグナルパターンは青で飛び込みやっと自宅が見えた。


「良かったな帰り着いたぞ、偉いぞ頑張ったな!」

 声を掛けたがし其れは全く無意味な徒労でしか無かった。


 <嗚呼、このコイツは俺を守ろうとして居たんだ。申し訳ない、気が付いてやれなくて駄目なご主人だな俺は…、お前は最初から嫌がってたもんな…>


 謝って居た。


 そんな話偶然だよと笑われるかも知れない、此奴が居たから<Γ>は帰宅させない様に、此奴に会わずに済むように不調を装った振りをしたのではないか?。


 そう思わずに居られない、

 結局翌日メンテ処では無く為った、

 次の出勤時には嘘の様に絶好調で、

 信じたい信じるしかないだろう、

 物にも魂が宿ると言われて居る事を…。



 最後に見てから早3ヶ月が過ぎる。


 玄関前に立つ小さな影は派手な恰好もしていない


 俺が化粧の濃い女を嫌ったからだ。


 勿論仕事などで人に会うのに最低限する化粧は当たり前、化粧する必要が無い二人で居る時は素の儘で居る事を望んだ、だからあの人は素の儘で居る事を望んだ俺を喜んで呉れたのだろう。


 だが此奴は、たったの二か月すら待てない馬鹿女、今更何を取り繕う心算かよ!。


「今更、良く顔を出せたな?」

 腹に据えかねていた。

「助けて、お兄ちゃん、助けてよ!」

 震えて居る。

 <はぁ?今更何を言っているコイツ>。


「もう、そんな義理もね~よ!、助けて欲けりゃ、今の男の所に行けば良いだろ?、何人も居るんだろうが、そいつらに助けてもらえよ、もう俺には関係無いだろ!、邪魔だ帰れよ!」


 <今度は何やったんだ?コイツ、駄目だ!駄目だ気にしたら終わりだぞ間違うな!>

 そう自分の中で言い聞かせる、もう関わるな、気にするな、耳を貸したら終わりだ。


「助けて!、助けてよ!お兄ちゃん!」

 壊れた様に繰り返す、以前も有ったな・・。

「しつこい!もう赤の他人だ、もう来るな俺の大事な人の迷惑だ柊!」

 眼を見開いた。


 勿論そんな人は居ない、残念だが最後のチャンスもコイツが潰したが。

 其れを責める心算は勿論無い、何故ならその時俺自身が其れを肯定してしまったから。



「助けて!、助けてよ!・・・」

 流石にこれ以上は不味い、此処で押し問答やってると近所の目が有る、此の侭じゃ俺自身が此処に居られなくなってしまう。


 <この時取った行動が間違っていた、嫌、最初から此奴に関わるべきでは無かった!>

 <何処かへ移動しよう此処で押し問答しても何も解決しない、今の居場所までも失う>


 不調な<Γ>は出せない、<RZ>かキーを差し込みキックするが此方も掛からん、如何してだ?何が起こって居る?拒否している?物にも魂が宿ると信じてしまった。


 完全に手詰まりだ、

 もう如何しようも無い、

 表で押し問答しても解決しない、

 結果自宅に入れてしまった。


 此れでバレて仕舞う他の女の影が無い事が。

 それは柊にとって好都合なはず。

 〈押しきれない!〉


 残念だが部屋の中は此奴が出て行ったままで、俺が散らかした以外に変化は何も無く気付いたみたいだ。


「お兄ちゃんの嘘つき、まだ誰も居ないんだよね?」

 でも未だ震えている、何故だ?。


「誰か居るんだったら、お兄ちゃんにお願いする事は出来ないと思ってた・・。」

 コイツに有利に運ぶのなら、何故未だ震えているんだ?、安心したなら震えが止まる筈だが。


 嫌、此処で引いて仕舞ったらコイツの思う壺、今は引く訳に行かない。


「近所迷惑だからだよ、表で話せないから入れただけだ、言いたい事が有るならサッサと言えよ、聴いたからと言って望む事が叶うと思うなよ!」

 もう俺はギリギリの処だ。


 如何する?自分に問いかける、ただ出てきた言葉の意味が解らなかった。


「誰にもお願い出来ないからここに来たの、お兄ちゃんなら助けてくれるって」

 差し出されたA4の何処にでも有る白い紙。

 勿論婚姻届けではない。


 <何だこれ?何かの手続き用紙の様だが?>


 正直な感想だ、まだコイツの手で握られているので内容は確認出来ない、端の方は握り締めたのだろう皺が寄って居た。


「迷惑かけっぱなしで悪い妹だった、此れがあたしの最後のお願いだから。此処にお兄ちゃんの名前入れて下さい、後は自分でします!、そしてあたしを助けて、お願いします。もう二度とここには来ませんから。」

 強い意志が感じられた、此奴の何処にそんな物が有ったんだ?


 そう思って居た。


 漸くこの話も決着が付きそうです、

 良きも悪き事も全てを巻き込んで・・。


何で此処に来た?

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