透明
プルルンとした青色が思い浮かんだ。
「スライムってあの雑魚か…。」
まあ派生先が多いし、俺は嫌いじゃないけど。
「一般的に見たら全然雑魚じゃないんだけどな。まあ魔法が使えるやつにとったら雑魚かもしれんな。」
「何かあるのか?」
「スライムには不思議なことに器官が一つしか存在してないんだよ。まあコアなんだが。それを覆う液体とも固体とも言えない物質には物理攻撃がほとんど吸収されて効かないんだよ。剣で攻撃なんかしても左右に別れた後でくっつくしな。」
まあ確かにそんなイメージもある。くっついたあとに頭に王冠をのせるやつもいるくらいだしな。
「そして最も厄介な点が進化が早いことだな。それだけに多種多様で未だに確認されていない種類は100を越える、なんて言ってる学者もいるみたいだ。」
ふーん。はぐれたり銀色になったりするのはどの世界でも共通なんですね。
「もしかしたらその異常発生で新種が生まれ他のスライムを淘汰したのかもしれない。用心しすぎてダメなことはないんだ。警戒に警戒を重ねてこい。じゃあ、頼んだぞ。」
「というわけだから周りには気を付けるとしようか、ガイア。」
目的地に到達すると俺はガイアに声をかける。
ガイアは静かに首を縦に振った。
んー、にしても見渡す限り平野。
しかもたくさん人がいるのが見える。
これでスライムどころか他の魔獣一匹見当たらないってのはおかしい、のかな?
「おう。いつぞやの。」
声をかけてきた人はいつぞやのひゃっはーなモヒカンだった。
「あのときは悪かったな。異常発生の兆候を確認するのがいつもより遅かったみたいでな。一秒すらも惜しくて急いでたんだよ。まあ
許せや。」
別に怒ってないし事情があるなら仕方ないだろ。
「気にしてないさ。それより何かわかったことはあるのか?何か何も現れないらしいけど。」
「それが居なさすぎるんだ。こんなに一ヶ所に人が集まったら何かしら興味を持って集まってくるもんなんだが。」
へー。
「あと原因として思い付くのは空…くらいなもんかねぇ?」
散々地面は探してるしな。
かといって空に原因があるのかと言われればわからないけど。
「みんなにも伝えておいてやるか。じゃあな。」
よくしゃべるやつだったな。まあ見た目より話しやすそうだけど。
「じゃあ、ガイア。俺達も上に注目してみるか?」
会話中ずっと黙っていたガイアを見ると地面に耳を当てていた。
「何してるんだ?」
「いえ。何かの気配を感じたので。」
周りを見ても俺達を除いて誰もいない。
気のせいだろ、と流そうとしたが俺よりも高性能なガイアが言ってるのだから何かあるのかもしれない。
「その気配でわかることはあるか?」
「はい。小さいですね。マスターの膝くらいです。」
もう一度見渡しても何もいない。
「あっちの方角ですね。」
「まあ信じてみるか。」
どうせ手がかりも何もないんだし。
そう思って数歩歩いたら俺は何か柔らかいもの踏みつけた。
…フラグ回収早っ!
2ヶ月…
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