第69話 納(5)
まぁ……そのあとは、表面上……
なんの問題もなく、ぼくたちは、出発しました。
里美さんの愛車となる、シルビアちゃんの元へと!
………ですが………
ぼくのがんばりも、あったことも、お伝えしたいです。
それは………。
なぜか……
ぼくのセブンは、ガレージに収容されて、里美家のファミリーカーでの出発です。
そして……
またしても、ぼくは、運転手でした。
今日のぼくは、「代行運転業者」ではなく……
「里美家お抱え運転手」……の気分です。
もちろん、車は、オートマです。
しかも……高級車です。
天下の「レクサス」ですよ!
トランスには、「LS600」のエンブレムがあります。
よく意味は、わかりませんが………
ぼくのセブンが50台くらい買えるほどの金額みたいです。
意味がわかりません!
そんな車を……
ぼくが運転するのですか?
賢一郎さん……
あなたも、正気ですか?
………そんな、涙目ウルウルのぼくを
賢一郎さんは、ニヤニヤと、見ています。
もしかして……
イジメですか?
ある意味……
究極の罰ゲームかと……。
賢一郎さん……もちろん、車両保険には加入していますよね?
「大丈夫。
ちゃんと、保険には、入っているから。」
賢一郎さんからのお達しです。
(ふぅ~。)
ひと安心ですね。
ちゃんと、保険には、加入していました。
これで安心して、運転手を務めることが、できそうです。
………後から聞いた話しですけど………
里美さんが、賢一郎さんに、
「こうじさんの運転は、ていねいで、やさしい!」
……と、いつも言っていたから、
賢一郎さんも、ぼくの運転を みたかったらしいです。
まぁ……その気持ちは、わかります。
「運転には、その人と成り……が出る。」
……と、言われていますからね。
さてさて……
その評価は、いかほどだったのでしょうか?
話しを戻して……
レクサス……
初めて運転しましたけど、意外にも、運転しやすかったです。
かなりのボディーサイズですが、そこまで、苦労しませんでした。
高級車が運転しにくいはずがないのですけど………。
車庫入れは、スリルがたくさんありそうですが……。
しかし、ハイテク満載の高級車です。
なにかある前に、センサーが教えてくれます。
ちょっと、安心ですね。
エンジン音は、静かだし、足まわりも、しっかりしています。
なによりも、スムーズ!
そのひと言ですね。
さすがレクサスです。
そのウワサは、ほんとうでした。
………で、無事に車屋さんに、到着したぼくたちです。
道中……
なにも問題なくて、ほんとうに、よかったです。
ぼくの本心からの叫びです。
「お待ちしておりました。」
社長の黒岩さんが、ていねいにお迎えしてくれました。
「ありがとうございます。」
里美さんのかわいい笑顔に、黒岩さんも、メロメロですね。
さぁ、待ち焦がれたシルビアちゃんとの 御対面ですよ。
里美さんは、相変わらずピコピコ、フリフリ状態です。
そして……
賢一郎さんまでも、ピコピコ、フリフリでした。
そして……
意外にも、冷静そうな香さん。
………里美さんが言っていた意味がわかりました。
「お母さんがいた方がいい。」
……その意味が………。
「ジャーン!」
シルビアちゃんの登場です!
里美さんのシルビアは、ピカピカに磨かれていました。
輝いていました。
パールホワイトのボディーは、キラキラです。
「きゃあ~~!
きれい!
かっこいい!」
里美さんは、感激度……マックスです!
「おお~っ!」
ぼくたちも、共感します。
里美さんの表情は、いうまでもなく、ピコピコ、フリフリ+ランラン♪でした。
(よかったですね~。)
念願のシルビアに、出逢えて。
見ているぼくも、幸せです。
賢一郎さんと、香さんも、とてもうれしそうです。
ステキなご家族ですね。
ほんとうに………。
ぼくは、思わずセブンの納車のときを 思い出していました。
あのときは、ぼくひとりで、セブンを受け取りました。
もちろん、けんじが車屋さんまで、送ってくれました。
でも、けんじは、その後…バイトがあって、最後までは、居られなかったから。
でも、けんじには、感謝ですよ。
ぼくは、こんな感じですから、両親とは、けっこう距離感がありました。
両親も、ぼくよりは、アエカを大切にしていましたからね。
まぁ……ぼくは、男の子ですから、そのあたりは、全然大丈夫です。
……でも、もしかしたら……
お父さんもお母さんも……
あのとき……
いっしょだったら………
こんな感じに、なったのかなぁ……?
………と。
ぼくの目の前で、こんなに仲良しの家族を見ていたら………
思わず………。
いけませんね。
今は………
里美さんを 祝福しましょう!
無事に納車が終わった里美さんの初ドライブを兼ねて、糸島半島をぐるっと、ドライブします。
シルビアには、賢一郎さんが同乗します。
香さんも、いっしょに乗ればいいのに……。
なぜか……
レクサスに、乗り込みました。
ぼくを気遣ってくれたのでしょうか?
それとも………?
………答えは………
「それとも」……の方でした。
娘にできた、初めての彼氏を 吟味するためですね。
まぁ……母親からすれば、当然のことでしょう。
もし……
アエカにも、彼氏ができたのなら……
同じ光景がみられるでしょうね!
こうじくん。
無事に、運転手役を務めましたね。
お疲れさまでした。
カヤちゃんのお父さんは、やっぱり車オタクだから、こうじくんを 比較的に友好的に……受け入れてくれているみたいですね。
あとは、女であるお母さんですね。
こうじくん………
がんばってね。
無事に、愛車となったシルビアちゃんと、初ドライブです。
そのワクワク感は、とってもわかりますよ!
さぁ、カヤちゃんも、いっぱい楽しんでね。
さて、次回は、こうじくんとお母さんのカラミですね~。
どうなりますかね?
では、お楽しみに。




