第52話 結(5)
後日談。
「もしかしたら、その女子生徒は、こうじさんのことが、好きだったのかもしれないですね?」
「………はい?」
里美さんの意見です。
(どういうことでしょうか?)
女の子にも、男の子のような……「好きな人に、イジワルをする。」……という、習性があるのでしょうか?
「もちろん、女の子にも、ありますよ。」
そう答える里美さんです。
(……なるほど~。)
女の子にも、あるんですね。
理解しました。
ぼくは、もうひとつ「大人」になりました。
……では、あの女子生徒は、ぼくのことが好きだったのでしょうか?
「ただ単に、キライだから、イジメる可能性もありますけど……。」
(………うっ。)
……いやいや。里美さん。
おそらくは、そっちの可能性が高いですよ。
あの「イジメ」は……好きだからイジワルをする……域を 完全に逸脱していましたよ。
………ぼくの「トラウマ」………
それは、中学2年生のことでした。
ぼくは、クラスメイトのひとりの女の子を好きになってしまいました。
女の子を好きになるなんて、初めての体験でした。
なにせ今まで、女の子は、少し苦手でしたから。
でも、まったく苦手……というわけは、ありませんでした。
ふつうに、お話しするくらいのことは、できていましたよ。
そうでもなければ、女の子を好きになりませんよね。
その女の子は、マジメで、絵を描くことが好きな女の子でした。
見た目は、おとなしい感じですけど、その絵を描く姿勢が……とてもかわいい……と、ぼくは、思っていました。
1学期には、いっしょにクラス委員をしていた女の子でした。
そういうこともあり、ぼくは、その女の子と、たくさん話す機会があったのです。
そして……だんだんと、その女の子のことが、気になり出して……
「好き」……という感情が生まれた、ぼくでした。
当時のぼくは、まだこんな風ではなく、ちょっと、お調子者の……
どちらかというと、「おバカ組」でした。
部活もがんばっていました。
バスケ部です。
これでも、レギュラーでした。
そして……ぼくは、決断の日を 迎えました。
中学2年の12月……
ぼくは、その女の子に、告白の手紙を渡すつもりでした。
こうじくんの恋話……いえ、トラウマですね。
中学生かぁ~。
まぁ、その頃って、いちばん不安定な頃だよね。
人として………。
そして…いちばん傷つきやすい頃かなぁ?
わたしもわかるよ。
では、次回は、後日談の後半です。
お楽しみに。




