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天使が微笑む日  作者: ラビットアイ
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第19話 脱

 ぼくは、そんなことを ウジウジと……続けながら……妄想しながら……

アパートに帰ると、ドアのポストに、手紙がありました。


 (…………もしかして……?)


 思わず、ドキドキしてしまいました。


  こんなぼくに……手紙?

   一体……誰が??

    もしかして……???


 そんなこと……あるわけないじゃないですか!

 里美さんは、ぼくのウチを 知らないんだから……。

 それに……里美さんが、ぼくに手紙を送る理由がありません。


 それなのに……

ぼくは、ひとり勝手に、妄想してしまいました。

 ほんとうに、自分よがりの……自分だけに都合がいい……身勝手な妄想を………。


 そうです。

  ……もう、重症です!

   手遅れです!


 ぼくは、里美さんが……「好き」みたいです。

  もう……どうしようもないほどに………。


 ですが……ぼくのちっぽけな…腐ったプライドのおかげで、お話しすることさえも、できません。

 あいさつすることも、できません。


 ただのお友達でも、いいじゃないですか?

 いっしょに……そばに…いられるならば……


 (………ん?)

 ちょっと、待ってください?


   よく考えると……

 ぼくは、里美さんのお友達でしょうか?


あの日、あのとき……たった1日だけ……

 たった……数十分だけ、お話ししただけです。


  ………お友達では、ないですね………。


 ぼくの……自分勝手な妄想の中だけの…友達です。

 現実世界では、あれから…ひと言も話していません……。


 けんじたちみたいに、そのあとも、お話ししていたら、お友達になれているでしょう。

 でも…ぼくは、それをしていません。

  お話しする努力さえしなくて……

   ただ……逃げまわって、いました。


 ほんと……自分がイヤになります。


 でも……その反面……安心もしました。


「ぼくは、里美さんのお友達ではない!」

 なんの関係もない………

  なんの関係もない……

   ただの同じ大学の学生……なのです。


 そう考えると、キッパリと…踏ん切りがつきます。

  そうなんです!

 ぼくは、車オタクです!

里美さんの そばにいられなくても大丈夫です。

 妄想の中では……いつでも、会えますから……。


 それは…ぼくには、セブンくんがいます。

  大切なセブン。

   大好きなセブン。

    ぼくの血と汗の結晶のセブン。


 セブンに乗れば……なにもツラくありません。

   そう………なにも……………。


 ただ……胸の中が………

  チクチクと………

   モヤモヤと………


  不完全燃焼をおこしているみたいです。


   おかしいです……。


 キャブを 完全オーバーホールしたのに……。

  ……いえ。

 もしかして……点火系かもしれません?


 ……CDIの不調?


  …いえ。

 それはないでしょう。

CDIだったら、エンジンさえ、かからないでしょう。

 おそらくは、プラグでしょうか?


 ……って、セブンくんの不調では、ないですよ!

 セブンくんは、いたって絶好調です!


 原因は……ぼくの………

  ぼく自身の……


 いえ………身体では、ありません。

   心の不調です………。


 一体……どうしたら、いいでしょうか?




 ところで……手紙は、誰からでしょうか?


 すっかり、トリップしていました。

  すみません。

   反省します。


 ……早川さんからでした。


 早川さんは、板金塗装工場をしていて、

ぼくたちビンボー走り屋の味方を してくれる先輩です。

 ぼくが、バイクをはじめたときからのお付き合いです。


 その早川さんから……

  なんだろう……?


 手紙の内容は、アルバイトの紹介でした。


 「ありがとうございます!」


 速攻で、早川さんの工場まで、セブンくんでダッシュです!


 









 


 まぁ…とりあえずよかったね~。


でも、こうじくん。

 ウジウジ考えすぎ!

前向きに行きましょう!

  春だし!


さて、次回は……

こうじくんのアルバイトも、無事に決まりそうですね。

 生活に余裕ができると、少しは……

まぁ……やっぱり、オタクですけど……。

お楽しみに。

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