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天使が微笑む日  作者: ラビットアイ
109/117

第109話 決


「なぁ、こうじ。

 ……俺も車が欲しくなったよ。

 どんなのがいいかなぁ?」


けんじが、なんともうれしいことを言ってきました。

 今日は、久しぶりに、ふたりで飲んでます。

 もちろん、我らが「あじまさ」さんで。


「えっ?

  けんじが車を?」


「うん。

 ミウちゃんと、ドライブしたいかなぁ~って。」


「うんうん。

 ……で、どんな感じの車を探してんの?」


「そうやね……

 やっぱり、かっこいい方がいいな~。」


「スポーツ系?」


「そうやね~。

  あっ?

 でも、おまえのセブンみたいに、改造系じゃなくっていいぞ。

 ふつーでいい。

  ふつーで。」


「え~~っ!

 おもしろいのに……。」


「でも、セブンみたいに、ライトがパカパカするのは、好きだなぁ~。」


「あっ!

  やっぱり!

 さすがけんじ~。

  わかっているねぇ~。」


 ニヤリとするぼくです。


「まかせろ!

 あれは、やっぱり、男のロマンだな!」


「うんうん。

 ぼくたちは、スーパーカー世代だもんね。」


「カウンタックLP500!」


 すかさず、けんじがノッてきます。


「ランボルギーニ・ミウラ!」


 ぼくも、すかさず返します。


「ミウラか~。

 そういえば、イオタって、あったな?ミウラとイオタって、どこが違うと?」


「イオタって、ミウラのレース仕様だよ。」


「さすが、こうじ!

 じゃあ、次は、フェラーリだ。」


「フェラーリ・GTO!」


「GTO?

 やっぱり、車オタクやね~おまえは。ふつうは、フェラーリといえば、テスタロッサやろ?」


「そうやね。

 テスタロッサもいいけど、ぼくたちオタクは、512BB……ベルリネッタ・ボクサーだね。」


「おお~!

  わかる!

 BBは、かっこいいよなぁ~。」


「あははっ。

 わかるけんじも、十分オタクだよ。」


「おまえのオタ話しのせいだろ!

  F-40!」


「おっ? いいね!

 ぼくは、F-50も好きだよ。」


「いいね~。

 やっぱり、フェラーリは、速くなくっちゃ!

 今だと、FXXが、最近の俺オシかな。」


「FXXは、ほんとに速そうだよね。」


「めっちゃ速い!

 いつも、動画で見ているからな。」


「あははっ。

 さすがけんじ。

 でも、エンツォじゃあなくって、FXXというところも、けんじらしいよ。」


「ほめてんの?」


「もち!

  ……マイナー系だけど。

   ……じゃあ、次は、マイナー系で。

 デ・トマソ・パンテーラ!」


「そうきたか~。

 ならば……ランチャ・ストラトス!」


「ストラトスは、メジャーだよ。」


「おっ?

   そうか?

 じゃあ、とっておきのやつで……

 童夢零ドームゼロ!」


「うわっ!

  ドームゼロかぁ~!

   やられた!」


「ふっ。

  俺の勝ちやね!」


「あははっ!」


 ぼくたちは、こんなことで盛り上がります。

 けんじは、こうやって、ぼくのオタク話しに、合わせてくれます。

 けんじと、仲良しなことに、ほんとうに感謝します。

 ありがとう、けんじ。


「……で、なんか候補ある?」


 あらためて、けんじが聞いてきました。


「その前に、予算は?」


「う~んとな……100くらい。」


「現金?」


「もち!」


「がんばったねぇ~けんじ。」


「ああ~。

 でも、あるイミ、おまえのおかげかなぁ~。」


「ぼくの?」


「おう。

 おまえをみて、絶対に、ビンボー学生には、ならんように、がんばった!」


「うげっ!

  ひどかねぇ~!」


「事実やろ!

 おまえは、セブンに、お金かけすぎ!」


「……まぁ、少しは、自覚している……。でも、セブンは、だいぶ終わったよ。あとは、ボンネットと足回りのメンテナンス系かな?」


「ボンネット?」


「うん。

 セブン(SA-22C)のボンネットは、鉄だから、FRP製の軽いやつにしたいんだ。」


「軽量化か?」


「そう。軽量化。

 ボンネットで、10キロくらいあるからね。」


「ふぅ~ん。

 あとは、足回りのメンテナンス系って、なんすると?」


「うん。

 足回りのブッシュ関係。

 ピロボール化したいって、思ってんの。」


「ふぅ~ん。

 ……で、どのくらいかかりそう?」


「フロント片方で、10くらい。

 リアも入れると、30くらいかなぁ~?

 あと、ボンネットが5くらい。」


「じゃあ、全部で35くらいかぁ~。

ほんとに好きやね~おまえ。」


「もち!

  これだけだから。」


「これだけ……って、

  ……おまえ今、里美ちゃんのこと、忘れてただろ?」


「……えっ?

 そんなことないよ~。

 里美さんのことは、ちゃんと考えているよ~。

 ただ、セブンとは、別々。」


「ふぅ~ん。

  まぁ、それならいいけど。」


「ぼくも、大人になったでしょ?」


「はぁ~?

 自分でオトナって、言ってるうちは、子どもだぞ!」


「……えっ?

  ……なんか……

 アエカにも、同じこと言われた………」


「あははっ!

  アエカちゃんに!

 そりゃまた、おめでとう!」


「おめでたくないよ!

 ……まったく、みんなで、子ども扱いして!」


「あははっ。

 まぁ、気にすんな。

 それも、おまえのいいところだよ。」


「……それ、ほめてんの?」


「もち!」


 さっきの真逆になりました。



 ……ほんとうに、けんじとは、友だちだと、実感します。

 こんな他愛ないことも、笑って話せるから。

 ほんと、ありがとう~けんじ。

   何度も言うけど。



「……そういえば、アエカちゃんもいっしょに、ハーモニーランドへ行ったんやろ?」


「うん。

 けっこう、楽しかったよ~。

 アエカがいてくれて、めちゃ助かった。」


「助かった?」


「そう、助かったよ。

 なんてったって、ハーモニーランドって、サンリオファンの聖地だよ。

 ぼくだけじゃあ、絶対に撃沈していたね!」


「そんなに?」


「そんなに!」


 ぼくは、あの聖地のことを けんじに、こと細かく教えました。

 教えまくりました。


「……そうか~。」


「あっ?

   もしかして……

 けんじたちも行く気?」


「行く気……。

 ミウちゃんも、行ってみたいって。」


「あははっ。

   いいよいいよ。

 ミウさんも、サンリオファンだったね~。」


「ポチャッコの……」


 ぼくは、なんだか、楽しかったです。まさか、けんじもあの聖地に足を踏み込むとは……。


  ふふふ。

   大歓迎ですよ。


「……あっ?

   それで、車を?」


「いや。

 それは、あまり関係ないよ。

 ハーモニーランドには、親に借りていくつもり。」


「ふぅ~ん。

 じゃあ、急ぎじゃないんだね?」


「ああ~。

   急がん。

 だから、おまえにも、意見を聞きたくて……。」



 (ふぅ~ん。)


  まぁ……

 ぼくの中では、ある程度の候補が、すでにあります。

 その中でも………



「ねぇ、けんじ。

 ロードスターなんてどう?」


「ロードスター?

  ……ああ……

    ユーノスね。」


「うん。

 ユーノス・ロードスター。

 ロードスターは、また、新型が出たから、初期型は、だいぶ安くなったよ。

 あと、リトラクターだし。」


「ふぅ~ん。

  ロードスターかぁ~。

 ……いいかもな?」


  ふふふ。


   いい反応ですね~けんじ。


 ぼくの世界へようこそ。



 ……まぁ、冗談は、おいておいて、

実際に、ロードスターは、いい車だと思います。

 オープン2シーターは、彼女とのドライブには、絶好でしょう。

 イジると、たのしい車だし……ね。


 もう……

   すでに、イジることが、前提になっていますけど……。



 「ユーノス・ロードスター」

 スペック的には、こんなんです。


――― エンジンは、B6型の1600ccのDOHC。

 カタログデータでは、120psほど。

後期型は、1800ccの130psです。

 けんじの予算だと、初期型が有力でしょう。

 NA6CE(初期型)は、ボディーが軽いから(ちなみに、960キロです)、

1600ccでも、十分です。

 軽量ゆえの軽快なハンドリングがウリです。

 ワインディングでも、たのしいでしょうね。

 天気がいい日には、オープンにすると、気持ちよさそうです。

 ちょっと、うらやましいかな。


 そして、ちゃんとFRだから、ドライブがたのしいでしょう。

(FRとは、後輪駆動方式のことです。フロントエンジン・リアドライブの略です。)

 あとは、なんといっても、ぼくと同じマツダだから!

 マツダ大好き!!



「じゃあ、けんじ。

 はっきり決まったら、教えてよ。

 車関係は、まかせてね。

 いいやつ探してもらうから。」


「おう。ありがとうな。

  じゃあ、たのむよ……

 ロードスター。」


「……えっ?

   ……いいと?」


「おう!

  男に二言は、ない!」


「うん。わかった。

 じゃあ、速攻で聞いておくよ。」


「まかせるよ。

  じゃあ、今日は、帰るよ。」


「うん。

  気をつけて~。

   またね~。」


 今日は、お開きです。


   さて……


 さっそく、早川さんに、おねがいして、いいロードスターを探してもらいましょう!







 ……おやおや。

けんじくんも、沼にはまるみたいですね~。

 うっしっし。

 こうじくんも、待ちくたびれたでしょう。

 ロードスターか~?

いい車ですよね。

 乗りやすいし、かわいいし!

マツダだし!

 早く見つかると、いいね。


 それにしても、キミたちは……

やっぱり、オタクだよ。

スーパーカー世代だから、盛り上がる話しだね。

かく言う、わたしも、スーパーカーが大好きです!

ちなみに、ロータス・エリーゼが大好きですよ。

それと、なんていっても……

「ヴェノムGT」!

凶悪なほどの速さがかっこいい!


 ……おっと?

    失礼しました。


 けんじくんが最後に言った、「ドームゼロ」。

日本のスーパーカーですね。

ほんとうに、夢がつまっていました。

今も、現存しているのかなぁ~?


  ……と、


 オタク話しは、このくらいにして……


 さて、次回は、けんじくんのつぶやきです。

彼も、いろいろと、語りたいみたいですよ~。

お楽しみに。







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