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無意識に行う行動

淡い期待

 頻繁に発生する乗務の間は現実を忘れ気が紛れた、仕事を終えて気が重いが自宅へ向けスロットルを開ける。多分あの娘は家に帰らず俺の家に居る、食事も取って無い筈。止せば良いのに途中のほか弁で二人分の弁当も買う、視界に入る自宅に明かりが灯る。


「やっぱり家に帰って無いのか…」

 疲れが一気に襲って来る勿論予想はしたが眩暈がする。一体如何為るんだ俺はそして如何向き合って行くんだ未だ名前すら知らない娘なのに…。

 先ずは今夜ゆっくり話を聴いて今後の事を考えよう、不覚だか娘を抱いた事実は変わらない・・。


「ただいま」

 久しぶりに言う言葉、今は一人じゃ無いから。

「お帰りなさい!」

 此も久しく聞く言葉だ。

「晩飯は食べたのか?」

 一旦家に帰って来たのか私服を着てる。

「まだだよ、お腹空いた♥」

 若しかして丸一日何も食べて無いのか?

「じゃあ飯にしよう!」

 買って来た弁当を掲げて見せる。

「ありがとう♥」

 にっこり微笑んだ、久しぶりに聞くありがとう。


 食事をしながら確認する。

「今日は家に帰ったんだよな?」

 新たな荷物が持ち込まれてる。

「うん、着替えとか持って来た!」

 と言う事は帰れない訳じゃないんだよな?

「昨日学校間に合わせるのに聞きそびれたがなんで家に帰れないんだ?、言いたくないだろうが答えて貰うぞ!」

 下を向いたまま頷いた。

「其の上でお前と今後どう付き合って行くか決める、友人か、恋人か、其れ以外か」

「いやだ、嫌だよ彼女以外やだ!、もう一人に戻りたくないの!」

 顔を上げる直ぐにも零れそうだ。

「如何して家に帰りたくないんだ?」

 前と同じ下を向き口は開くが直ぐに閉じる。前にも同じ事が在った、あの時俺は如何したんだっけ?、之は俺から誘導するしか無いのか?


「じゃあ質問だ!」

 顔が上がるが緊張して顔が強張って居る。

「家族構成は?」

 応えは考える必要が無い、此処から探って行かないと…。

「お母さんと妹、それとお父さん…」

 今の答えに何かが引っ掛かる、普通なら其処に自分が入る筈だ、お父さんにも其れとは付かない筈?


「家族仲は如何何だ?」

 そう答えを頭の中で作らなくて済む、この調子だ。

「……三人供仲が良いよ…」

 今の間は何だ?、其れに三人?、普通は皆なだろう?


「諄が家に帰れない訳じゃ無いんだよな?」

 頷く、だとすると帰りたくない理由は何だ?、今迄の会話の中に鍵が有る筈だ、此処から掘り下げるか。

「お前と仲が良いのは誰だ?」

 先ずは普通は仲が良い筈の人間から聴いて行くか。


「母親とは?」

「…悪くは無いと思う…」

 まぁ無難答えだよな。

「妹とは?」

「…良いと思う」

 まぁ姉妹だからな。

「父親とは?」

「………多分大丈夫」

 ヨシ掛かった!鍵は此処だな。

「お前入れて家族で出掛けた事は有るのか?旅行でも、買い物でも良いぞ?」

 不思議そうに首を傾げてる。

「何でそんな事聞くの?」

 と言って来たが未だ悟られてはいけない。

「良いから答えろ!」

 間髪入れずに疑問を制した。

「昔は有ったよ!」

 昔ねぇ~、という事は是からが勝負だな、隠してもボロが出る。

「其の出掛けたのはどれ位前の話だ?、そして何処へ出掛けた!」

 何聴いてるの?と表情に出てる、此処で気取られては意味が無い。

「其れともやめるかこの話、でも其れで終わりだぞ!良いのか?」

 疑問に思っている内は他の事を考えられない筈、隠したい事も表面化する。


「如何した?ホントに止めるぞ?」

 更に煽り訳が分からず慌てて居る筈だ。

「お父さんとお母さんと三人でお店にハンバーグ食べに行った」

 良し襤褸が出た、父親が先頭に出たと言う事は其の時までは仲が良かった筈!


「妹は如何したんだ?一緒じゃ無いのか?」

 もう一歩駄目押しだ!

「まだ居なかったよ、妹が生まれる前だよ」

 妹が居ない時までは仲が良かったのか?

「妹は今幾つに為る?」

 此れで何時かが判明する、

「今10歳だけど、何でそんな事聞くの?」

「……」

 良く考えろよ、此処でミスったら気付かれちまう、最初にその時が出て来たと言う事は、最後に楽しかった事の筈、慌てた頭で古い事が出て来る筈は無い!


「如何したの、急に黙ってなんか変な事言ったのあたし?」

 敢えて笑って応える。

「ゴメンゴメン、今より小さいって聞いて姿が浮かんで来て!」

「悪かったね!、どうせ小さいし序に胸も小さくて悪かったね!」

 ぷりぷりしてる、良かった未だ気付いて無いなら気付いて無いうちに本音迄引き出さないと。


「その後は出かけなかったのか?」

 勝負だ多分此処が全ての転換点だ。

「妹が生まれてからは無かったよ?」

 解った10年前から始まったか難しいぞ此れ。

「赤ん坊の時は無理だろうが、少し大きく為っても無かったのか?」

 首を振って居る、無いのか…。

「じゃあ妹さんは出かけた事無いのか?」

 子供連れて出かけない親は居ないよな。


「今もお父さんとお母さん三人で買い物とか行ってるし…」

 何故此奴を外す?、理由が有る筈だ其処迄辿り着けるか?

「今も家に帰って無いが家の人には何も言われないのか?」

 家族とは敢えて言わない。

「お母さんは会うと何処こに行ってるのって文句は言うけど、妹は良く解って無いみたい・・」

 そうかそう言う関係なのか・・。

「父親は何も言わないのか?」

「・・・・・・・・」

 如何したんだ、俺は此処が聞きたいんだ!


「危ない事はするなよって言ってる・・・・」

 有難う判ったよ何でこんな事してるのか、普通は一番ブチ切れるのは父親だが此奴を怒りたくても怒れない・・。

「間違ってたら謝るから、お前父親とは血が繋がって無いんじゃないのか?」

 目を丸くし真っ直ぐ此方を見てる。正解だな実の娘じゃ無いから怒れない、多分此奴の実の親父の事を聴いてるか知ってる、ソイツも似た様な事をしてたんだな知らなきゃ強く怒る筈だ。


「どうして解ったの?、何も言って無いよ?、何で?」

 ホントに甘ったれ、構って欲しくて心配して欲しくて馬鹿な事を繰り返す、家は在るのに家の中に居場所が無い。其れで家に居られず宛も無く宿を探し一晩でも自分の躰を使ってくれる事を誰かに必要として貰えると勘違いしてる。


 是って治るものなのか?、無意識の行動への対処が一番難しい、其処には罪悪感が存在しないから。


 是は先が永く掛かりそう、関わって仕舞ったし不可抗力とは言え抱いてるし…、取り敢えず此処に居れば誰とも判らぬ者に躰を預けずに済む、危険な事には巻き込まれずに済むよな…。

ホントに危なかっしい…

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