おねがいだからここに居て・・
(。ŏ﹏ŏ)…
<男とは本当にどうしようもない生き物である、今其れを実感している、別の人間なのだから勿論違うのは当たり前なのだが、やはり比べてしまう、余りに違う罪悪感すら感じる光景だ…>
「どうしたのじっと見てるけど、そっか此処でしちゃう?」
正直大人と子供?
「良いよ、何時でも、何処でも旦那様の希望に添えないと奥さん失格だもんね♥」
おっと頭の中が別の次元に飛んでいたようだ。
「ねぇ、どうしたの?、どうするの?」
「さっさと洗って出ちまおう、明日も学校だろ?此処からだと今までより早く出ないと間に合わないだろう?」
電車の繋がりが多分悪い筈、でも船橋乗り換えだから逆に早いか?
「え~っ、送ってくれるんじゃないの?仮だけど貴方の奥さんなんだよ」
「馬鹿かお前は、今の状況だと同棲と変わらんだろ、学校にバレたら如何する?」
「ケチ、良いじゃないバレても、旦那ですって言ってくれれば!」
コイツの頭の中も中々ぶっ飛んでるな…。
「其れでお前飯は作れるのか?、今日俺が弁当買ってこなかったら如何する心算だったんだ?」
「御免なさい全くダメ、でも掃除洗濯は得意だよ」食生活の改善は無理か?
「覚える気は在るのか?教えてやるぞ」
そう一般的な物なら腕に覚えがある、ここ久しく作って無い、作って呉れた者が此処に居たから。
其の後は口に入れば何でも良かった。
「教えてくれるの、覚える、覚える!」
「さあ上がるか!」
「うん♥」
今日これから自分の意志で彼女を抱く。
「柊って呼んで♥」
「そうかお前柊って言うのか…」
「うん、おねがいします♥」
お願いされた、出来るだけ優しく愛でる様に、多分今迄こうやって抱かれた事がは無いはず。
お互いの間に隔たる物は無い、其れを柊は喜んでくれた。
「うれしい、うれしい」
と最後まで繋がったままで泣きながら。
「ありがとうお兄ちゃん♥」
呼び名も変わり抱かれたお礼を告げている、オッサンから始まりお兄ちゃんか…、大分俺も出世したもんだ。
柊と過ごして早いものでアレからもう3ヶ月になる、在る夜に電話が鳴り電話を取ったのは柊、代わってくれと手招きしてる。
其の電話の主は例のバイトの後輩、相談が有るから仕事終りで遅く為っても構わないから寄って欲しいと言っている、要件を聞こうするが会ってから話すと頑な譲らない、雰囲気からただ事では無さそうだ、この話は長くなりそうだ。
其れで次の泊まりの前日に予定する、仕事の終りは21時だが翌日の泊まり番は16時からだ、話が長引いても問題無いだろう。
そうなると丸二日以上柊と顔を合わせぬ事になる、最初に柊と約束を交わしてる夜に俺が帰らぬ日は家に帰って過ごす事を。
時々は家に帰っていると見え俺の見慣れぬ物が増えてる、家に帰って何も言われないのかは気に為るが当の本人は何も言わないし、此奴の家族からの連絡も有りはしない。
『ホントに此の儘で良いのかよ…』
家族に心配されなかったのか?、保護対象である年頃の娘が家に帰らず外泊を続け居るんだぞ…。
こんな娘と過ごしているんだ、アレから暫くコースからも足が遠のき、俺の目標である先輩の背中が更に遠くなった気がしてる。
昨夜は現場迄二往復となり悪い事に高速は途中迄しか使えず後の残りは一般道を只管と…、一晩で400キロ近くを走る事になり二往復目は其の侭残業になるのか?、規定の時間を越え仕事を終えたのは昼前、寄って泊り番の昨夜は仮眠も取れずに仕事が終わる、其の前日の晩はバイトの後輩との話、否、忠告を受けたと言った方が良いのか…、話は長引き夜が明けてしまう、自宅に戻ったのは昼前で柊は勿論居ない、約束通り家で過ごしたのだと思う…。
少しばかりの仮眠を取り、シャワーを浴び其の侭出社した、一晩に長距離を熟し今は兎に角家に帰ってゆっくりと眠りたかった。
「ただいま」
「お、お帰りなさいお兄ちゃん」
ドアを開け家へ入るが何やら様子が変だ?
「どうした?」
「どうもしないよ」
声を掛けるが…作り笑いをしている上躰も細かく震えている…。何をしたんだ此奴、親と何かあったのか?
中に入り装備を解くが俺と眼を合わせない?親と何か在ったのならそうは為らんだろう?、だとすると俺に対して疚しい事だと言う事か?。
そうか…、此れはそう言う事だと言うんだな?、奴が言っていた事はこう言う事なんだ。
取り敢えず疲れ切った身体を温めたい、後都心で排気ガスを浴び身体に纏う汚れを落としたくて風呂へと向かう、風呂の用意は既に出来ていた、ゆっくり汚れを落とし風呂を出たがその間に入っては来なかった、間違い無い確信した。
22時を廻ってるが再び仕事の装備を纏いΓのキーを掴んだ。
「何処へ行くの…遠い所に行くの…」
ハッキリ判るほど体と声が震えている、此奴も理解した筈だ深夜にコンビニなどに出かける時は歩きかXT、勿論御近所への配慮だ。
「なんで、なんでΓなの、何処まで行くの!」
気付いた様だが俺自身も行く当ては無かった、ただ走りたかった出来るだけ遠くまで、Γの片道航続限界距離位までは。
そして此の怒りが静まる迄走りたかった、此の僅か二日で終わってしまった事に対して。
「もう遅い時間だよ…、やめようよ此処に居てよ・・」
雫が頬を伝い始めて居る。
「昨日の夜は400キロ位走って来たんだ、明日は二人でゆっくりしようと思ってた」
「ゆっくり休もう、あたしが全部面倒見るから、ゆっくりしようよ」
雫が顎を伝い落ち始めた。
「嗚呼本当にそうしたかったんだ、でももう遅いんだ如何にも為らないんだよ」
「行かないでここに居て、おねがいだからここに居てよ・・」
眼からは止め処無く雫が溢れている。
人間そう簡単には変われない、一度楽な逃げ道を知った者なら尚更だな…。
怒りより情けなさ…




