遊戯①
ギリギリ今日中に投稿出来た…
「何でここに…って」
聞くまでもないか。
「寝る必要なんかないからね!」
「ああ。助かったよ。」
「ところでこの少女はあの孤児院に属している少女と思われます。」
見てみると完全に元通りとまではいかないが体も小さくなっており、目を確認すると元の黄色に戻っていた。
「何だったんだ?さっきまでのは。」
何か知らないかとノヴァに聞いてみるも首を振った。
「しかし意図的に自らの体を獣に近づける魔法はあるようですね。強力な魔法と聞くよ?しかし、自我を失うものではないし、あそこまで元の姿からかけ離れたものになるとも聞かないんだけど。」
じゃあ、やっぱり異常なんだろうか。詳しいことは知らないから何とも言えないな。親が誰かわかれば少しはわかるかも知れないが孤児だしな。
「あともうひとつ気になることが…。」
「なんだ?教えてくれ。」
「獣人と魔人の違いって何か知ってる?」
「ああ、知ってるぞ。確か獣人が動物の特徴を持っていて、魔人が魔獣の特徴を持つんだよな。」
「じゃあ、動物と魔獣の違いは?」
「それくらい知っとるわ!コアを持ってるか持って…。」
ん?待てよ?普通に考えたらドラゴンって動物じゃないよな?どんな作品でも魔法とか炎吐いたりするし…。
「まさか…。」
「うん。そのまさかかも。私が知っている竜族でコアを持たないものはいない。」
とりあえずトライアちゃんを連れて、孤児院に帰ることにした。
今までどうやって孤児院に帰ってきていたのか不思議だが、このまま放置するわけにもいかないだろう。
…ずっと一人で悩んでいたんだろうか。
気づいた人もいなかったのだろうか?いてもおかしくはないだろうが…どうすることも出来なかったのかもしれないな。
ノヴァに聞いたらドラゴンは魔獣の中でも上位らしいし、知性もある気高い存在だとか。
何故そのような存在の特性を持っているはずなのに、あんな暴れだしたんだろうか?
うーん。もっとこの世界に知り合いがいればわかることもあるかもしれないのになー。
一番そういうのに詳しいミカはここに居ないしな。
一晩様子を見ることにした。
最近こういうの増えてきたな。
一度立ち上がって周りを確認するような動きをしたが、直ぐに寝てしまった。
意識はないのだろうか?起きたら確認する必要があるな。
原因を知っていたらいいんだけどな。
…
……
それ以前の問題だとは思いませんでした…。
明らかに俺を避けるような行動をしている。
何となく理由はわかるけども…こう目に見えて避けられるってのは悲しいものがある。
「レオンさん何かしたんですか?嫌われてるように見えるんですけど。」
「むしろあっちがしたんですよ。」
「?」
どうしようかなー。折角事情を知ったんだから悩みくらいは聞いてあげたいんだけど。
関わるのが面倒だから関わらない、じゃ悲しいもんな。
俺どんな風に友達つくってたかなー。
やっぱ話題のものとか共通のものとかは話の始まりとしてはいいと思うんだけど、話題のものなんて知らないし、共通のものに至っては性別も種族すらも違うからなー。
あとはどんな風にしてたかな?
体育祭とか修学旅行とかの行事で新しい友達が出来たりもしたけど…あいつら今どうしてんのかな。
いやいや。今は思い出に浸ってる暇じゃない。
あとはどうしてたかな。
あっちも子供なんだから子供の頃にどうやっていたかを思い出してみようかな。
んー。やっぱり行事が多かったな。あとは遊びに参加したりもしてたけど。
…やってみようかな。
「すみません。今日の自由時間を俺に貸してもらってもいいですか?」
「じゃあ、今日は!俺が知ってる面白い遊び!ドッジボールを皆でしてみよう!」
うん。掴みはいいかな。
皆興味深そうに俺の話を聞いてくれている。
勿論トライアちゃんもだ。
俺の考えは行事と遊びのどちらも取り入れてみようというものだ。
行事で友達が出来るのは今まで関わらなかった人達と関わる必要や機会が出来るから。
遊びで友達が出来るのは楽しいことを共有出来るからだと思う。
ならその2つを合わせたら凄いものになる!という安直な考えだ。
でも、悪くないと思うんだけどな。
適度にやる気が出るチーム戦で必要なものは場所とボールだけ。
ルールも簡単だし、何より面白いだろう。
俺も時々やりたくなったりする。
…別に俺がしたいからじゃないよ?
俺とノヴァは参加するかどうか迷ったが、やっぱり一緒にやった方が親近感も増すんじゃないかな?
…だから俺がやりたい訳じゃないって。
チームは俺とノヴァが別のチームでハンデは特につけないけど手加減するように指示した。
力調整は得意と言ってたから大丈夫と信じたいけど…俺はあの速さを体験させられたからね…。
まあ信じよう。
ルールを説明したあとチームに分けてみたら人が多すぎた。
コートを広くしたがまあいいだろう。
俺はトライアちゃんと別のチームになった。
同じチームの方が良かったかもしれないけど、ノヴァと仲良くなってくれればそれでいいもんな。
アキラさんにボールを投げあげてもらってゲームを始める。
最初はノヴァを含め全員よくわかってなかったから内野の人を狙い続けていた。
俺が外野にパスして投げる機会をあげてることをボール回しをして翻弄していると思ったのか皆しだした。
心配していたノヴァも俺以外には投げないようだ。
かわしてしまうと後ろに当たるかもしれないからキャッチするけど…男子なんか比にならないくらい手が痺れるボールだぜ!
じゃあ、そろそろ俺も外野に行こうかな。
そうだ、トライアちゃんに当てさせるか。楽しんでもらいたいしな。
内野の人数も減っていたがトライアちゃんは逃げ続けていたのでまだ残っていた。
トライアちゃんを狙ってゆっくりと投げる。
!?
トライアちゃんが背中を向けて避けようとしたので翼に当たってしまった。
顔面が蒼白になるのを感じる。
あんなことがあったのに当ててしまうなんて…しかも、翼に。
「ご、ごめんっ!痛くなかった?」
頭を下げたら直ぐに上から声が聞こえた。
「当たっちゃった//」
楽しんでくれてるみたいだ。
それだけでこれをやった価値はあったよ。
他の転生物だとトランプとかボードゲームなど屋内でやるものばっかじゃないですか。
勿論それでもいいんですけど、今回は子供達と遊ぶ目的なので体を動かせる遊びにしてみました。
あと友達のできかたの話ですが、私にはこれ以上思いつかなかったよ…
読んでいただきありがとうございました!
評価等よろしくお願いいたします!