表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/41

ツンデレΓの機嫌は悪かった・・

未だに答えは見つからない。

 のそのそと立ち上がる、こんな住宅街に何時までもエンコ坐りしてられる物でも無い。直ぐにご近所のおばさま達が玄関からゴミ袋を下げ集積場に向かってる、幸い俺の居る場所と反対側で未だ気付かれても無い、逃げるには今しか無さそうです。


 別に焦って帰る必要も無くノンビリ走り自宅に帰り着くが腰を降ろし頭を抱えた。

「明日は日勤なんだよな~、10時からだし一体如何すりゃ良いんだ?」

 昨夜は最悪な展開だ然も徹夜だったし…、腹も減っては居るが…。


 <寝るか!>

 もう考えるのも着替えるのも面倒臭い、其の侭万年床にダイブしてふて寝を決め込む、身体は正直な物で瞼を閉じると猛烈な睡魔が襲い記憶も途切れた。


 目が覚めたのは18時を既に回って居る頃、寝ぼけた頭であの娘は本当に来るのか?、来たらまた店の前に居座り続けるのか?、俺が行かないと今度こそ通報されて警察の御厄介になるか?。


 未成年が学校の制服の儘で店の前に居座る、如何考えても悪い方に考えは転がって行く…。


「お兄さんまた今夜ね!」

 あの言葉を思い出す、見た目の幼さが田舎に居る妹に重なり駄目だと解って居るのに…、俺の本当に悪い癖だ関わると放って置け無くなる、本当に駄目だと頭では理解って居るのに・・・。


 そう思って居たのにΓのキーを掴んでいた。


 着いた時には20時を大分回って居る、同じ場所に同じ様に座り込んでいる昨日の娘。

「ヤッパリ居たんだな…」

 一寸は期待したんだよ、此処に来ても此の娘は居ない、自宅に真っ直ぐに帰って居る事を…。

 俺の取り越し苦労で空振り、此処まで来て手ぶらで帰るのもアレだとコンビニで晩飯を買って帰る事になるんじゃないかと…。


 其の希望も虚しく昨日の娘は昨夜と同じ制服を着て同じ場所に座って居る、昨夜と違うのは今朝背負っていたリュックを持って居る事、昨夜と同じで上に羽織る物も持って無い…。

<此奴俺が来なきゃ如何する心算だったんだ?>


 昨夜とはバイクが違って居るので未だ俺だとは気付いて居ない、態とシールドも上げずメットも取らず他人の振りで通す。

「おう姉ちゃんこんな所に座ってどうしたんだ、暇なら俺と遊びに行くか?」

「いつもは行くけど今日は約束が在るからダメなの!」

 言い淀む事も無く返事が返って来る。

 <此奴何時もこんな簡単に着いて行くのか?、其れじゃ何をされても文句も言えねぇぞ…>


「こんな時間まで女を待たせている奴がホントに来るのかよ?、其れよりケツに乗っけてやるぞ、コイツはホントに速ぇからよ、飛ばした後で温けぇ所でゆっくり一晩中楽しもうぜ!」

 昨夜俺が話し掛けた時と同じ顔、吊り上がった眼でシールドの奥を見透かす様に睨み付けて…。

「だから!先約が有るって言ってんだろうが‼、聴こえねーのかテメェー!」

 幼さが残るのに鬼の顔、もう随分前にこんな顔を見た事が在ったよな…。


「そうか其れは残念だったな、約束した心算は全く無かったんだが、他にも予約が入ってたんじゃ出る幕は無かったな、俺は大人しく退散するしか無さそうだな…」

 言い終え手を掛けフルスモークのシールドを上げ其の娘の眼を覗き込んだ。

「嘘!・・お兄さん?」

 鳩が豆鉄砲喰らった様に両の手を口元に当て眼を丸くし、続く言葉が出て来ない。

「如何した嬢ちゃん、用がねぇなら俺は帰るぞ?」


 少し間を置いて。

「バイクが来たからお兄さんが来てくれたと思ったの、でもバイクが違うから…」

 そりゃそうだ、今朝別れた時はXTだし今はΓだし無理も無いか?、でも以前にも似た様な言葉聴いたと思う、是で4度目か?。


「お兄さんが来てくれたと思ったのにバイクが違うから違う人か声掛けてきたと思った、何時もなら直ぐに返事するけど今日だけは絶対嫌だった、でもシールド上げて呉れた時に此処で待ってて本当に良かったって思ったの・・・」

 きつめだが可愛い顔をクシャクシャにして涙目に為っている…。しょうが無いよなこの顔見ちまったら…、昨日聞きそびれた家に帰らぬ理由位は聞いて置くか。


「ホラ乗ってくんだろ?、俺は飯を喰いに行くんだ腹減ってんだから愚図愚図しないでサッサとケツに乗りな」

「うん!」

 何で俺はこんな事しちまうんだろう、今も此処に来た事を迷ってる、放って置けば良かったのに…。


「嬢ちゃん飯は食ったのか?」

 必然的に声が大きく為る、家のツンデレ娘は声がでかい。

「食べてない、お腹空いた!」

 此方も大きい声だ、素直で大人しいXTと違って。

「このバイク如何したの?メットも違うし?」

 まあ当然の疑問だな。


「俺のだよ、メットは仕事用!」

 そうさ、厳しい官庁は無理だが緩い所と放送、出版系はシールド上げて顔が確認出来ればメット取らずに中へ入って行ける、乗務用に新調した昭栄TJ201Vジェットヘル。

「仕事用?何それ?」

 そう声が掛かるが今は飯が先腹が減ってんだ。

「一寸回すぞ」

 メットの後ろに軽く振動が伝わる、頷いた様だ。


 スロットルを開けΓの一番美味しい所に入る、此の半端じゃない加速に漏らして無いだろな?、と思ったのは当然の事だろう。


 ただ自宅出る時は機嫌良かったのだが、此奴を後ろに乗せてから何故かツンデレ娘の機嫌は悪かった・・。



 何で大事にしている人が騙されしまい、逆に大事にしなきゃ為らない筈なのに簡単に許してしまうのだろうか?、此れは何故なのだろうか?。


 未だに答えは見つからない、この先でも見つかるのかも未だ理解らない。


この先でも見つかるのかも未だ理解らない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ