第55話 友
「中山 けんじ 20才 ♂ 177センチ 70キロ 趣味 競艇、競馬。 特技 松中信彦選手のモノマネ。」
彼は、盛福浩司を知る 数少ない友達です。
小学生のときも、同じクラスだったけど、そんなには、仲良しだったわけでは、ありませんでした。
でも、卒業間近のある事件をきっかけに、彼……盛福浩司と、仲良くなったのです。
「天野 ミウ 19才 ♀ 169センチ ?キロ 趣味 ポチャッコのグッズ集め。 カヤっちの観察。 特技 ハッキング。 」
「ほんとに、大丈夫かなぁ~?
カヤっちは………?」
里美カヤの友達である天野ミウは、そう……ぼやく。
彼女は、里美カヤの親友で、中学から高校をともに、いっしょに過ごしてきた親友なのです。
彼女もまた、里美カヤを心配する人物。
「カヤっち」……天野ミウは、親愛を込めて、そう呼ぶ。
「……ん?
里美ちゃんが、どうしたの?」
けんじは、答える。
ミウの長い髪を 右手で撫でながら……
腕マクラに、彼女を包んだまま……。
このふたり、ゴールデンウィークから、恋人同士に、なっていたのです。
「いや……。
カヤっちは、いいんだけど………
あの人に……
預けて大丈夫かなぁ?……って。」
「ああ~。
こうじのこと?」
「うん。
……なんか、頼りなさそうだし……
まぁ、悪い人ではないようだけど……
聞けば、中学のときに、女子からイジメられてたんでしょ?」
「ああ………。
そのこと……ね。」
「女子にイジメられる男子って、聞いたことないわよ!
男だったら、ガツンって、やり返したらいいのに!
そんなに、弱いの?
……それとも、臆病?」
要は、親友のミウとしては、カヤっちの恋人になったこうじが、あまり信用できない!………という話しなのです。
(まぁ……仕方ないかなぁ~。)
けんじは、思う。
俺は、昔から、こうじを知っているから……
こうじが「ああなった」原因を知っているから……
許容できる話しだけど………。
やっぱり、ふつうは、そう……だよね。
まぁ……ミウちゃんは、里美ちゃんの親友だから………いいか?
「逆だよ。」
「………ん? 逆?」
「こうじ……
正義感が強くって、やさしくて……
ちょっと、オタク……いや、かなりのオタクやけど……
ケンカ……めちゃくちゃ強いよ。」
「………うそっ?
…………マジで?!」
ミウちゃんの驚いた顔……。
初めて見た!
驚いても………かわいい!
「大マジ!
……ミウ。絶対に、他言するなよ!」
「……うん。
しないよ。
言いふらす趣味は、ないわよ。」
「よしっ!
あいつな…………」
(許せ! こうじ。)
これは、おまえのためでもある!
けんじは、語りはじめる。
その事件のことを…………。
小学6年生……
12才のこうじは、クラスでも、割と陽気な方で、ふつうに、明るい男子だった。
かといって、目立ちたがり屋では、なかったみたいで、本人も普段は、物静かにしていた。
でも、頭は、いいし、運動神経もいい。
足も速かった。
小学生のころは、運動神経のいいやつが、女子にモテていた。
だから、少なくとも、女子人気は、それなりに高かったこうじなのだ。
まぁ……それは、置いておいて……。
控えめな性格だったこうじに、俺は、少し共感していた。
俺も当時は、物静かな方が落ち着く、少しマセた小学生だった。
でも、チャンスがなくって、こうじとは、親しい友達には、なれていなかった。
そのときの俺たちは、ただのクラスメイト。
ただの……ふつうの友達だった。
しかし………
俺は、秘かに、こうじのファンだった。
こうじも、どちらかというと、普段は、ひとりでいる「一匹オオカミ」的な雰囲気だったからだ。
そんなこうじと、俺は、仲良くなりたかった。
そんなときに、その事件は、起こった。
こうじには、ふたつ年下の妹がいた。
俺たちが6年生だったから、妹は、4年生だった。
妹の名前は、「アエカ」。
けっこうかわいい女の子だった。
キレイな黒髪の女の子。
「お兄ちゃん大好き!」……と、いった雰囲気の女の子。
その証拠に、アエカちゃんは、よく、こうじといっしょにいるところを 俺は、よく目撃した。
こうじも、アエカちゃんを とても大切にしているように見えた。
ほんとうに、仲が良い兄妹なので、俺は、憧れていた。
そのアエカちゃんが イジメられていたのだった。
アエカちゃんをイジメていたのは………
6年生男子を中心にした、12~3人の集団だった。
こうじも、薄々、アエカちゃんがイジメられていることを 察知したのだろう。
最近は、必ず登下校は、アエカちゃんといっしょのところを目撃した。
………でも、その日は、アエカちゃんがいなかった。
こうじは、アエカちゃんを 一生懸命探していた。
アエカちゃんを 必死になって、探していた。
それを見かけた俺は………
浅はかにも、「チャンス」……だと、考えて、いっしょに手伝った。
無理矢理、手伝った。
そんな、「ヨコシマ」な俺の気持ちでも、こうじは、素直に受け取ってくれた。
「ありがとう。山中くん。」
こうじは、精一杯の笑顔を見せてくれた。
こんな俺に、精一杯の笑顔を見せてくれたんだ!
俺は、必死に、アエカちゃんを探した。
こうじも、必死に、アエカちゃんを探した。
とうとう……アエカちゃんを見つけた。
しかし…………
最悪のタイミングだった。
………もう少し、早く見つけてあげれたら……
………もう少し………
ほんとうに………
もう少し………
すみません。
前の章……第数を間違っていましたね。
今、頑張って、訂正をしよう…と、しているのですけど……
どうやるの?
申し訳ありません。
もう少し、かかりそうです。
さて……けんじくんと、こうじくんのなれそめ?ですね。
ミウちゃんは、やっぱり、しっかり者だから、まだ、こうじくんのことが……
「頼りない!」
と、考えているようです。
これを、けんじくんは、なんとかしたい…と、考えて……のことです。
ミウちゃんとカヤちゃんは、親友だから、こうじの過去を話してもいい……と、けんじくんは、決断したのですね。
男の友情です。
それを理解したミウちゃんは、黙って聞こう……と。
では、次回も、お楽しみに。




