第86話 番外編 その4
「ありがとう。
でも、キミのKPこそ、ほんとうの反則……いや、怪物だよ。
エンジンは、4AGに載せ換えるし。
しかも、フルチューンなんて、反則技以外のナニモノでもないよ。」
「ああ~。
あそこまでしないと、おまえのハコスカには、対抗できなかったからな。」
「ふふ。
うれしいねぇ~。
ぼくのハコスカは、自慢だったから。」
「……だよ。
まったく。
……あっさりと、S20エンジンからL型に乗せ換えやがって……。」
「うん。
L型の方がチューニングが熟成しているしね。
2.8を3.2リッターにボアアップして、鍛造ピストンとH断面チタンコンロッドに、フルカウンターのクランクシャフト。
カムは、東名レーシングのハイカムにレーシングビッグバルブ。
もちろんバルブスプリングもレース用だよ。
ソレックスの44と、フジツボの等長タコ足で完ぺきだね。」
「……くっ。
あのハコスカこそ、反則技だぞ。
もろレーシングエンジンじゃねぇか!」
「そうかい?
……でも、結局は、1勝1負1分だよ。」
「……だな。
あれは、俺にも意地があったからな。」
「そうそう。
最高速では、ぼくのハコスカ。
峠では、キミのKP。
しかし……
いちばん納得できないのは、ゼロヨンでの引き分けだよ。
ぼくのは、250psくらいは、出ていたのに……。」
「ゼロヨンは、パワーだけじゃないからな。
KPの軽量ハイパワーの特性が引き分けの要因だ。
あとは、スタートのテクだな。」
「……はっきり言うね。
くやしいけど、その通りだよ。」
「フフ。
テクじゃ負けん。」
「相変わらずの負けん気だね。
……そういえば、キミは、もう乗らないのかい?」
「……いや。
じつは、ちょっとした計画がある。」
「計画?
ぜひとも聞きたいねぇ~。」
「まぁ、隠すほどのことじゃないんだけど……
アエカが大学を出て、手がかからなくなったら、また乗ろうと考えている。」
「うんうん。
……で、何を狙っているんだい?」
「ニュー86だ。」
「ニュー86?
意外にミーハーだね。」
「おまえに言われたくない!」
「ごめんごめん。
でも、いいんじゃないの。
ニュー86も、スペックは、高そうだから。」
「だろ?
意外に面白いと思うんだよ。
キッチリ仕上げたら、おまえのZZなんて、ぶっちぎりだぞ。」
「ふふ。
面白いことを言うねぇ~。
ZZは、ほぼフォーミュラに近いマシンだよ。
ニュー86ごときで、対抗できるわけがないよ。
今度は、ぼくの圧勝だよ。
リベンジ達成だね。」
「ぬかせ!
ZZごときには、負けん!」
「ふふ。
いいね~。
そういうところは、浩一郎くんらしいよ。
……で、やっぱりステージは、南畑ダムかい?」
「……いや。
あそこは、今は、浩司のホームグラウンドだから、やめよう。」
「別にいいんじゃないの?
親子対決が見れるかも?」
「おまえこそ、お嬢ちゃんとバトルになるんじゃないの?」
「いや~。
それは、どうかな?
カヤちゃんは、マシンオタクの方だから。」
……そこからは、やたらとエキサイトするふたりだった。
やはり、車の話しになると、止まらないふたりだった。
さすがは、車オタク。
ふたりのマシンは、相当におかしいですね。
ハコスカを……S20エンジンということは、「GT-R」ですね。
それをわざわざ、L型エンジンに替えるなんて……もったいない。
それに、KPに4AGなんて……
アリかも?
しかも、フルチューンされた4AGとは…。
4AGのフルチューンだと、180psは、出るでしょうね。
……とんでもないオヤジたちですね~。
おもしろいです。
さて、次回も続きます。
お楽しみに。




