第100話 攻(13)
後日談その2。
「くそぅ~! 盛福だと!
ヤツが里美ちゃんの彼氏?
俺は、認めんぞ!
絶対に里美ちゃんは、俺のモノにしてやる!」
俺は、「竹田トシヤ」。
大学3年生だ。
身長175センチの細マッチョ(自称)のさわやか大学生だ。
しかも、自動車愛好会の副部長をしている。
そして……
俺は、大学でも5本指に入るカッコイイ男だ!
……と、自負する。
実際、たいていの女の子たちは、俺に好意を向けてくれる。
コンパの成功率は、8割以上だ!
しかし……
今回は、失敗した。
里美カヤ。
彼女のことは、入学当初から目をつけていた。
小柄で初々しい女の子。
しかも、けっこうファッションセンスが独特な女の子。
でも、全身からの雰囲気は……
「かわいい!」
のひと言に尽きる。
彼女を見た瞬間に思った。
「こんなにかわいい彼女をモノにしたい!」
「恋人にしたい!」
「そして……俺色に染めたい!」
……と。
しかも、彼女の友達ふたりも美人だ!
あのふたりも……
あわよくば………。
ムフフ。
そのためにも、なにが何でも、里美カヤを手に入れたい!
絶対に欲しい!
それが……
ここ最近の俺の思考を占領している。
……だが、誤算が発生した。
彼氏がいた。
恋人がいた!
あんなに初々しい女の子なのに!
絶対にフリーだと、思っていたのに……。
どうりで最近……
色っぽくなってきたのか!
……まぁ、それはそれで、そそられるけど……。
……いやいや。
よくない!
俺が初めての男になりたかったのに!
……いやいや。
ちょっと待て!
あの娘は、まだ乙女かもしれない。
だって、彼氏があの男だからだ!
そうだ!
そうに違いない!
エライぞ! 盛福!
俺のために、とっていてくれて!
……いやいや。
ほめてどうする?
早くしないと、ヤツに「初めて」を奪われるかもしれない。
……いやいや。
その心配は、不要だな。
それは……
ヤツが最悪だからだ!
最低だからだ!
……よしよし。
いい意味で考えると、よかったかもしれない。
ヤツが里美ちゃんをどうこうできるはずがない!
あんな男よりも、俺の方が女の子を満足させることができるはずだ!
しかも、俺の方がカッコイイからだ!
……よしよし。
あの男から、里美カヤを奪いとるぞ!
俺なら、できる!
俺しか、できない!
……ふぅ~。
ひと息つこう。
――盛福……
ヤツのことは、知っている。
大学でも有名なヤツだ。
クソ隠キャでな!
女子大生の大半は、ヤツを嫌っている。
ヤツをゴキブリ扱いしている。
ヤツみたいな男なんかに、俺が負けるはずがない!
……なんで彼女は、あんな男と付き合っているんだろう?
謎だ!
………はっ?……
里美ちゃんは、新入生だからヤツことをよく知らないんだ!
だから、ヤツにだまされているんだ!もしくは、おどされているんだ!
そうに違いない!
クソ隠キャがしそうなことだ!
俺が助けてあげないと!
そうだ!
ふふふ……。
いいことを思いついた。
……この前の女たちを使って………。
見ていろよ~~盛福!
里美ちゃんを絶対に助け出してやるぞ!
新歓コンパの次の日の竹田トシヤだった。
……なに?この人?
思い込みの激しい人ですね~。
だから、カヤちゃんから敬遠されるんですよ~。
人の話しは、よく聞こうね。
まぁ、こういう人がそうそういるわけないんですけど……。
ただ……
男だったら、正々堂々と当たりなさい!
姑息な手は、使ったらダメですよ~。
女の子は、そういうことがキライですからね。
こうじくん……
気をつけてね~。
では、次回こそ、けんじくんとミウちゃんの後日談です。
スミマセン。
お楽しみに。




