第93話 攻(6)
「ナンパ」……基本的には、自由だ!
フリーダム!
……こうじの好きなガンダムに「フリーダム」という名のモビルスーツがあったな。
それといっしょにしたら、こうじに、怒られるな。
ちなみに、俺は、「イージス」が好きだ。
あの変形するフォルムが……
……おっと?
すまない。
また、それてしまった。
そっちのヲタ話しは、おいておこう。
飲み会におけるナンパは、自由。
個人の自由意思が尊重されている。
男からナンパする場合でも、女の子が断ると、いさぎよくあきらめること。
これがルール。
無理強いとかは、御法度。
お酒なんかで酔わせてしまうなんて、論外!
……しかし、ヤツらは、そんなことを平気でする。
どこかの大学では、それが大問題になって、警察沙汰にもなった。
にもかかわらず、ああいう手合いが横行する。
アイツらは、まだ自分が社会人じゃないから、大事にはならない……と知っている確信犯なのだ。
そんな魔の手から、里美ちゃんを守るためにも、俺が出しゃばってもいいが……いや、最悪のときには、有無を言わさず出しゃばるぞ!
だが……
今は、ダメだ。
この段階だと、先輩たちから反感を買う。
それに、里美ちゃんにも迷惑をかける場合がある。
迷惑とは、今後の大学生活のことだ。
なんやかんやと言っても、大学での先輩後輩の関係は、高校のときよりも大事になってくる。
就職にも関係してくる場合がある。
こうじなんかのアウトローオタクには、あまり関係ないかもしれないけど……。
里美ちゃんは、ピカピカの1年生。花の女子大生なのだ。
そんな彼女に、ツラい思いをさせたくない。
それに、いちばんの問題は、里美ちゃんがこうじと付き合っていることだ。
こうじは、ある意味……
大学の有名人。
かなりマイナスの有名人。
なので、ターゲットにされやすいかもしれない。
まぁ、大学でのイジメなんてないけど、大人の分、やり口が巧妙になる。
やっと、本人の女恐怖症も落ち着いてきて、里美ちゃんと付き合い始めたばっかりだ。
俺が知る限りでも、やっと好きになった女の子。
2人目の女の子……。
(ほんとに、ウブなやつ……)
だから、あいつにも、迷惑をかけたくない。
好きな女の子が困っている姿なんて、あいつも許せないはずだ!
それにもう……
あいつには、苦しんでほしくないのだ!笑顔でいてほしいんだ!
「ともや。
おまえは、とりあえずあっちを盛り上げていてくれ。
今、ミウがこうじに連絡をつけているから。」
「了解。
まかせろ!」
「たのむ。」
ともやは、見た目チャラいけど、友だち思いのいいやつだ。
こうじなんかのヘンクツにも、お構いなしに絡む。
ともや本人も、
「こうじって、おもしろいやつやね~。」と、なじんでいた。
それにともやは、こういう飲み会では、貴重な存在だ。
男女問わずに人気者になる。
まぁ……半分以上は、女の子だけど……。
……で、ともやに、あっちのテーブルを盛り上げてもらって、こっちに来ないようにしたい。
主に3年生のヤツらを。
その目的は、やっぱり竹田の牽制だ。
あっちのテーブルには、竹田と繋がりがあるヤツがいるからな。
今は、別々にナンパしているみたいだから。
もし、こっちに来られて、竹田に協力されるとマズイ。
竹田がこの教育学部で好きにさせないための伏線だ。
里美ちゃんのことは、俺とミウで守る。
ただ……
この場所の雰囲気を壊さないためにも、ともやとレイナちゃんに頑張ってもらいたい!
見事な攻防戦になっていますね~。
ナンパは、自由だから!
それにしても、こうじくんは、フリーダムか?
けんじくんは、イージスだね。
わたしもイージス派です。
あの奇特な変形が好きです。
さて、次回は、当の本人であるカヤちゃんのつぶやきですよ。
お楽しみください。




