第73話 遊(2)
すごいです!
日産!
……おっと?
では、ちゃんと、ナビの務めを果たしましょう。
……いえ。
ツアーガイドに、なりましょう。
「あちらに見えますのは、万年山でございます~。」
……なんちゃって♪
……まぁ、ぼくのくだらないおしゃべりは、おいておいて……
シルビアは、進みます。
日田を抜けて、天ヶ瀬を通り過ぎて、湯布院です。
眼前には、壮大な由布岳が広がり、感動ものです。
ふたつのトンガリ山頂が、特徴的ですね。
高速道路は、由布岳の裏を抜けて、大分道から日出バイパスに、入ります。
ここで、アエカのボケが、炸裂します。
「日出バイパスで、おりるの?」
「あははっ。
「ひじ」だよ。アエカ。」
「……えっ?
そうなん?」
「うん。
知らないと、ふつうは、「ひので」って読むよね。」
「……あっ?
そうなんですね~。
わたしも、「ひので」……だと思いました~。」
……なんと?
ここにも、お仲間が、おりました。
「やったぁ~!
仲間だね。カヤさん!」
「ふふふ。
そうですね~。」
なんだか、たのしいふたりです。
……しかし、お兄ちゃんとしては、もっと、勉強をがんばってほしいですね。
「じゃあ。
福岡あるある~♪
他県の人には、読めない地名~♪」
アエカの発案で、スタートする……ヘンなあそび。
さすがは、現役女子高生です。
「はい!
お兄ちゃん!」
「……えっ?
……ぼくから?」
「うん。
年功序列!」
……くそっ!
なんて便利で、なんて残酷な言葉でしょう!
……まぁ、いいか。
………う~ん?
福岡あるある~では、ここが、いちばんでしょうね?
「馬出!」
「げっ!
お兄ちゃん……最悪~。
そういう、簡単なところは、彼女のために、とっておかないと~。
ねぇ~カヤさん♪」
「そうですね~。
あははっ。」
たのしそうな里美さん。
「じゃあ。
お兄ちゃんは、罰ゲームね♪」
………えっ?
罰ゲームなの??
正解を答えたのに???
ぼくをよそに、アエカは、たのしそうに、ある物を取り出しました。
なんか……
カチューシャみたいな……?
しかも……ネコ耳ですか?
「罰ゲームよ!
お兄ちゃんは、今日一日、コレをつけててね♪」
「罰ゲームですよ~♪」
とっても、たのしそうなふたりです。
そして……どうにも……
あやしいふたりの笑顔……。
どうも、ぼくは、ふたりにハメられたようです。
「お兄ちゃん。はい♪」
しかも、ぼくには、拒否権は、ないようです。
渡されたカチューシャを 素直につけるぼく………。
「きゃっ!
かわいい!」
「……プッ!
似合ってるよ~お兄ちゃん!」
ふたりの反応に……
ぼくは、あえてミラーを見ないです。
……いえ。
見れません。
………男の子なのに………。
……ん?
男の子?
……そうですね。
ぼくの男としてのプライドは、とても低いと思います。
セブンの車高くらい、低いと思います。
だから……こんなかぶりモノの ひとつや、ふたつ……。
里美さんが、喜んでくれるなら、全然、平気ですね。
「……わかりました。」
すっかり、なじむぼくです。
このあたりが、やはり、オタク気質なのでしょうか?
……いえ。
あきらめに、近いかもしれませんね。
でも、このふたりは、違いました。
さらに、ノリノリのオタクパワーです。
「わたしたちは、コレなの~♪」
さらに、アエカが取り出したカチューシャは、ぼくのヤツと似たようなモノでした。
「わたしは、コレ~。
シナモちゃん♪」
アエカは、白いふわふわした耳のカチューシャです。
ああ……なるほど………。
シナモロールちゃんの耳のカチューシャですね。
「わたしは、コレ~♪」
里美さんがつけたのは、黒いネコ耳のカチューシャです。
「クロミちゃんですよ~♪」
「ぶっ!」
かわいい!
かわいすぎです!
「じつは、ふたりで、キャナルシティのサンリオショップに、買いに行ったんですよ~。」
「ねぇ~♪」
いつの間に………。
ふたりの行動力に、拍手です。
「ふたりとも、かわいいです。」
「やったぁ~♪」
「やったぁ~♪」
ほんとに、双子のように、息ピッタリです。
ちなみに、ぼくのカチューシャは、白い小さなネコ耳です。
赤いリボンがついた……。
……ということは……
ぼくのは、キティちゃんですね。
まぁ……キティちゃんは、好きだから、ぼくも、OKです。
それから……ハーモニーランドに着くまでは、シルビアの車内で、サンリオの歌が流れていました。
……ふぅ~ん。
クロミちゃんや、シナモロールちゃんの歌が、あるんですね。
感心したぼくでした。
もうひとつ……
「福岡あるある~」の他には……
「対馬小路」(つましょうじ)
「雑餉隈」(ざっしょのくま)
「小呂島」(おろのしま)
「百道」(ももち)
など……
けっこう、たくさんありますね。
いや~。
オタクパワー全開ですね~。
たのしそうで、いいですね。
こうじくんは、少し……あきらめモードですけど。
それにしても、女の子ふたりは、なかなかの策士です。
見事にハマッたこうじくんでした。
ご愁傷様。
まぁ、ふつうに「日出」は、「ひじ」だよね。
しかも、大分だから……。
素直なこうじくんは、アエカちゃんにも、いいお兄ちゃんなんですね。
「福岡あるある~」は、けっこう、たのしいですよね。
ご当地あそびは、アエカちゃんの得意分野かも?
さて、次回は、やっと、ハーモニーランドに到着します。
そこは……サンリオファンの聖地です。
お楽しみに。




