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裏話   それから

 あれから2日。

 

 おれは、またいつものように学校に通っている。

 姉さんは、旦那さんと一緒に暮らしている。ああ、高2になったらおれもそっちにいくことになってる。今さら両親としっかり顔合わすの辛いしね、仲悪かったし。学校も近いし別にいいかなぁって。

 でも、両親ともちゃんと会話している。もう前みたいな家族じゃないし、おれの心も結構軽い。

 所詮おれの悩みは、家族との関係だけだしね。

 おれも大人になったよ。


 相変わらずだが、刻はおれと一緒に通学路を歩いている。

 てっきり魔力がなくなったら消えてしまうのか、年をとってしまうのかと思いきや、いつも通りだ。本人いわく、そう簡単に死なないんだよ、人間は、…とかほざくもんだから。

 まぁ、あの本はそう簡単に人が死ぬことを許さないだろうしね。生み出した者は死ぬまで放置ってことですか。じゃぁこいつの両親とかどうなってんだ?


「ああ、俺正直言って、飲んだり食ったりとかしなくてもいいからさ。だって死んでるもん。まぁ、食べた方が美味しいし、いいんだけどね。ちなみに減らないものは増えないから、ブラックホールだぜ?」


 怪物か。

 しかも1人暮らしとかいうもんだから。

 しょうがないから今、姉さんのところに居候中。


 今日もいつも通り。

 途中から亜矢と裕里も一緒になって登校。

 そう、いつも通りだったのだが。


「ちょっと見た?さっきの男の子!」

「百面相して一人で歩いてたけど、あの子誰?チョーイケメンじゃん!」

「転校生じゃないよね?普通に登校してたし…」


 そんなイケメンが、なぜ知られてなかったのだろうか。


「イケメン!?萌えを得るチャンスかも!」

「多分普通の人とは違うところで興奮してるのよね…」


 横で亜矢と裕里が喋っている。

 おれは刻を見る。

 刻は妙ににやついていたのだが…、何だこいつ?


「向こうの方らしいけど…」


 そう言いながら亜矢は、曲がり角の方をそっと覗く。

 するとそさくさと亜矢は戻ってきて、身振り手振りで説明しだした。


「確かに見たことない!!」


 それもかっこいい人だよ~、と言う。

 ますます不思議になっておれらも曲がり角を覗く、と。


 おれは、唖然とした。


 見たことある黒髪と背丈。

 普段頭についていることの多いモノがないから、ちょっと違和感はあるけれど。

 うん、これは…。


「ジュンガ、いや、木戸真…?」


 彼は百面相をしている。

 気合を入れたような表情になったり、しょぼーんとなったり、バカ丸出しである。


「刻、お前知ってたな」

「次元が違うとはいったけど、違う世界とは言っていない。第一、あの本の世界ではここも次元が違う世界だしね」

「…やっぱりお前、年上だわ」


 畜生。

 すると、百面相をしていた彼はこちらのざわめきに気付いたのかこっちをみる。

 そしてやっぱり、この状況についていけないのかポカンとしている。

 何度か瞬きして、そして…。


「和也ぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 とか叫びながらこっちに飛びついて来た。


「ごはっ!!ジュ…、じゃなくて真、ちょっと、苦しぃぃぃ」

「まさかこんなに早く出会えるとは…、さっきからいろんな人がオレの方を見てひそひそ話すんだよ、怖くて怖くて…」

「それはお前のことがかっこいいね、って騒いでんだって」

「ホント?悪いこととか…」

「言われてません」


 それを聞いてほっとしたのか、真はおれの体を放してくれた。

 何だろう、裕里の表情が生き生きとしている。やっぱりおれらは従兄妹設定がなくても、同人ネタにされる運命なのかしら……。


「妙に見たことあると思ったら、まさか来たことある所だったなんてね…。よし、オレここでの生活頑張れそう!」

「そーかいそーかい」


 このテンションの高さはなんなんだ。

 やっぱりこいつ、狼じゃなくて犬だな。


「ほら学校着いたよ」

「おお、やっぱり豊丘高校じゃん!」

「……そろそろだな」

「ん?」


 刻の言葉が引っ掛かりつつも、おれは校門の方へと向かう…とその時。

 一台の車が、校門の前に停まった。

 辺りがざわめく。それもそうだろう。中からかなりの美人さんが現れたのだから。

 髪は茶色で、長い。黒じゃないってところがまたいいのか、彼女には似合ってる気がする。

 というか、おれは、彼女に違和感なく似合う髪の色を知っている。


 だって彼女は、コウリン。

 もとい、中原清華なのだ。


「お前、何で…。入院してたんじゃ!!」


 パ二くっておれは、彼女の方へと歩み寄りながら叫ぶ。

 彼女はおれの方を見て驚きながらも、「和也…?」なんて呟く。

 そして、おれの言いたいことに納得したのか、清華ははいはいとおれをなだめながら話してくれた。


「私の意識、どうやら自分の体を刺す前に本の世界へと言ってたらしいのよ。だから正体不明の眠りについてた私の体は、私が帰ってきたことによって眼を覚ます。もちろんそんなのすぐ退院よ。でね、私の両親、自分たちが悪かったから娘に悪いことが起きたんだって言って謝ってねぇ、そして今は普通に暮らしてたってことよ」


 でも、まだ体に何か影響があるかもってことで、車で送り迎え。

 そんなことをサラっと言う彼女だが、きっと両親が仲良くなり、彼女も幸せなのだろう。いつもより表情が明るい。

 …………てか待て。


「刻、お前これも知っていたな」

「黙ってたからこそこの感動的再会。いい仕事したよ」

「何というか、“王道”だ、やっぱり…」


 思わずホロっと口から出た言葉に、真っ先に反応したのはもちろん清華だった。


「和也、それは禁句だぞ」


 ですよね。

 というかやっぱりおれは、この設定からは逃れられないようだ。


 これもまた“王道”ってことで、ね。

完結!!


これまでお付き合いくださった皆さん、本当にありがとうございました!

駄文で申し訳ないです。

そしてぐたぐた展開ごめんなさい><

中二病って感じでしたかねぇ…。

全部“王道”を言い訳にしたいと思います。


さて、実は“王道”ワールド。

続編があるんです。

こちらもまたそのうち書いていこうと思うのでよろしくお願いします。

今度の主人公は、実はこの“王道”は禁句でちょっとだけ存在が書かれていたりとか…。


ではでは!

またどこかで会える日を願って。


ありがとうございました!!!!

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