一話 弱肉強食の路地裏
見切り発車上等。書き方も何もかも知らないので誤字脱字のバーゲンセール。
よろしくね。更新遅い。
弱肉強食。それは自然界で強い者が勝ち、弱い者が負ける的なそんな感じの一種の摂理みたいなやつである。
では何故今こんな話をするかというと、俺はその摂理が人間にも当てはまるのではないかと思う。例えば、金髪舌ピのヤンキーが、明らかにビビり散らかしているもやし男子にカツアゲをするように………
只今俺、世和井狩真…………大ピンチである。
って誰がもやしだ!!
「いやっ、その、ちょっと……待ってください」
「だぁかぁらぁ!金よこせって言ってんだるぉ!?」
言ってない。まだ俺と貴方は相対して二言目なんですけど………あ、この人うちの高校の制服着てる。
「じゃあ……俺金欠なんだよねぇ。だから金くれないかな!!」
何が“じゃあ”だ言い方変えてもやんねぇよ。
人に物を頼むときは語尾に!付けないってお母さんに教わらなかった?
と言いたいところだがもちろん俺にそんな度胸がある訳もなく、ただ俯くことしかできなかった。
「今金欠で……財布の中十円しか入ってないんですよ」
ガチで。
「はぁ!?十円って…募金ぐらいしか出来ねぇじゃねぇか!お前ほんとに高校生か!?」
ちゃんと高校生です!!15歳です!
「その…ホントすみません……見逃してもらえないですかね……?」
ていうかそこで募金って発想が出てくるならカツアゲしないでよ。
「ッチ、しゃぁねぇなぁ……次からは万入れとけよ!!」
やだよ?
少し経って、足音が聞こえなくなったのを確認して、座り込んだ。
「はぁぁぁ……怖かったぁ…」
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「ただいま〜」
返ってくる声はない。
俺の両親は俺が中1の時に交通事故で他界。そこからずっと一人暮らしだけど、やっぱ言ってしまう。長年の癖って中々抜けないもんだね。
本当は親戚の人が気にかけてくれてたけど、みんな良い人すぎて断った。見ず知らずの人を善意100%で助けるくらい良い人。だからこそ、迷惑はかけたくない。
「さて、今日の夕飯は……やばっ」
冷蔵庫の中身全然無いの忘れてた……どうしよ…銀行まで行くのもめんどいしな……とりあえず何がある?牛肉、玉葱、友達に貰ったブートジョロキア、卵、紅生姜etc………
「よし、今日は牛丼だな」
料理もそこそこ上手くなったのではないかと自分でも思う。3年もやってればそれもそうか。でもなんでかモテないんだよなぁ…家事が出来る男はモテるんじゃないの?あれって嘘なの?
「よしできた。んじゃ、いただきます」
うん、我ながら美味しくできた。………ちょっと醤油多かったかな?
「ん゛あ゛!?かっっっっっらあああぁ!?」
やっば!?辛すぎでしょ!あっ、そういえばブートジョロキアって辛すぎるってギネス載ってたっけ。
「牛乳ぅ!!」
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「あ゛〜辛かった。あいつマジ絶対許さん」
椅子に座ってひと段落すると、電話がかかってきた。
「もしもし」
『おう、最近どうだ?なんか困ってることないか?』
「まぁぼちぼちかな?困ってることはないよ」
電話の相手は津世井秀斗。俺の遠い親戚いらしい。なんかワケわかんないくらい完璧超人。全国模試では堂々満点の一位。極真空手で世界大会4連覇。偏差値80オーバーとかいうぶっ飛んでる名門校の生徒会長。さらには超名家の津世井家の御曹司。主人公じゃん。
なんでこんな完璧超人が俺のことを気にかけてくれるのかはわかんないけど、すごいありがたいから頼り切ってしまっている部分もある。でもそんな完璧超人にも欠点?があって……
『そんな事より、狩真。お前今日カツアゲされてなかったか?』
「されてたけど……なんで?」
「相手の特徴、名前、わかってること全部言え』
「なんで?別にお金は取られてないから気にしなくても———」
『早く!!」
すんごい過保護。
ちょっと足挫いただけで病院連れてこうとするし、階段の3段目辺りから落ちて頭打った時なんか顔面蒼白で救急車呼んでたからな。
あれ、俺ちょっと鈍臭過ぎない?
「まぁまぁ、本当に大丈夫だから!じゃあね!!」
『ちょ、待てよ!話はまだ終わって———』
とはいうものの、秀斗も昔からこんなに過保護じゃなかったんだよな…やっぱあのときのが原因なのかな……