表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/21

ドッペルゲンガー?

「森田!、何だお前は!」

「おはようございます!」

 VTを駐機場所に停め階段を昇りデスクに出勤してる事を確認してもらう、階段を下り眼の前に在る二輪部と書かれた扉を開ける。


「森田!、何だお前は!」

 詰所の扉開けた瞬間に行き成り怒鳴られる、お怒りになっていたのは藤村さん。

「俺何かしましたか?」

 全く何の事だか判らないので聞いて見たんです、今から一時間ほど前に俺が九段下付近で無視したと御怒りになって居る様なんですね…。でも俺今出勤して来たばかり、そう一時間前に千葉の自宅を出て来たばかりで全く身に覚えが無いんです。

(・・?


「すいません藤村さん、俺一時間前に自宅出て来たばかりなんですが?」

「お前の家は確か船橋だよな?」

「船橋でも上の方なんで船橋法典駅前を通って来てます」

 藤村さん少し考えて居らっしゃったが。


「なら一般道じゃ早くても一時間は掛かるか…、悪かった俺の見間違いだな怒鳴って悪かったスマン!」

 と頭を下げられた。

「大丈夫ですよ、よく有るVTだし、似たようなカッコしてる人も居ますよ、間違いだって解って貰えば良いんですよ」

 間違いだって解って貰えて此の場は収まったんですが・・・。


 翌日の事ですが…。

「30分位前何処に居た?」今度は竹村先輩が聞いて来る。

「広報記事取りに葛飾区役所ですけど」そう答えたんですが。

「そうか済まなかった!」と言って首を傾げてる。

「オカシイな?、新宿(大ガード)の下だったんだよな~?」そう呟く様に聴こえた。


 其の日以降は度々居場所を聞かれる様に為って行く・・・。


 次の日は岡田さん。

「さっき新宿に居なかったか?」

「いいぇ、小松井川署に記事取りに行ってましたが?」

「そうか…」

 其の次の日は櫻庭さん迄・・・。

「一時間前神田に居なかったか?」と聞いてくる始末。

「一時間前ですか?、千歳船橋に新聞届けに行ってた頃ですね…」

 何かが変だ?、何で俺の目撃情報が寄せられるんだ?、確かに先輩方とすれ違ってる時には手を上げたり頭を下げたりしてるのだが、何でなの?、疑問が消えない。


 其の二日後…。

「お前のメットオリジナルだったよな?ノーマルじゃ無いよな?」

 遂に村上先輩が確信を付いて来た。


 俺も皆さんに聴こうかと思ってたんだ、俺が使ってるのは昭栄TF208、メーカーオリジナルのラインを下地に、オレンジとピンクの部分をガンマのボディカラーに併せてミッドナイトブルーとシルバーに置き換えて有る、更に下半分もマットブラックに塗り替えて有る、誰が見ても俺と解るオリジナルの筈なのに<何故?>と疑問が涌く…。



 一周間経っても相変わらず居場所を尋ねられる、何が起って居るのか解らない、気味が悪いやら恐ろしいやら、如何言葉にすれば良いのか解らない。

 ただ皆の言葉で共通して居るのは流して居るのか、お行儀よく車の流れに乗って居て隙間が有ってもすり抜けせずに赤で漸く先頭に出るらしいんだ。


「森田らしくない!」 

 皆さんが一様に言っている、俺は何時でもふっ飛んで走る様に思われてるのだろうか…?


 そんな最中日報作成で事務所に立ち寄ると社長が伝えてきた。

「森田木曜日にウイングに寄って呉れ、車両が届いたそうだ」

「車両が届いたってどういう事です?」

「車両がリースアップでな飯岡と同じバイクに入れ替えだ」

「判りました!」

 丁度良いタイミングで乗務機の入れ替えが発生する、俺が引き継いだ車両は飯岡さんの次に古参の方が載って居られてリースアップの期間と成った、VT250Fを乗り換えでVT250Zへ変更する事に成る、車体が替ればそんな事も自然と収まるだろうと深く考える事を止め気楽に考える事にした。


 二日後飯田橋に在るウイングで今迄の乗務機VT250Fに別れを告げ、新しい相棒VT250Zを受領した。

 VT-Fより落ち着きの在るハンドリング、是はリア17インチの効果なのかな?。

 確かに馬力も40㎰に上がってはいるのだが、其れよりも今迄以上に下から上までフラットな力強いトルクが出てる、更に使いやすく乗務を熟すのにはぴったり!、其の儘出社と成る為飯田橋から神田を抜けて本社に向かって行く。


 そこで俺は遂に見てしまった!

 分離帯の向こう側、其処には先程別れを告げたVT250Fに乗る俺が居た!、同じ(メット)でカラーリングも全く同じ!、同じライダースジャケットにジーンズ!、そんなライダーとシルバーのVT250Fが向かい合う様に対向車線で信号待ちして居る!

「嘘だろ!、何であそこに俺が居るんだ?」


 なんか夏も過ぎ次の季節に為った頃の事で、時期にそぐわない怪談話に為って来ました!、一体何なんでしょうかね?、一話に纏める心算だったんですが続きます。


何であそこに俺が居るんだ?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ