帰宅
皆で遊んだ日から一週間。
とりあえず俺たちの仕事は終わりだ。
結果は出なかったが、進展はあった。
トライアちゃんから俺に話しかけてくれたことはなかったけど、俺から逃げることはなかったし、トライアちゃんが他の友達と遊んでいるところを見かけた。前よりも積極的になったそうだ。
ここが楽しくなってきたらいいよな。
そう言えば結果と言えば、皆ドッジボールを好きになってくれたみたいだ。
ボールはあげることにした。
…もし本気でノヴァとドッジボールしてたら、命がいくつあっても足りなかったなー。
何より嬉しかったのはノヴァとトライアが二人で話していたことだ。
相手が俺じゃないってのは悲しかったけど、まあ同性の方が話しやすいこともあるだろ。
…ノヴァって女の子だよね?
何を話していたのかは乙女の秘密とか言って教えてくれなかったけどな。
一つ教えてくれた、って言うか伝言らしい。
「いつか私のことを話すから、今は待っていてほしい。」だと。
まあ時々遊びに来るって子供たちとも約束したし、少しずつ仲良くなっていけたらいいよな。
「一週間短かったですね。」
「はい。短い間でしたけど、有り難うございました。たまに伺いますけどね。」
「ふふっ。そうですね。でも、お金は出ませんよ。」
「それは厳しいですね。」
二人で談笑しながら、ギルドに向かう。
ノヴァは先に返した。ノヴァの分も俺が預かることにした。
一応確認のために依頼主がついてこないとダメなんだとか。
何でも昔は依頼主が持つ印鑑で依頼完了を確認していたらしい。
それをかこつけて依頼主を監禁し、印鑑を略奪するやつが出たらしい。
監禁するなんて酷いやつだ!と言うよりも殺さなかっただけましと考えるようになってしまった自分が悲しいよ…。
その人が居ないことに気づいた近隣住民が通報?したことで発見されたらしい。
それからは口頭で伝えるようになったとか。
まあそっちの方が細かくどうだったとか伝えられるからいいと思うよ。
面倒だと思う人が居るとは思うけどね。
「何とか完了したみたいだな。」
「はい。よくやってくれましたよ。」
「いやいや。それほどでもないですよ。」
「まあとりあえず冒険者の一人として認めてやってもいいかな。」
何でコイツはこんなに偉そうなんだよ。
「俺たちの仲間入りだ。よろしくな。」
ニカッと笑いやがって。むかつくが…
「ああ。よろしくな。」
悪い気はしないな。
事務的な話をするとか言って奥に入っていった。
どれくらい待たされるかも分からないから今まで行ったことないフロアに上がってみようかな。
何か…可愛らしいやつばっかりだな。思ってたのと違うわ。
言うならば癒されるわ。
子供ばかり扱ってるんだろうか。
初心者用とか?
まあ聞いてみればいいか。
「すみません。ここにいるやつらって…。」
「ああ、はい。テイム用ですよ?」
「他にはいないんですか?例えば…グランリザードとか。」
「何言ってるんですか!?あんな危険な魔獣を従えれる訳ないじゃないですか!」
じゃあ、ドラゴンとかもっての他なんだろうね…。
「他に御用は?」
「いえ、ないです。」
「もし、なついてくる魔獣がいたら連絡ください。」
滞りなく済んだらしい。
降りたらおっさんが待っていた。
アキラさんは帰ってしまったらしい。
「これが報酬だ。あの姉ちゃん達に奢ってやりな。」
「はぁ…。」
何でまた。
二人が泊まっている宿に着いた。
ノヴァももういるはずだ。
一週間ぶりなのにもっと長く別れていた気がする。
懐かしい気分だ。
帰る場所があるっていいことかもしれないな。
「おかえり!」
後ろから声をかけられた。
この声はロズフルかな。
「ただいま。」
今回はおっさんの言う通りにしとくか。
あと数回番外編入れてこの章は終わりです。
…何か長かったな。
色々アクシデントがあって待たせることも多くなって申し訳ないです。
次の章までは構想が出来てるので直ぐに投稿出来ればとは思いますけど…。
出来ない約束はするべきではないことをこの小説は教えてくれましたw
読んでいただき有り難うございました!
評価等よろしくお願いいたします!