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天使が微笑む日  作者: ラビットアイ
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第60話 友(6)

 そして……

だんだんと、ふつうの生活に……


  なっていない……かな?


 でも、こうじは、好きなバイクと、好きな車に、どっぷりとハマっていった。

 ある意味、うらやましいところもある。

その代わり、女の子とは、いっさいの関わりを持たなく……

 ……いや、持てなくなってしまった、こうじ。


 でも、本人は、たのしそうに、ハマっている。

 俺は、ただ……

  こうじの友だちで、いるだけだ。

 なにがあっても、こうじの友だちなのだ!


 そんな高校時代を経て、俺たちは、大学生になった。


 高校時代のこうじは、女の子とは、まったく関わらなかったおかげで……

 女性に、そこまで、怯えることもなくなった。

 まぁ、それでも、女性恐怖症は、女性恐怖症なのだけど……。


 それでも、少しは、女性恐怖症が、治まってきた、こうじ。


 俺は、2月頃に、ミウと、知り合った。


 そして、ミウの友だちにも、そういう車オタクがいることを聞いた。


 絶好のチャンスだと、思ったよ。


 こうじは、黙っていれば、いい男なのだ。 

 女の子にも、モテても、おかしくないほどだ。

 男の俺が言うのだから、間違いナシ!


 ただ……

  あの事件以来……


 こうじは、学校で、オタクのフリをする。

 ……いや。ほんとうのオタクだけど……。


  ……いえば、

  ワザと、みんなに嫌われる……

 気持ち悪がれる……

   オタク気質を出す。


 俺たちと、話すときには、ふつうに、いい男なのだ。

 それは、こうじのオタク仲間同士でも、いっしょだった。


 だから……オタク同士……

  話しが合うのでは?

 ほんとうのこうじの姿で、対応できるのでは?

   ……と。


 作戦は、成功したようだ。


 晴れて、こうじと里美ちゃんは、カップルになったのだ。

 まさに「オタップル」の誕生!


   あのこうじが…………。


 一通り、話しを聞いたミウは、固まっている。

 こんなミウの表情も、初めて見た。

  

    かわいい!


 こんな貴重なものを………ありがとう!


 そして……こうじに、ありがとう!


  おまえのおかげだ。


 今度、学食で、カレーを奢ろう。



「ちょ……ちょっと、待って……

   けんじくん!

 それ………ほんと?」


「ウソついて、どうするよ。」


「………マジ?………」


「どうしたん?」


「………いや。

 わたしたちが中学のとき、先輩から聞いた話しがあるの。

 ……そのときは、都市伝説みたいなものだろうなぁ~~って、感じで……。」


「ほほぅ~~。」


 どんな風に、伝わっていたのか、興味があるな。


 ……ミウの話しに、よれば………


 ある男の子が、10対1の決闘で、勝利した話しだった。

 しかも、その男の子は、当時、小学6年生の12才。

 そんな男の子が、同級生10人を 病院送りした……と。

  しかも、素手で。

 そんな事件が、表沙汰にならなかったのは、その男の子が、ある大会社の社長の息子だから。

 その事件を もみ消すことくらい、簡単だ……と。

 そして、その男の子は、中学生になると、地元でも有名な暴れん坊になった。

 体格も、ものすごく大きくて、小学6年生にして、180センチある、クマみたいな男の子。

  性格は、凶暴そのもの。

 そのあと、その男の子が、地元のヤンキーのアタマになった……と。

 だから、樋井川地区のヤンキーは、ひとつにまとまった。

 だから……その男の子には、なにがあっても、手は、出しては、いけない!……と。

 そんな凶暴野獣が、わたしたちのひとつ上には、いる……って。


 そんなウワサが、まわってきたのだ。


(………ふむふむ。)

 

 だいぶ……わん曲しているけど……

  大方……予想通りだな。

 なんてったって、そのウワサは、俺が流したからな。


 そして……

そのヤンキー共を まとめたのは、俺だから……な。


 ……んで、こうじの仕業にしていた。


 だから、こうじは、裏の番長として、ヤンキー共に認知されている。


 ……まぁ、昔の話しだけど。


 ……で、ミウの地元は、笹丘らしいけど、そのあたりまで、ウワサが広がっていたとは………。


 やっぱり、ウワサって、コワイな。


  まぁ……結果オーライだろう。


 そっちの方は、もう大丈夫だ。

  なにも、心配していない。


 ……で、肝心なのは、里美ちゃんのことだ。


「もう2度と、女の子は、好きにならない!」

  ……と、言っていた、こうじ。


(………はぁ……よかったなぁ~。)


  俺は、心底安心した。

   ホッとした。


 里美ちゃんに、出会ってからのこうじは、おもしろいほどに、変わっていった。


  ………いや。違う……。


 変わった……じゃなく、昔を取り戻したのだ。

  あの頃の…………。



  ………ほんとうに、よかったな、こうじ。

 おまえが、ほんとうに、素直な気持ちで、微笑むことが、できるようになれば……


 俺は、ほんとうに、うれしい。


  俺は、おまえの笑った顔が好きだ。


 あの小学6年生のときに……

 ボロボロの顔だったけど……


  俺に……

「ありがとう。」

  ……と、笑った顔が……

 おまえの笑顔が、忘れられないよ。


 いつかまた……

  その笑顔を 俺に見せてくれ。



「………えっ?

  け……けんじくん?

    ………泣いてんの?」


「…………あっ?

 ………これは、うれし泣きだよ。

  ………ミウ。

 こうじのことは、絶対に、誰にも言うなよ。

 ………俺のこともね。

  ……んで、ふたりを あたたかく見守ろうじゃないの!」


「……そうだね。

  ………でも、けんじくん。

   道を踏み外さないでね♪」


「………ん?

  どういうこと?」



   追申……


「あっ?

 ともやは、ちょっと……天然だから、気をつけないと!」


「……わかった。

  レイナに、言っとく。」






 ほんとうに、こうじくんのことが好きなんだね~。

けんじくんは。


「ウワサ」の真相は……


中学生のあの事件のあと、けんじくんは、ヤンキーくんたちを従えるように、なりました。

それは、もちろん……こうじくんのためでした。

あんなイジメなどが起きないように……と。

もし……起こっても、自分が……盾になることを 決意していたんですね。

こうじくんは、暴力が嫌いな優しい男の子です。

そのあたりも、理解しているけんじくん。

でも、やっぱり、降りかかる火の粉は、払わないと、いけないのです。

傷ついたこうじくんに、そんなことをさせたくなかった、けんじくんの想い……ですね。

だから、けんじくんの「想い」に、

少し……心配な……

少し……嫉妬な……ミウちゃんです。


けんじくん……。

だから、ミウちゃんのためにも、道を踏み外さないように……ね。


では、次回から、新しい物語の始まりです。

お楽しみに。





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