5. 夜と朝に・・・。
晩ごはんを食べた。
今は、8時。
もう夜だな。
「風呂に入って」
僕は、ヴァルに言った。
「風呂? 」
とヴァルは聞き返してきた。
「まさか、神様のところって風呂とかないの? 」
「そうだね。初めて聞いたよ、その風呂ってやつを。風呂の入り方を教えて? 」
「いやいやいや、流石に無理無理」
僕は、断固拒否した。ヴァルの人間の姿は女だ。
「どうして、風呂の入り方を教えてよ」
ヴァルはまた涙目になったがこれはアカン。
「ごめん。ガチで無理。……いや、ちょっと、待った」
「ん? 」
「ヴァルと初めて会った時にヴァルは記憶をコピーして移したじゃん? じゃあ、僕の記憶をコピーしてヴァルに移すことはできるの? 」
「一様できる」
「よし、じゃあ移して」
「了解」
そしてヴァルが僕の頭に手をのせた時に、白く光った。
そして、また激しい頭痛がした。
「じゃ、お風呂入るね」
「うん」
僕は頭をおさえて言った。
僕とヴァルは風呂に入り、寝ようとした。
僕のベッドは処分されていて、仕方なく親父のベットで寝ることにした。
親父たちのベットは同じ部屋にあった。
「じゃ、僕のベットの端っこを持って」
「え、何で」
「なんでって、僕のベットを移動するため」
「違う。なんで、移動させるの」
「あぁ、だって、女子と男子が同じ部屋で寝るのはダメだろう」
「そうなの」
「別にそういう関係だったらいいけど、僕達は違うだろ」
「えぇ〜、一緒に寝ようよ」
「は?!」
「それに私、人間じゃないし。性別とかないよ」
「そういう問題じゃない! 」
「……。」
あ、ヤバい。流石に言い過ぎたかな。と思ったらなぜか、意識がないのに体が勝手に動いた。
は⁉
まさか、僕を洗脳してる⁉
ヴァルはにっこり微笑んだ。
「大丈夫、一緒に寝るだけだよ」
体に力を入れても体がびくともしない。
そして、僕はベットに横になり、ヴァルは横で寝転んだ。
今、僕たちは一つのベットで二人寝ている。
神って、恐ろしい。
「私、抱きまくらがないと寝れない派なの」
神の世界に抱きまくらって言葉があるのかと思ったのもつかの間。その意味が分かった時にはすでに僕はヴァルに抱きつかれていた。
「ちょっ……ヴァル。離れて」
「やだ〜」
すぐ目の前にヴァルの顔がある。
寝れない。急に抱きつかれて寝られるわけがない。そう思うと、ヴァルは寝息をたてた。
はや。
僕はもう一度体に力を入れたがやはり動かない。
どうしよう。
結局寝れないまま朝になった。
僕はヴァルにしっかりと抱きつかれたままずっと、ヴァルの寝顔を見ていた。
かわいいな。
今もヴァルに抱きつかれたまま横になってる。
すると、ヴァルが目を覚ました。
「おはよう」
「おはよう」
すると、体が動くようになった。
時計をみると今は朝の7時。
「朝食作って」
「はいはい」
僕は寝てないが朝食を作った。
僕は食パンにスクランブルエッグと野菜、マヨネーズをかけて作った。
「本当に美味しい」
ヴァルは一口食べてからそういった。
「僕の知り合いに、シェフがいるからね。時々、簡単な料理を教えてくれたんだ」
「シェフ? 」
「料理人のプロ。ぼく、テレビに出たことがあるから。」
「テレビ? 」
「そう。ヴァルには言ってなかったけど僕はIQが183あるんだ。小学生のときに、テレビに出て稼いでたんだ。ちなみにIQは知能を数値化したもの」
「海って一から何でも説明できるんだね。本当に頭が良いね」
「何でもじゃないけどね」
「ところで、昼ごはんは何? 」
「聞くの早くない? 」
「いいじゃん」
「はいはい、分かったよ。昼ごはんは魚があるから、刺身にする」
「魚の料理? 」
「そう」
そんな会話をしていた僕は幸せだった。
だけど、神たちを倒したらヴァルは多分、僕の目の前には現れない。
この幸せな時間をかみしめようと僕は考えた。
あのときのように、幸せな時間は必ずなくなるのだから。
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