俺のれぷりか? (。ŏ﹏ŏ)ホント?
何でだろ?
(・・?
歩道に乗り上げ脇に停める、其処に続いて同じVTが停まる、微かに声が聞こえる。
「話せた、話せた」
と聞こえる。
「すいません、マネしちゃって御免なさい」
と言っている。
「別に謝る事じゃないよ、只聞きたかったんだ。何で俺なんかの格好してるのか?其れだけ聞きたかったんだよね、レーサーでも何でもない俺を真似た事をね」
謎だよね?、だって一般ライダーだよ俺も…。
「みんなレプリカに乗っててVTーFなんか遅いって言われてたのに、そんな皆をあっという間に抜き去って消えてった。同じオートバイなのに…」
<何処かで俺の事を見たのか?>
「VTってあんなに速いんだって感動しちゃって、皆もアレってPRESSだよな!、お前のVTもあんなにの速いんだ!、悪かったて言ってくれて嬉しかったんです」
まるで昔の俺を見ているようだった、プレスに憧れていた頃の様に。
「時々見かけたんですけど何時も一瞬で消えて行くんで、ホントに話せるなんて…、悪いとは思ったんですけど、同じ格好すると速く為れる気がして、御免なさい」
又謝ってきた。
「謝らなくて良いよ、俺も同じだったから」
「えっ?」
「そういえばさ、何でバイク迄変えたの?」
「この間見掛けた時このVT-Zに替わってましたよね、前のVTは兄のお下がりだったので今度は自分で決めて買うと思ったんです」
まぁ良く似たものだ。
「あの人が乗っているから間違いない、そう思ってこのVT-Zに決めました」
「でも良いのかな、これ会社の車両なんだけど…」
「ウソ?、駄目なんですかこのVT遅いんですか?」
悲しそうな声が聞こえる。
「言い方悪かったねこいつ充分に速いし、使いやすいバイクだよ、嫌ね俺が乗っているからって此のVTに決めて良かったのかなってさ?、そう思ったんだ」
「良かった…」
ホッとため息が聞こえてた。
「皆に遅いやっぱ田舎者だぁ~て言われて悔しくて」
まだそんな事言う奴が居るんだ?
「何処から来たの?」
北関東の中核都市だった、都会じゃん!思わず笑ってしまった。
「やっぱり馬鹿にするんだ!」怒らせてしまった。
「ゴメンね、馬鹿にしてないから、許して!そこは充分都会だから、ゴメンね」
「どうせ田舎者です!」
機嫌が治らない如何言えば解ってくれるかな?。
「充分に都会だよ新幹線も停まるし、電車だって有るじゃん、詰まんないこと気にするなよ、俺の田舎はそれすら無いから、俺から見ればどこでも都会だよ」
「そうなんですか?」
「因みに信号もマックもケンタも、コンビニすらも無い田舎だぞ!、君は故郷が嫌いなのかい?」
首を振った。
「誰に何を言われても、自分の好きな所なんだから、自慢すればいいんだよ」
「でも・・・」
其の後の言葉が出て来ない。
「君のそのVTなら此処から二時間有れば何時でも行けるんだぞ、俺から見れば羨ましいよ…」
やっと顔が上がる。
「俺の帰る田舎はさ、丸一昼夜走って漸く着ける遠い場所、未だ一度も故郷に帰って無いんだよ。でもそんな田舎者を格好良いと思ったんだろ君は?」
真っすぐこっちを見てた。
「そのメット気に入って貰えてるかい?」
大きく頷いた。
「君が無事に帰る事を待ってる人は居るのかい?」
「ハイ!」
「速く走るだけじゃない、ゆっくり走っても良いんだよ。自分のペースで愉しめば良い、自由に君の行きたい所に連れてってくれるからな、君のその相棒は」
「ゆっくり走っても良いんだ!」
そう嬉しそうに答えが返って来る。
「約束してくれるかな、必ずその人たちの処に無事に帰る事を!」
「ハイ!、今度の週末無事に帰ってみせます!」
良い答えだ!
「ヨシ!そのメットは俺のレプリカだ大事にしてくれよ!」
元気に頷いた。
その後何度か見かけると無事に走ってました、故郷にもきっと無事に帰れたんでしょうね。
(о´∀`о)
此方は業務の都合で使いやすい、昭栄TJ201Vのジェットヘルにメットを換えたので、俺だと気付いて無いようでした、その後もあのメットでVT-Zがお行儀よく走ってました、後にも先にもレプリカは其れだけ。
此の作品は勿論フィクションですよ、あのレプリカメットが走って居ましたけどね・・。
(・∀・)!
世界に唯一つのレプリカメット!
v(´∀`*v)ピース