第98話 攻(11)
無事に魔の手から、すり抜けたわたし。
ほんとミウたちのおかげです。
ありがとう。
わたしたちがソラリアから出ると、こうじさんがいました。
しかも、あのセブンくんといっしょに。
……はっきり言って、目立っています。
目立ちまくりです。
目立っているけど、こうじさんのセブンくんは、やっぱりかっこいいです。
もちろん、こうじさんもかっこいいですよ。
「……えっ?
里美さんの彼氏って……盛福?」
「あの……ゴマすりの盛福?
略して、ゴマ福が……彼氏?」
「マジか?」
「うそ~!」
「でも……なんか……」
まわりの驚きは、おいておきましょう。
それよりも、こうじさんがピンチです。
だって……
こうじさんのまわりには、警察官の方が………
「キミ。
ちょっと、音(排気音)がうるさいね。」
「すみません。
なにしろ……古い車でして……」
ペコリ。
「ちょっと、車高も低すぎだね。」
「すみません。
なにしろ……古い車でして、ショックがヘタってます。」
ペコリ。
「このロールバーは?」
「はい。なにしろ古いので、ボディー補強です。
ちゃんと公認は、とってます。」
ペコリ。
「じゃあ、車検証を見せて。」
「はい。どうぞ。」
ペコリ。
……なんか、漫才みたいなやり取りをしていました。
そんな光景を見て……
わたしは、おかしくなって……
不意に……
涙が出てしまいました。
……こうじさんの姿を見て、思わず安心したら、涙があふれてきました。
「こうじさぁ~~ん!」
わたしは、こうじさんの腕に抱きついて……
泣いてしまいました。
「お巡りさん。
この娘を迎えに来てくれたんです!
すっごく怖い人に絡まれて!
わたしが呼びました。」
「そうなんです。
一刻もはやく、来てくれたんですよ!お巡りさん。
あなたたちも大変でしょうけど、コイツもこの娘のことが心配で、駆けつけてくれたんです!」
ミウと山中先輩のナイスアシストです。
あのままだったら、こうじさんがキップを切られそうでした。
「わたしは、天野ミウです。
県警本部の天野の娘………」
なにやら、ミウの奥の手が炸裂しています。
「そ……そうですか。
彼女を守るために……。
わかりました。
もう、大丈夫ですね。
我々は、市民の安全を守ることが仕事ですから。」
「では、その娘は、キミにおねがいしよう。
気をつけて帰りなさい。」
お巡りさんは、態度を一変しました。
「お父様に、よろしくお願いします!」
……と、笑顔で、交番に戻って行きました。
さすが、ミウです。
「けんじ……
ミウさん……
ありがとう。
里美さんも大丈夫?
どうしたの?」
「………。」
わたしは、まだ泣いていました。
「ちょっと、しつこいのにカラまれてね。
でも……もう大丈夫よ。
ほら。
カヤっちも、もう泣かないで。」
「……うん。
……だいぶ……落ち着いた……。」
……なんだかよくわからないけど……
こうじさんが来てくれて、ほんとうにうれしいです。
「こうじ。
じゃあ、里美ちゃんをたのむね。」
「こうじくん。ありがとう。
カヤっちをおねがいね。」
「……わかりました。」
まだ、状況がよくわかっていないようすのこうじさんです。
……でも、もう大丈夫です。
わたしは、大丈夫です。
こうじさんが こうして、わたしのところに来てくれたから。
「……しっかし、おまえのセブン……
目立つね~。
でも、フェラーリよりもかっこいいぞ!」
「うんうん。
わたしもはじめて見たけど……かっこいいよ。
こうじくんのイメージが ちょっとよくなったよ。」
「……どうも……
です。」
なんか、テレているこうじさんです。やっぱり、かわいい!
大好きです!
「ありがとう、ミウ。
ありがとうございます。山中先輩。」
わたしは、こうじさんの元へと、無事に帰ることができました。
……あっ?
レイナちゃんと城山先輩は?
カヤちゃん。
よかったね~。
でも、こうじくんは、危機一髪でヒヤヒヤものでしたね。
ミウちゃんと、けんじくんに感謝だね。
まぁ、それは、さておき。
カヤちゃんは……
「知らない男の人とは、お酒を飲むのは、やめよう!」
……と、秘かに誓ったのです。
さて、次回は、後日談です。
けんじくんとミウちゃんの……
ふたりって……似た者同士?
お楽しみに。




