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天使が微笑む日  作者: ラビットアイ
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第15話 近(4)

 すっかり、ぼくは、饒舌になっています。

調子に、乗りまくっています。


「ふふ。じゃあ、里美さん。 免許が取れたら、シルビアに乗るんですか?」


「はい。がんばって5速ミッションのいい中古を見つけたいと思います。」


 な…なんと? 

  ミッションですか?

この子…すごいかも……。


「ふふふ。みつかるといいですね。ぼくにできることがあれば、言ってください。車関係の知り合いは、けっこういますから。 …あっ? そういえば…ウチの大学って…たしか…車好きの愛好会がありましたよ。」


「えっ? そうなんですか?

…先輩も、その愛好会に……?」


「いえいえ。残念ですけど…ぼくは…悪趣味の方でして……。」


「……悪趣味??」


「はは…。まぁ、ぼくの古いセブンじゃあ……あっ?」

 けんじの姿が見えました。

みんな、戻ってきたようですね。

バーベキューのセッティングも、ばっちりです。


「みんな戻ってきましたね。じゃあ、バーベキューをはじめましょう。」


「……そうですね。」



 里美さんとの…ちょっとマニアックな…

ちょっと楽しい会話は、終了です。

短い時間でしたけど、とっても楽しかったですよ。

 ありがとうございました。





 夢のような時間は、終わりです。

そして…夢とは、見るものです。

そして…夢とは、覚めるものなのです。


 これ以上は…………。


 この人と、これ以上話すと、止められなくなってしまいそうな……

そんな予感が……いえ、確信があります。

 今なら、まだ大丈夫です。


 ただの合コンした…

 ただの車好きの話しをした……

 ただの女子大生……で、終えることができます。


 向こうにしても、「ただの合コンした先輩」…で、終わりでしょう。

 もし万が一……

もしかして、万が一にも、大学で偶然会ったときには…

  「こんにちは。」

くらいは、言いたいですね。


 そのくらいの関係で、いいんです…。

 そのくらいの関係が、いいんです……。

 そのくらいの…………。


だって…ぼくには……

 まだまだ、ムリそうなので………。


 でも、この胸のドキドキと……

 ちょっと…息苦しい呼吸は、一体どうしたのでしょう?


 ぼくの体構成は、どうしたのでしょうか?


 胸のドキドキ……

いえば、オーバーレブです。

  異常回転です!

 ノッキング気味で、ブローしそうです。


 異常回転のおかげで、体温まで、上昇しています。

  クールダウンできません!


 ラジエターもオイルクーラーも、おいついていません。


 …だから、体液の冷却ができずに、体温が上昇しているのでしょう。

アタマが、「ぼぅ~」っと、熱っぽいです。

  ほんとに、あぶないです!


 呼吸の苦しさ……

エアーが、足りない状況でしょうか?

エアーフィルターが、詰まっているのでしょうか?

  よくわかりません…。


 セブンには、エアクリーナーは、ついていません。

ファンネル仕様ですから、詰まりは、起きません。

 その代わり、キャブの掃除は、こまめにしないと、いけませんけど…。


 一方、天然素材であるぼくの呼吸気系に、トラブルは、ないようです。

ぼくは、まだ…花粉症は、発症していません。

鼻腔内に、なんの障害もありません。

  「スゥスゥ~」です。

 ノドも大丈夫みたいです。


 では、どうしてこんなに、体調整ができないのでしょう?


 この動悸……息切れ………

この感じは……

  過去に、体験した記憶があります。

 そのときの症状に、酷似しているような……。


   まさか……また恋?


 いやいや。

恋なんて……あの中学のときに、コリたはずです。

 もう…切り捨てた感情なのです!

 もう…完全に捨て去った感情なのです!


あんな思いは……もう、2度とイヤです!

   ツラいです!


 だから…この感情には、退場してもらいましょう。

 ストップを入れましょう!

  フルブレーキです!


 ロック寸前まで、ブレーキペダルを踏み込み……

 ヒール アンド トゥー で、1速まで、シフトダウンしましょう!


  ほら、止まりました。



  ………………………いえ。

 止まれて、いないようです…。

 オーバーランしています………。


 ぼくのこんな感情は……

  ぼくのこんな感情は………


 里美さんに、迷惑をかけるだけです。


あのときのように……。


 ぼくの身勝手な感情で、里美さんを傷付けるわけには、いきません。

 里美さんを 不快にさせるわけには、いきません。

  ぼくは、大人なのですから…。


  ああ~モヤモヤします!


 帰ったら、キャブの掃除をしましょう。

プラグも、磨きましょう。


 それで、スッキリするはずです。


 ああ~タイヤを新品に、換えたいです。

オイル交換もしたいです。

できれば、デフオイルも、交換したいですね。


  ああ……お金がありません。


 バイトを 探しましょう……。









 

 


 





 いけません!

せっかく、お話しできたのに…。

 

 やっぱり、ひとりになると、マイナス思考になってしまいます。

 ほんとに、救いようがありません。


 でも、大人なんでしょう!

しっかり、しなさい!


 ヘンなところだけ、大人のフリをしては、ダメですよ!


 よしっ!

明日の学校で、元気にあいさつしましょうね!


 では、次回は、そんなこんなで、学校生活が始まります。

お楽しみに。

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