第88話 攻
「パァーンっ!」
暗闇のダムサイドにロータリー特有の甲高いエキゾーストノートがこだまします。
このダムの堰き止めのところから、上流の川からの流れ込みの橋までのダムサイドコースが、ぼくたちのアタックコースです。
このダムサイドコースは、面白いコーナーがたくさんあります。
スラロームからヘアピンカーブにS字コーナー。
ストレートに高速コーナーと、バリエーション豊かです。
そして、この南畑ダムは、なんと言っても高速コースです。
2速、3速の全開は、もちろんですけど、4速全開のストレートがあります。
ストレートといっても、サーキットのような一直線のストレートではありません。
若干のスラロームコースですけど、一直線のラインで走ることができます。
なかなか楽しいですよ。
……では、僭越ながら、このぼくがコース紹介をいたしましょう。
今日は、上りルートを紹介します。
ダムの堰き止め場所からスタートします。
ここは、右側に広いスペースがあります。
駐車場 兼 バス停ですね。
たまに、バスが停まっています。
そして、ぼくたちのUターン場所でもあります。
1速からスタートして、すぐに2速へと。
2速のまま、最初のS字コーナーのスラロームを抜けます。
ここは、道幅が狭いので、対向車に気をつけましょう。
スラロームの最後の右カーブを抜けると、アクセル全開です。
余談ですが、このスラローム地点ですよ!
問題のCR-X 1速発言は!
だいたいの車種は、2速で行きます。
それをCR-Xは、1速で行けるそうです。
そして、2速へとシフトチェンジして、全開のまま最初の左ヘアピンカーブへと、突入します。
そして、このヘアピンカーブも1速らしいです。
めちゃくちゃ反則ですよ!
なんで反則なのか?
それは、立ち上がりの加速です。
1速と2速の加速は、1速の方が速いに決まっています。
ぼくのセブンだと、だいたいレブリミットは、7500rpmくらいです。
それ以上回しても、たいしてパワーは、出ません。
1速で7000rpmくらいで、だいたい30キロくらいです。
要は、1速だとエンジンが吹けきるのです。
だから、ほとんど1速は、使いません。
それに比べてCR-Xは、レブリミットが9000rpmらしいです。
しかも1速と2速のギア比がクロースしていて、50キロくらいまで、引っ張れるのです。
その差ですね。
その差が大事です!
その差で、立ち上がり加速が違うのです。
CR-X……レーシングカー並です。
だから、反則なんですよ!
……おっと?
すみません。
冷静にいきましょう。
コースの続きでした。
左ヘアピンを抜けると、ゆるやかな上りの右カーブです。
ここは、3速ですね。
すぐに上りきって、ゆるやかな下りの右カーブが続きます。
ここも3速で踏ん張ります。
気合いで行きます。
上ってからの下りなので、リアタイヤの荷重が抜けます。
だから、リアがスライドしますけど、アクセルとステアリングの微調整でクリアします。
次は、難関の「便所コーナー」です。
3速で下ってきたら、左ヘアピンカーブです。
しかも左エリアは、ギャラリーエリアです。
いつも、2~3台の車が停まっています。
ギャラリーたちですね。
ぼくたちも自然と気合いが入りますけど……
このヘアピンは、いわく付きなのです。
いわく付き………
それは……よくある「心霊スポット」なのです。
はっきり言うと、コワイです。
マジ話しもあります。
……今、この場では、避けましょう。
とにかく、早く通り過ぎたい場合ですが……
焦っては、いけません。
このヘアピンカーブは、橋になっているのです。
だから、つなぎ目の段差が、くせ者なのです。
この段差のおかげで、マシンが跳ねます。
軽く50センチくらいは、外側に跳ねます。
要注意です。
クラッシュも多いです。
だから、気持ちアクセルを抜いて、クリアします。
便所コーナーを抜けると、次は、右カーブです。
この右カーブは、入り口は、ゆるやかですけど、奥の方がキツくなります。
だから、ライン取りが難しいです。
いかに全速全開で抜けるかが、次のストレートスピードにつながります。
ストレートでは、パワーがモノを言います。
ターボ勢のパワーがある車は、いいでしょうが、ぼくたちNA勢は、しのぎ合いなのです。
……長っ!
まぁ、オタクですから、仕方がありません。
まだ、続きますね。




