【プロローグ】
神様より敬うべき君の本音は何――?
俺には失声症のクラスメイトがいる。
最初は気を使っていた奴らも、今やただのクラスの陰キャとして扱っている。
然し俺は日々どうにかならないものかと考えている。何故なら、彼は何か伝えたい事があるような行動をしているからだ。
だから俺は、
「バンドに入らないか?」
放課後、夕日が煌びやかに差し込む教室で俺は彼にそう声をかけた。
――俺はまだ彼が何者かを知らずに……
《設定》
〇旭 悠衣
・軽音部でバンドを組んでいる。担当はベース&ボーカル
・幼い頃に母とは死別し、父は五年ほど前に再婚して、仲良く幸せに暮らしている。
・義母はとわの実の母である。
〇藤野 とわ(とうの とわ)
・昔、河川敷でプロデビューしたギタリストに教わったこともあり、ギターがとても上手い。
・両親は離婚(九年前)。親権は父が持っている。それぞれ別の家庭を持っている。
・離婚の原因を作ったこともあり、心因性失声症にかかってしまう。
〇旭 久美
・とわの実の母で、現在は再婚し、悠衣の義母である。
・とわの事は自分の息子ではあるが、嫌っている。
〇藤野 京
・とわの父。離婚した二年後に再婚。現在は再婚相手との子である6歳の息子がいる。
・とわの事はものすごく愛しているが、上手く伝わらない。