第44話 契
あっ………と?
すっかり、忘れていました!
お茶が、大沸騰しています!
これが、油だったら、大惨事になっていたかも?……です。
ほんとに、火は、気をつけましょう。
……あっ?
もう一つ、大事なことが……。
「里美さん。
時間……ほんとに、大丈夫ですか?」
そうなのです。
こんなに、遅くなってしまったら、絶対に、ご両親は、心配しますよ。
「………あのぅ……
じつは……今日………
ミウと、遊ぶから……そのまま………
泊まる……って……。」
(な…な……な………なんですと~!!!)
泊まる……って、ぼくのところにですか???
「………ダメ………ですか?」
里美さんのとってもウルウルした瞳……
凶悪です!
……いえ。
かわいすぎですよ!
まぁ………
ぼくには、拒否権がないようです。
「…………わかりました。」
(はぁ……………。)
なんか、今日は、驚きの連続で、そこまで動じなくなってしまいました。
里美さんは、お泊まりすることを ご両親に、言っていた?
………ということは………
ぼくのところに来る覚悟を 決めていた?
……ある意味、すごい大胆な行動ですね。
意外な一面を持っている、里美さんです。
……まぁ、でもよく考えると……
それは……ぼくの責任であって………
里美さんに、そこまでさせてしまった……
ぼくの責任でしょう。
だから、その責任は、きっちりとらせてください。
でも……ウソは、ダメですよ。
……そのウソをつかせてしまったのは、ぼくですけど…………。
だから、こうしましょう。
「里美さん。
ご両親は、里美さんの交際に、反対なんですか?」
「………そうですね~。
どちらかというと、賛成してくれると思います。
問題は……
問題なのは……姉ですね。」
「お姉さん?」
「はい。
姉は……5つ上の姉なんですけど………
わたしをネコっかわいがり過ぎで……
過保護で……。
だから、先輩に……
絶対に、迷惑をかけると、思います。」
「な……なるほど………お姉さんですか?
ぼくのウチとは、反対ですね。」
「………反対?」
「はい。
ぼくには、ふたつ年下の妹がいるんですけど……
妹は、違う意味で、すごいんです。
ぼくを最低の人間だと、言っています。
……まぁ、否定は、できないんですけど……。
……で、里美さんがぼくと、付き合っていると、わかったら、絶対に里美さんを説得しに来ると、思います。
「お兄ちゃんとは、付き合わない方がいい!」
……って、絶対に、言ってきますよ!」
「あはははっ!
おもしろそうな妹さんですね~。」
「いえ。
おもしろくないと思います。
ぼくには、ほんとに、うるさくて……
ぼくがひとり暮らしを 始めても、
ここに、勝手にやって来て、部屋に居坐るし……掃除なんかも、勝手にするし……。」
「……えっ?
お掃除を……ですか?」
「はい。
その理由も、すごいんです。
「お兄ちゃんは、くさいから、他の部屋の人に、迷惑をかける!」
とか、言うんですよ。
マジ、ひどいです。」
「……えっ?
先輩って……くさいんですか?」
「………いえ、いえ。
たぶん、大丈夫と思いますよ。
ちゃんと、毎日、お風呂に入っていますから……。」
「ほんとですか~?
どれどれ~~?」
そう言って、里美さんは、またぼくに、抱きついて、「クンクン」と、ニオイを嗅いでいます。
まるで、我が家のネコちゃんと同じです。
かわいい!
「ふふふ。
これが、先輩のニオイかぁ~。」
「……えっ?
ぼく……くさいですか?」
「ふふふ。
いいニオイです。
わたしの大好きな人のニオイだもん!」
………ズギャンっ!
なんて……かわいいことを言ってくれるのでしょう!
この娘は…………。
「先輩。
……たぶん、妹さんは、違う意味でのヤキモチですよ。」
「ヤキモチ?」
「はい。ヤキモチです。
他の女の子に、大切なお兄ちゃんを取られるかも?……って。
だから、色々と、理由をつけて、この部屋に、来ているんですよ。
………わたしが取っちゃったけど。」
「そ……それは…………。」
ちょっと、テレくさいですね。
………あっ?
「テレ」は、くさくないですよ!
こうじくん。
いい傾向ですよ。
なかなか男前ですね。
………しかし、カヤちゃんは……。
女の子は、いざとなると、最強ですからね。
意外な一面が、わかって、よかったね。
さて、次回は……
まだ少し、ドタバタと……。
お楽しみに。




