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天使が微笑む日  作者: ラビットアイ
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第21話 痛

 バイトを始めて、2週間が過ぎました。

おかげさまで、ぼくの生活も安定して、余裕ができました。

 すっかり、仕事にも、慣れました。

ちょっぴり、授業中に居眠りをすることもあるけれど、順調な毎日です。


 やっぱり、生活の安定って、必要ですね。

 まぁ…ビンボーは、ビンボーだけど……

極貧……というものは、脱出できました。

 ごはんも、毎日食べることが、できるようになりました。

空腹で、夜中に目が覚めることも、なくなりました。

 ……もっとも、夜中は…働いていますけどね。


 なので…ぼくは、心にも余裕が生まれたような気がします。


 実物の里美さんを 見ることがなくても……ぼくは、幸せなのです。

 妄想の中で……彼女には、会えますから。


 …………重症です。

  ほんとうに、救いようがありません。


 そして……現実世界のぼくは………

  ぼくは…………

相変わらずの学校生活だったりします。


 やはり、この腐った性格は、なかなかに厄介です。

 あたりまえですが、2週間くらいでは、これっぽっちも、改善できませんでした。

 ……いえ、さらに悪化していると、言っていいでしょう!


 なぜなら……ぼくは、いまだに、コソコソと、里美さんに会わないように、しているからです。

 もう……重症どころではないですね。

  末期症状です。

 手のほどこしようがありません。

  ……いや。

 手のほどこし方が、わかりません。


それは、そうでしょう。

 なんてったって、ぼくが人を好きになったのは、この20年間で、2人目なのですから………。

 圧倒的に、経験がないのです。

とくに、1度目で、粉々に砕けちり……

 再生不可能なほどに、砕けちり……

  思いっきり挫折したぼくです。

 どのようにしていいのか、まったく見当がつきません。

  ………だから、中学生の頃のように、コソコソと、好きな娘から、逃げているのです。


 これだったら、小学生の方が、まだマシでしょう。

 ……小学生の頃だったら…

「好きな娘にイタズラをする!」

 ……みたいですよね?

好きな娘に、かまって欲しくて……

好きな娘に、振り向いて欲しくて……

  イタズラをする。


 冷静に考えると、小学生って、すごいです。

こんな幼稚で稚拙な手段でも、イタズラできるくらいには、その娘とは、接点があるのですから。

 まだ……救いがあると、思います。


 ぼくと里美さんとは、接点どころか、交差もしません。

 大学でも、すれ違うことすら、ないのです。

  せめて……すれ違うときに……

「こんにちは。」

 ………そのひと言が言えたなら…………。


 まぁ、それができたら、こんなに苦労は、しませんけど……ね。


 いっそ……小学生を見習って、里美さんにイタズラをしてみますか?


  ………イタズラと言えば?

「スカートめくり」……ですか?


 里美さんの……あのかわいい、ひらひらのスカートを……めくってみますか?


 ……………いやいや。

そんなことをしたら、それこそ絶交ですよ!

 ……いや、絶交で終わらないですよ。

 完全な犯罪ですよ!

  逮捕ですよ!

   退学ですよ!


 それに……そんな奇抜なことが、許されるのは、イケメンくんだけでしょう。

「今日は、何色のナニ?」

……みたいに、ボケを炸裂させるセンスもありません。

 それに……ぼくみたいなオタクには、許容されることなんて、なにひとつもありません。

 それが……「世間」……というものです。


 ……おっと?

  いけない方へと、妄想が暴走してしまいました。

   反省します。


 やはり、ぼくは……オタクらしく……

ただ……遠くから、見るだけです。

  それが…いちばんです。

 見るだけだったら、誰にも迷惑は、かけません。

  …………いえ。

 今の時代……見るだけでも、犯罪になるそうです。

  気をつけましょう。


 ジッと見つめることは、法律的に、できませんけど、一瞬ならば、問題ないでしょう。

 ……ならば、あのかわいい姿を 一瞬で、まぶたに、焼き付けましょう!

 さいわいにも、ぼくは、動体視力に自信がありますから。

 それに……一瞬でも、あのかわいい里美さんの姿が、見られるのです。

  それだけで、満足なのです。


 ………今では、それも案外…悪くないのかもしれない………

 と、思いようになりましたから。



  ………まるで、ストーカーですね。

   

 ほんとうに、救いようがありません。

  ……ほんと、末期症状ですね。

 ……いや、もう………御臨終ですね。


 ほんとうのほんとうに、救いようがありません。


 ちなみに、あのバーベキューの日から、3週間が経ちます。

里美さんからすれば、ぼくのことなんて、記憶にないでしょう。

顔だって、覚えているはずがありません。

 それこそ、もし……

「こんにちは。」

 ……なんて、言ったら………

  きっと……

「あなた誰???」

   ………でしょうね。


 やはり、忘れてもらった方が、里美さんのためかもしれません。


 ………そういえば……

 もう…免許は、取れたのでしょうか?

   あの……約束………


 ……いえ。

  約束じゃないですね。

    社交辞令です。

 ぼくが勝手に、言ったことですから……。


 それよりも、来週からは、ゴールデンウィークです。

学校は、休みになります。

 里美さんの姿も、見れません。

  ……さみしいです。


 でも、ぼくは、ツラくないフリをします。

   「フリ」は、得意ですから。

 それに、休み中は、ほぼ毎日バイトです。

 ふつうは、ローテーション制なので、週に、3~4日勤務なのですが、やはりゴールデンウィークです。

 休みたい人が多いから、その分ぼくは、シフトに入れます。

 ある意味……ラッキーです。

このゴールデンウィークだけで、7~8万円くらい、稼げるのです。


  がんばりますよ!

   ふふふ。


 里美さんを見れなくて、さみしいけど……ぼく的には、少しニヤけてしまいます。

 セブンのタイヤ交換も終わり、オイル交換も終わりました。

次は、ブレーキパッドの交換をしたいです。

 だいぶ減ってきていますからね。


 峠を攻めるには、タイヤと同じように、ブレーキも大切なのです。


 ふふふ……。


 これも、労働のおかげですね。

  ほんとうに、感謝します。


 お金に、余裕ができたら、新しいガンプラ買えるかな?

 オタク度に、拍車がかかりそうですね。


 そんなことを妄想していたら、やっぱり楽しくなってきました。

 ぼくは、根っからのオタクなのでしょうね?


  …………でも、やっぱり………

   胸の奥に………

    チクチクと………

     刺さるモノが………








 


 






 

 まだまだ……ですね?

仕方がありません。


 ただ……

スカートめくりは、ダメですよ!

大人として…絶対にダメです。

 たとえ…イケメンくんでも……

いや……。

 イケメンくんなら、いいのかな……?


 まぁ、そのことは、どうでもいいですよ!


 さて、こうじくん。新しいガンプラもいいけど……あなたがした約束は、ちゃんと守らないといけませんよ!

 たとえ、向こうに断られても、約束は果たしましょう。

 それが、人としての成長になりますよ。

…おっと?

 すみません。


では、次回は…そんなこうじくんの前に、試練が起きます。

 がんばって、砕けちりなさい!

お楽しみに。




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