マッチングアプリから始める偶然
近年マッチングアプリが普及し社会人3年目で仕事場でも出会いがないことから友人にすすめられマッチングアプリを入れた。
そしてマッチングアプリを始めて1ヶ月、気の合う子とやり取りを続けようやく会うことをとりつけ、今日がその日だ。
(身だしなみも大丈夫、口角を上げて、、よし!行くか!)
お互いの中間地点の場所で会うことにした俺は電車に乗った。
(ほんとに大丈夫か、来てくれるか?、、大丈夫、あの子なら来てくれる)
マッチした子は性格がずば抜けてよく、愛と想いやりを持った子だ。
不安でそわそわしながら電車を乗り換え、あと2駅、1駅と近づいてくる。
待ち合わせの時間より15分前に到着を予定し次の駅となった頃、隣に立っていた妊婦さんが明らかに体調が悪そうにしていた。
(こういうとき俺の推しならきっと、、)
男性が女性を助けようとするとセクハラとみなされることが多くなり肩身が狭い昨今、男性が女性にAEDを使って訴えられたなんて事例もある。しかし俺は俺の推しならこういうとき絶対声をかけると思い勇気を出して声をかけた。
「大丈夫ですか?よかったら次の駅で降りて休みましょう」
「あ、はい、ありがとうございます」
俺は肩を貸し一緒に電車を降りた。
その時、ちょうど隣で見ていた女性が手伝ってもらいその女性とも一緒に降りベンチに座った。
「僕、飲み物買ってくるので見ていてもらっていいですか?」
「はい、すみませんありがとうございます」
一緒に降りた女性に妊婦さんを付き添ってもらい俺は飲み物を買いに行った。
(やばい、こういうとき暖かい飲み物がいいのか?水でいいのか?あーよくわかんねえ!悩んでてもしょうがねえ!両方買っちまえ!)
俺は暖かいお茶と水を買い、ベンチに戻った。
「これ、よかったらもう両方持ってちゃってください」
「すみません、、ありがとうございます」
少しすると駅員さんが駆けつけてくれた。
「あとはこちらで対応しますので」
「はい、よろしくお願いします」
「色々ありがとうございました」
「いえいえ!」
俺と一緒に降りた女性は妊婦さんに別れを告げて改札へ下りるエスカレーターへ向かった。
「すみません、助かりました。男だけだとどうも、、」
「いえいえ!こちらこそ助かりました!私だけだと肩を貸すことも出来なかったので、、あ、飲み物のお金、、」
「いや!大丈夫ですよ!これからの予定に使ってください」
「いやいや、悪いので、、」
「えっとじゃあ、、次同じようなことがあったときに使ってください」
「え、あ、じゃあそうします。ありがとうございます」
「はい!では!」
「はい!」
俺はその女性とわかれ、少し気まづいのでその女性が改札へ向かった後で俺も改札へ向かった。
(うわ!10分過ぎてた!もういないかなぁ)
俺はメッセージを送ろうとしたが、相手からもメッセージが来ていない。
(あーこれはもう帰っちゃったかな。一応メッセージ入れとこ)
本当にごめん!予定より遅れちゃった、、まだいる?
するとすぐに返信がきた。
本当にごめん!予定より遅れちゃった、、まだいる?
(あれ?これ同じタイミングで送りあってる?)
いるよー!
いるよー!
(同じこと送っとるやんけ、えっと)
どこにいるー?
改札前のコンビニの前にいるよー、白っぽいロングスカートに上はグレーの着てる〜あと鞄は黒だよ〜
(白のロングスカートに上がグレーと、、あれなんかさっきの人と)
俺はスマホから目を離しコンビニの方に目をやると一人の女性と目が合った。
(もしかして!)
お互い歩み寄りこう言った。
「さっきの!」
「もしかしてあんさんですか?」「もしかしてたきさんですか?」
「そうです!」
「あははっ!気が合いすぎるにも程があるでしょ!」
お互いアプリの写真で顔は分かっていたが写真だとあまり分からなかったので気づかなかった。
「じゃあいこっか」
「まって、その前に〜」
あんさんは鞄の中から財布を取り出しお金を渡してきた。
「はい!」
「いやだからいらんよ」
「いやいや、さっき言ったじゃん。これからの予定に使ってくださいって」
(言ったなー言ってたなー、なんかかっこつけすぎて恥ずかしい)
「あーじゃあ受け取っておきますー。ありがとう」
「ありがとうって笑こちらこそだよ」
こうして予定していたカフェに行き楽しいひとときを過ごした。
あんさんとはその後、何度かデートを重ね、付き合ったのは言うまでもない。