2.依頼の内容
・・・僕は、ヴァルの記憶を見た。
「それで、頼みたいことって? 」
もうこのヴァルと言う神は怖くなかった。
むしろ、綺麗すぎて少し、見とれそうになった。
ヴァルは金髪に青い目、白色のシースドレスを着ていた。
「私の依頼は、神たちを殺すことです」
――ん……?
「すみません。まず、経緯について話します」
「神を殺すって......? 」
「その記憶で出てきたのは私と同じ神様です。
この世界には9631個の星があり、人間、生き物の命、幸せを支えています。
ですが、そのあと他の神から裏切りがあって私は封印されたのです。
封印してきた神たちは人間たちを支配すると思います」
「なんで人間たちを支配する必要があるの? 」
「人を不幸にすることで私達、神は力を増幅できます。
前に争いがあって、それを防ぐために人間たちを幸せにさせました。
人間を幸せにすることで、神達の力も弱まるからです。
ですが当然、私の力も弱まるので仲間の反乱で圧倒的な数でやられて、封印されたのがここです。
なんとか封印を破ろうと私は考えました。
そして、封印を破る方法を見つけたのです。
この封印は神や生きている生物などは破れない仕組みになっています。
しかし、裏を返せば死んだ生物は破れるのです」
「それで、死んだ僕を呼んで封印を破ってくれと」
「ただ、死んだ生物は破れるものの、神と同じ力を持つ生物を呼び出さないといけないのです。
しかし、そんな生き物はいない。
なので、私の力をすべて託せばいいのではと考えました。
ですが、託すと同時に私は消えます」
「じゃあ、どうするの」
ヴァルは少し考えてから言った。
「海さんの両目に一度だけ入らせていただきます」
「・・・はい? 」
突然、変なことを言ってきた。
「託すと同時にあなたの目に入るということです。そしたら、私は消えません。そして、あなたの見ている
ものを私にも見させていただきます」
「なるほど? 」
「神を殺してください、これが依頼です」
「ヴァルの力を使って神たちを倒すと? 」
「いいえ、ギフトを渡すことは絶対にできません。
しかし、あなたに神の力、ギフトを新たに作らせることができます。
ですが、ギフトは一つだけしか作れません。
よく考えてください」
そして、封印の出口に案内された。
扉は黒色でちょっとオシャレな装飾がしてあった。
ただ、不気味さも感じられた。
僕たちは儀式を行った。
「封印を解いたらあなたを生き返らせますね」
「分かった。それじゃあ」
「はい、ありがとうございます」
と、とびっきりの笑顔で言われた。
僕は下を向いて少し照れた。
それと同時にヴァルの周りの黒い霧が僕を包んだ。
そして、黒い霧がなくなったときヴァルはいなくなった。
「ヴァル、いるか」
「はい、います」
耳には聞こえてないが脳に響いた。両目の中に入ったのだろう。
そして、封印の出口を押した。ギシギシと鳴りながら扉はだんだん開いてくる。
そして、封印の出口からでると、その周りは真っ黒でいくつもの星があった。
すると、脳に{ほしいをギフト一つ言ってください}と掲示板のようなものがでた。
これか、ヴァルが言ってたのは。
そして、考えたあとこう言った。
「物体の運動とエネルギーを変換、調節できるギフト」
脳の中に『ザナ』と『カオス』があった。
――あれ、二つあるの?
『説明』を選択すると
『「ザナ」は、15メートル範囲で運動とエネルギーを変換、吸収、調節できます。
例えば、銃で発射された弾丸に働くエネルギーを調節して、威力を0にすることが出来ます。
範囲の中なら複数のエネルギー、運動の操作も可能です。
エネルギーをある程度吸収すると『カオス』によって新しい能力、
ギフトの強化のどちらかができます』
――なるほど、二つで一つのギフトなのか
「それじゃあ戻るか、地球に」
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