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「とは言っても、彼女は神の領域に片足を突っ込んでいる状態。私が食べきるには、ちょっと容量がキツキツです。」
「つまり“本体”を呼び出そうと言うわけだ。」
本体。
カズラさんと最初に出会った日、クロは彼女を「分霊」と言っていた。その話に出た「旧くとも支配者」とやらに、龍泉院満花を食べさせるのか。
「…………それ、俺は見ないほうがいいやつか?」
「話が早いですね。まぁ、うっかり見ちゃっても比較的大丈夫な部類ですが……念のため。クロノさんがシュウさんの目を“塞いで”ください。私の本体は“食いで”のある餌に興味を持ちますので、直視さえしなければ何の影響もないと思います。」
俺の言葉に、カズラさんは頷きながらクロと手順を確認し始める。一通りこれからの行動を共有した後、彼女は「ふぅ」と息をついた。
「結局、食べて終わらせることには変わりませんが…………最悪の事態は、避けられて良かった。」
確かに“山ごと食う”に比べたら、原因だけ取り除けることは平和的だ。しかし同時に、一人の哀れな少女を殺すことになる。無関係の人を呪い殺した罪はあれど、龍泉院満花が悪人だったワケじゃない。コトの発端はずっと昔からあって、彼女一人の罪ではない。それを考えると、あまり喜ばしいとは思えなかった。カズラさんも同じ気持ちのようで、拳を握りしめ俯いている。だが知識豊富なクロが何も言わないので、他に方法が無いことも理解できてしまう。
「行きましょう。龍泉院満花を食べることが、彼女を苦しみから解放すると信じて。」
自分自身に言い聞かせるようにしながら、カズラさんが一歩を踏み出した。
*
注連縄を乗り越えたところで、カズラさんは泉に向かって走り出す。
「お二人は、後ろで待っていてください!」
先程と同じく、泉の中心に立つ少女が拒絶する。しかしカズラさんを撥ね退ける筈だった“衝撃”は、黒い泥の如き使い魔たちに阻まれる。拒絶の声を無視して、いとも簡単に彼女は湖の手前へたどりつく。
そこで、俺の視界は閉ざされた。
「うがあ、くとぅん、ゆふ────」
「────、や、■■■■■■」
「来たれり。敬愛する主■■■■■■よ、夜の父よ。」
「光あれ、太古の者よ、外なる者の最初に生まれし者よ。」
「はいる、汝、星が大いなる■■■■■を生み出す前の記憶の果ての太古からありしものよ。」
「菌にまみれし■■の偉大な旧き這う者よ。」
「いあ、いあ、ぐのす、ゆたっが、は。」
「いあ、いあ、つぁとぅぐあ!!」
カズラさんが“なにか”に呼びかける声だけが、耳に入ってくる。目で見ていないのに“なにか”が這い上がってくるのが、わかってしまう。地の底から、大きな何かが顔を出した気配。せり上がる膨大な“なにか”が、大口を開けて現れたという確信。
「いただきます。」
行儀の良い挨拶とともに、邪神は龍を飲み込んだ。